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TOP教育医療・福祉【医学用語の基礎学習】医療・福祉系学生が間違えやすい漢字を解説

【医学用語の基礎学習】医療・福祉系学生が間違えやすい漢字を解説

2024.03.29 (最終更新:2024.04.05) 医療・福祉 教務情報

「医学用語」は、医療・福祉系の道に進む学生にとって、必要不可欠なものです。しかし、非常に難解な印象があるのではないでしょうか。

「医学用語」の日本語表記は、ほとんど漢字を使っています。しかし、高校までに『国語』で学んだ漢字だけでは不十分だということが、「医学用語」を理解するための最初の関門となります。

この関門を突破できるように、今回は、医学用語を学ぶ学生に最初に教えておきたい漢字の基礎をまとめました。

※本記事の内容は書籍「医療・福祉系学生のための漢字100選」(ウイネット)の一部を再編集したものです。

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漢字を知っていても「医学用語」は読めないことがある

まず始めに、「医学用語」について理解して欲しいのは、以下の点です。

  1. 漢字はすべて音読みであり、重箱読みや湯桶読みは存在しない。例:「頭蓋」とうがい
  2. 一般用語と違う医学用語だけの読み方がある。 例:「壊死」えし
  3. 『生物』で学んだ漢字と違う漢字を用いる場合がある。例:「繊維」は、医学用語では「線維」

したがって、漢字を知っていても音読みを知らなければ、講義で「医学用語」を聞いても、 何のことか理解できなくなってしまいます

また、読み方が違えば、相手に何のことを意味しているのか理解してもらえません。これらのことを解決するために、それぞれの漢字について音読み、訓読みを覚えましょう。

医学用語の基礎となる漢字集

高校までに学んだ漢字について「医学用語」でよく使うものを集めました。音読みをしっかり理解しましょう。また、これまで勉強した漢字の音読みとは違うものもあるので、気を付けましょう。

音読み:アク・オ
訓読み:わる・い

悪阻(おそ)〔morning sickness〕
つわりのことを意味します。つわりは特に 早朝空腹時に症状が強く現れることが多いこ とから、英語でmorning sickness(朝の吐 き気)と表されています

悪寒(おかん)〔chill, shivers〕
寒気(さむけ)のことです。病気などのために身体に寒さを感じ、震えが生じることを「悪寒 (おかん)がする」といいます。

悪疫(あくえき)〔plague〕
悪性の流行病のことです。特にコレラやペストをいいます。

音読み:カイ
訓読み:こわ・す こわ・れる

壊死(えし)〔necrosis〕
体の組織が死ぬことを意味します。

大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)〔femoral head necrosis〕
脚のつけ根にある股関節(こかんせつ)の中の大腿骨頭(大腿骨の一番上端の部分)の骨組織 が死んでしまい、関節面が陥没したり変形したりする病気です。強い痛みを伴い、壊死の範囲が 大きいと、体重に耐えきれずにつぶれてしまいます。

壊疽(えそ)〔gangrene〕
壊死した部分が腐ることをいいます。黒色ないし緑色に変色したり、悪臭を放ったりします。 壊疽は細菌感染や血液供給の不足によって進みます。

音読み:カク
訓読み:へだ・てる へだ・たる

横隔膜(おうかくまく)〔diaphragm〕
肺の下、胃の上あたりに位置して胸部と腹 部を隔てているドームのような薄い膜状の筋 肉をいいます。横隔膜が上下することで呼吸 を助けています。息を吸うときは横隔膜が収 縮して下がり肺に空気が流れ込みます。息を 音読み:カク 訓読み:へだ・てる へだ・たる 吐くときには、横隔膜が上がって肺を縮め空 気が出ていきます。横隔膜が痙攣(けいれ ん)すると「しゃっくり」を起こします。

