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TOP特集インタビュー学科長・担任・就職指導も!「先生みんなで学生を見守り助け合っています」

学科長・担任・就職指導も!「先生みんなで学生を見守り助け合っています」

2024.07.01 (最終更新:2024.08.21) インタビュー 教務情報

連載専門学校の先生のお仕事ライフハック

全国の専門学校の先生にインタビュー!先生の「お仕事ライフハック」=働くうえでの仕事術やアイデアを共有してもらいます。同じ職業だからこそ分かるお悩みやテクニックを参考に、明日からのお仕事ライフをアップデートしちゃいましょう!

専門学校の先生の中には、忙しい毎日を送っている方が多いと思います。
ウイナレッジが以前行ったアンケートでも「業務量」と「勤務時間」に悩まれている先生が多い結果になりました。多忙な業務の中で、学生のため、自分のために時間をやりくりするにはどうしたらいいのでしょうか?

関連記事:学生への指導や業務量が気がかり…専門学校の先生が抱える悩みとは?

第1回目の今回は、学科長兼担任を務めながら、授業や就職指導もこなすという多忙な日々の中、学生からも先生からも高い信頼を得る大阪バイオメディカル専門学校の中原かおる先生にお話を伺いました。

大阪バイオメディカル専門学校 医療事務総合学科学科長

中原かおる 先生

医療事務の社会人向けコースを受講していた際にスカウトを受けて講師の道へ。現在は学科長として医療事務総合学科をまとめながら担任クラスを持ち、医療事務、実践行動学などの授業、就職指導も担当する。

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経歴 ・先生になった理由

きっかけは当時の講師からのスカウト

大学卒業後、医療事務の社会人向けコースの講師になりました。しばらくして専門学校へ移り、医療事務の教員に。その後、開校1年目だった大阪バイオメディカル専門学校で働き始めて現在21年目になります。

実は、大学時代は特になりたい職業というものがなくて。大学卒業後、自営業をしていた実家で事務をしながら、資格を取ろうと考えたんです。母の入院をきっかけに興味を持った医療事務の資格取得を目指し、社会人向けの夜間講座へ通い始めました。そのとき講師から「夜間や土日の講師をやってみないか?」と誘っていただいたのがきっかけです。
学生時代のアルバイトで塾の講師経験があったものの、もともと講師を志していたというわけではなかったんですが、学生の成長を見守る中でやりがいを感じ、そこからずっと講師を続けています

現在の業務

学科長、担任、授業、就職指導と幅広く担当

学校での業務は本当に幅広くやらせてもらっています。
まず、学科長業務では、常勤、非常勤の先生方と授業や学生指導についての相談や打ち合わせを日々行っています。
授業は実践行動学と医療事務、医療事務パソコン、医療事務検定対策を週4回6コマ持っています。
今年度は担任クラスも持っていて、担任業務として学生と面談したり、ホームルームや放課後のフォローを行ったりしています。

また、本校は就職課をあえて置いていないので、病院やクリニックに行き就職関連の打ち合わせをすることもあります。また、学生募集に関する業務も行っています。

正直きついときもあるのですが(笑)、学生のためにという思いと、自分の成長のためという思いが強いので、毎日とても充実しています。

やりがい・おもしろさ

幸せな涙を流して喜びを分かち合える特別な仕事

「学生のためにこういうことを勉強してみよう」「こういう資格を取ってみよう」と、自己啓発につながるところが魅力の一つだと思います。

それから、医療事務は資格を取得することを目標に学生が頑張っており、講師も学生と共に資格取得を目指して歩んでいきます。努力している様子を見てきた学生が検定に合格したり内定が出たりなど、いい結果を出せたときに、「講師をやっていてよかったな~」と実感します。誰かと一緒に幸せな涙を流して喜べる仕事って少ないと思うんです。

また、学生から「先生やから退学せずに続けられた」「先生やから苦手な科目を頑張れた」と言ってもらったときもすごく喜びを感じます。

つい先日も、違う学科の卒業生が私の「〇〇くんだったら頑張れる、受かるよ!」という一言が医療事務の資格を受ける後押しになったと言ってくれて。「履歴書でその資格を書く度に、先生のことを思い出すんです。本当にありがとうございました」と言ってくれたので、「いやこちらこそありがとう!!思い出してくれてたんや~」とうれしく思いました。極端な言い方ですが、講師の一言が学生の人生を変えるきっかけになるんだと実感しました。

また、この学校に勤めて21年目になりますが、卒業生が会いに来てくれることも多く、どの世代の卒業生とも誰かしらとつながりがあります。卒業生にすぐ連絡が取れる環境なので、学生が就職活動をする際には、希望する病院に勤めている卒業生に連絡を取ったり、学生と卒業生をつないで話をする機会を設けたりしています。21年前の一期生でもずっと付き合いのある卒業生が何名かいて。実は今一緒に働いている先生も元教え子なんですよ。

お仕事ライフハック

先生同士のチーム力を高めること、自分から心を開くこと

当たり前のことかもしれませんが、授業では強調したい部分を大きな声で伝える、ゆっくりと話すなど、声の出し方に気を付けています。そのほかにも学生の目を見てアイコンタクトをしっかりとる学生が理解しやすい言葉を使う質問しやすい雰囲気を作るためにできるだけ歩き回るといったことを心がけています。質問するって学生にとっては勇気がいることなんですよね。

それから、ほかの先生から「板書のバランスが読みやすい」とよく言ってもらえます。最初に講師になった際に教わった「大きく見やすく書く」というのをずっと意識しているからかなと思います。

学生とのコミュニケーションにおいては、話をじっくりと聞くようにしています。信頼関係がないと授業やクラスがまとまらないので、まずはこちらから心を開くことが大切だと思っていて。私の経験や失敗談を話すなど、学生の前でけっこうさらけ出していますね。

例えば、学生時代に学校を休んでいた経験がある先生ならそれを話してあげる。その上で、「それを乗り越えて今があるんだよ」と伝えると、「先生でもそうなんだ」と学生が励まされると思うんです。人生の中で一度も失敗したことがない人なんていないですよね。こちらができる範囲でオープンになることで、学生に親しみやすく思ってもらえればと思っています。

あと、職員室に学生が来たら一番に学生のところへ行ったり、学生が立っていたら積極的に話しかけたりもしているみたいです。そのあたりは本当に自然体でやっていることなので、周りの先生に教えてもらって知りました(笑)。

周りからは、アスリートなどの例えにもよく使われる「理論派」と「感覚派」だったら「完全に感覚派だね」と言われるんです(笑)。自然体にやりたいようにやっているので、実はなかなか自分が普段どんなことをしているのか分からなくって。
なので今回、卒業生に連絡を取って自分のことを質問してみたんです。自分の行動を振り返るいいきっかけになりました。

話しやすくて相談しやすく、先生と私たちとの距離を感じさせず親身的。雑談も聞いてくれる。病院実習でつらいことがあって、「しんどかったな」って話を聞いてくれてうれしかった。聞き上手で勇気をくれるところもほんま好き

問題の答え合わせでは必ず解説を説明してくれ、質問をした際には答えだけでなく、どこを見ればわかりやすいかを教えてくれる。授業以外でも質問すると、必要であれば職員室から資料を持ってきてくれて支援を惜しまない。一番質問や相談がしやすい

いつもニコニコして授業してくれている。どんなときも親身に学生と同じ目線で話を聞いてくれる。ほかの先生ももちろん話しかけやすい雰囲気だけど、個人的には中原先生が1番声をかけやすかった

内容もそうですが、こうやってすぐに返事をくれること自体が本当にうれしいです!