中隔(ちゅうかく)〔septum〕
2つの空洞を仕切る薄い壁組織のことを意味します。鼻中隔、心房中隔、心室中隔などがあります。

縦隔(じゅうかく)〔mediastinum〕
胸腔(きょうくう)内の、左右の肺の間の領域をいいます。この領域には、心臓、食道、気管など の臓器が納まっています。

音読み:カン
訓読み:かんむり

冠状縫合(かんじょうほうごう)〔coronary suture〕
冠状縫合は、前頭骨と左右頭頂骨の間の縫 合の名前です。ちょうど冠 (corona) をつ けた位置にあることから「冠状」という名前 がつきました。

冠状動脈(かんじょうどうみゃく)〔coronary artery〕
心臓壁に冠状に分布する動脈で、心臓の筋肉に血液を供給しています。心臓を冠のように取り巻い ているところから、冠状動脈と命名されました。

音読み:カン
訓読み:ゆる・む ゆる・やか ゆる・くする ゆる・める

弛緩(しかん)[relaxation]
筋肉など収縮したものがゆるんでもとにも どることを意味します。

弛緩期(しかんき)[diastole]
筋肉などで、力を出している状態と力を出していない状態が、収縮と弛緩を繰り替えているときに、 弛緩状態を続けている期間のことです。 例えば心臓では、心筋の弛緩期に静脈から血液が心臓に流れ込み、収縮期に血液が心臓から送り出されます。

緩下剤(かんげざい)[laxative]
中程度の強さの下剤。内服によって、糞便を粥(かゆ)状にして柔らかくし、たびたび排泄(はいせつ)させるような作用があります。

筋弛緩薬(きんしかんやく)[muscle relaxant]
筋肉の緊張を緩和するための薬剤です。

音読み:キョウ
訓読み:せま・い せば・まる せば・める

狭心症(きょうしんしょう)〔angina pectoris〕
心臓の筋肉(心筋)に酸素を供給している 冠動脈の異常によって、心臓部に締め付けられるような痛みなどの主症状を起こすことを いいます。完全に冠動脈がふさがって心筋が壊死してしまった場合には、心筋梗塞(しんきんこうそく)を起こします。

狭窄(きょうさく)〔narrowing, stenosis〕
血管や気管、食道などの管部分の内腔が狭くなり、血液や飲食物などが通過しにくくなる状態をいいます。

音読み:サク
訓読み:なわ もと・める

軸索(じくさく)〔axon〕
神経細胞の突起のうち比較的長い1本、と きには2本の突起をそれぞれ軸索と呼びま す。軸索は電気信号である活動電位(インパ ルス)を伝え、末端で伝達物質を放出して次 の神経細胞や筋肉細胞に信号を伝えます。神経突起、軸索突起とも呼ばれます。軸索とそ れを取り巻いている被膜をあわせた構造を神 経繊維といいます。

脊索(せきさく)〔notochord〕
脊髄の下を縦走する棒状の弾力的な組織(軟骨)で、神経系や骨格系の形成に係わっています。 原索(げんさく)動物のナメクジウオや脊椎動物の円口類(ヤツメウナギ、メクラウナギなど)で は、一生これが支柱の役目を果たします。しかし、他の高等な脊椎動物では、発生が進むに従って その周囲に脊椎骨が形成され、脊索は退化します。

音読み:ジ
訓読み:みみ

耳介(じかい)〔auricle pinna〕
耳は、外耳・中耳・内耳に大別されます。 外耳は、耳介と外耳道、鼓膜を隔てて中耳は 鼓室と耳管、内耳は聴覚器と平衡感覚から構 成されます。なお、耳介は耳殻(じかく)とも呼ばれます。

耳小骨(じしょうこつ)〔auditory ossicles〕
両生類以上の脊椎動物には、鼓膜の振動を内耳に伝える小さな骨が備わっています。哺(ほ)乳類 では、鐙骨(あぶみこつ)、砧骨(きぬたこつ)、槌骨(つちこつ)の順番でつながった3個の小さな 骨がセット(耳小骨)になって、外部から音として伝わった振動を内耳に伝える働きをしています。こ の3つの小さな骨で、大きすぎる音は小さく、小さい音は大きくなるように調節して鼓膜を介して音を 内耳に効率よく伝えます。