また、先生とも時間があればできるだけ1 on 1ミーティングをして話を聞いています。一人で問題を抱えるのではなく、みんなで取り組んでいきたいという思いが強いからです。
真面目な先生ほど、「先生だからしっかりしないと」「弱いところを見せてはいけない」と思ってしまうことがあるのですが、「自分が何とかしなくては」ではなくて、「自分のクラスも隣のクラスもみんなで見ていく」という考えの方が、結果的に学生の満足度が高まるんじゃないかと思うんです。先生同士が仲良く協力することで、いいアイデアが生まれることもありますしね。

責任感のある先生ほど、「私は私の持ち場を頑張る」という風になってしまいがちなんですよね。先生同士が一致団結するのが難しい環境もあると思うんですが、そういう雰囲気ってこちらが思っているよりも学生に伝わってしまうので…。先生同士のチーム力を高めて助け合うことが、学生のためにも先生自身の身を守ることにもなると思います。それから、本当にしんどいときには学生にもそれを素直に話してみていいと思います。

ワークライフバランス

「お互い様」の精神で助け合うことでオフの時間も充実

ワークライフバランスはとれていると思います。オンとオフを切り替えて、趣味のピラティスで体を動かしたり、おいしいものを食べたりしてリフレッシュしています。

きっかけは、前職で学生のためにと100%以上の力で頑張りすぎてしまい、数カ月で不整脈を起こしてしまったことでした。もともとすごく健康体だったのに、続けていた大好きな運動も止められてしまって。

当時の上司に「100%以上を常に目指して短い期間で終わるよりも、90%の力で何年も仕事を続けられる方が良い」と言われました。若かったのですぐには意味が分かりませんでしたが、経験を積んでいくことで、力を抜くところは抜けるようになっていきました。いい意味で力を抜く方が、自分のためにも学生のためにもなるんだと悟りました。

今は優先順位をきちんとつけて、本当に今日やらなくてはいけない仕事でなければ帰宅することを心がけています。

私以外にも、小さいお子さんがいる先生は時短勤務をされていますし、休みが取りやすい環境だと思います。授業参観がある際には授業を替わるなどして臨機応変に対応しています。特に育児や介護は誰にでもあり得る話なので、「お互い様」という意識を持って、何でも話し合える環境作りを大切にしています。

学校のいいところ

決断が早く、授業やカリキュラムに新しいアイデアが反映されやすい

決断がとても早いところです。「学生がこんな授業に興味がある」「若い子たちは今こんなことに興味がある」「学生からこんな意見が出た」となると、すぐに授業やカリキュラムに取り入れることができます。

例えば今年の4月からは、学生が興味を持っているとのことで「骨格診断」と「韓国語」の授業がスタートしました。おそらく大きな学校ですと承認が下りるまでに時間が必要となり、在学している学生が卒業してからのスタートになってしまうこともあると思うのですが、本校はここに一つしかない学校なので決断が早く、すぐに取り入れられるため、在学中の学生にも新しい授業を受けてもらえるというのがいい点だなと思っています。

また、年に2回レクリエーションを行っていて、つい先日も神戸に香水作り&食べ歩きにいきました。学生一人ひとりに決まった金額を渡して「好きなもの食べておいで~」と言って。こんな風に「こうした方が学生の満足度が高いんじゃないかな」というアイデアは、どんどん実行することができます。意見を出しやすく、すぐに反映されやすいんです。

一日のスケジュール

  • 8:30
    出社

    メールチェック、授業準備などを行います。

  • 9:00
    学科朝礼、授業

    授業がないときは、課題チェックや会議資料の作成をします。

  • 12:30
    お昼休憩

    毎日おにぎりを持参。授業がない日はたまに外食します。

    万座毛
  • 13:20
    午後の授業

    担当科目の授業を行います。

  • 16:00
    授業終了後

    会議、事務処理、授業準備、課題チェック、病院訪問など、さまざまな業務を行います。

    万座毛
  • 18:00
    帰宅

    オンオフしっかり切り替えています。

  • 19:00
    買い物、夕食準備、夕食、夫とティータイム

    業務終了後に岩盤ヨガやピラティスに行き、リフレッシュすることもあります。

  • 21:00
    自由時間

    テレビを見たり友人と電話したり、ソファでくつろぎタイム。

  • 23:00
    就寝

    リラックスして寝られるようにアロマを愛用しています。

    万座毛

必須アイテム

テキストと電卓

授業でマストなアイテムたちです。特に診療点数早見表は医療事務にとってなくてはならない一冊。どこに何が載っていていかに早く調べられるかを指導するため、読み込んでいます。インデックスを付けて分かりやすくしたり、学科対策で重要な箇所に線を引いたりと使いやすいよう工夫しています。

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