耳管(じかん)〔auditory tube〕
中耳より咽頭側壁に通じている管で、エウスタキオ管ともいいます。鼓膜の内外の気圧を調節するのに役立ちます。

心耳(しんじ)〔atrial auricle〕
心房(しんぼう)にみられる三角状の突起のことです。

音読み:シュク
訓読み:ちぢ・む ちぢ・まる ちぢ・める

萎縮(いしゅく)〔dystrophy, atrophy〕
正常の大きさに達した生体の器官などが、 小さく変化して、機能しなくなることです。 縮退(しゅくたい)ともいいます。

筋萎縮(きんいしゅく)〔Muscular atrophy, myodystrophy, myoatrophy〕
筋肉が萎縮することです。代表的なものが筋ジストロフィ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と脊髄性筋 萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症などです。

拘縮(こうしゅく)〔contracture〕
1回だけの刺激によって生じる筋肉の持続的な収縮のことで、痙縮(けいしゅく)ともいいます。 また、関節に原因がなくて、関節が動かなくなる状態をいいます。

音読み:ショウ
訓読み:とこ ゆか

着床(ちゃくしょう)〔implantation, nidation〕
胎生の哺(ほ)乳類の胚が、母親の子宮壁 に定着することです。妊娠(にんしん)のは じまり。大部分の哺(ほ)乳類では、受精卵 から発生した胚は胚盤胞期(イモリやカエル などの胞胚期に相当)に達すると、子宮内膜 に着床します。

視床(ししょう)〔thalamus〕
間脳は、左右の大脳半球に挟まれるように位置し、視床と視床下部に分かれています。視床は、 全身の感覚や視覚・聴覚の中継核として働きます。

視床下部(ししょうかぶ)〔hypothalamus〕
間脳の一部で、多くの神経核(中枢神経のまとまった細胞群)からできています。自律神経系の 最高中枢で、体温、摂食、生殖、睡眠、物質代謝を調節しています。また、脳下垂体に連なって内 分泌を調節しています。

音読み:スイ
訓読み:た・れる た・らす

下垂(かすい)〔ptosis〕
「下に垂れさがること」です。一般的に、 下垂というとまぶたが下がった状態である 「眼瞼下垂(がんけんかすい)」をいうこと が多いようです。下垂にはほかに、胃下垂、 腸下垂などもあります。

下垂体(かすいたい)〔pituitary gland〕
脳下垂体とも呼ばれ、間脳の視床下部にあって、ホルモンを分泌しています。

音読み:ズイ スイ
訓読み:

骨髄(こつずい)〔bone marrow〕
骨格が成長すると骨の内部には腔所ができます。そこに詰まった組織が骨髄で、主に造血の機能をもっています。

延髄(えんずい)〔medulla oblongata〕
脊椎動物の脳の最も後方の部分を、延髄と呼びます。この延髄に続いているのは脊髄です。生命の維持に直接関係する神経系の中枢として、呼吸や血流調節などを制御しています。

髄質(ずいしつ)〔medulla〕
特定の器官で、表面よりの部分と中心よりの部分とが、構造的・機能的に異なるとき、後者を示す用語です。大脳や副腎などの髄質がこれにあたります。皮質は対語になります。

髄膜(ずいまく)〔meninx(meninges) 〕
脳脊髄を包む膜のことです。脳脊髄膜ともいいます。外側から硬膜・クモ膜・軟膜と3層構造に なっています。 クモ膜はギリシア神話で、女神アテネを怒らせてクモに変えられてしまった少女アラクネに由来し arachnoid といいます。クモ膜下には血管がクモの巣状に走っています。

最後に

もちろん、ここに掲載している漢字だけでは、「医学用語」を学ぶために十分だとはいえません。しかし、「医学用語」に使われている漢字の法則を理解して頂くことにより、「医学用語」を学ぶ助けになればと思います。

書籍「医療・福祉系学生のための漢字100選」(ウイネット)は、医学用語に使用される漢字100字を厳選し、高校まで既習の常用漢字を「Step1」、未習の常用外漢字を「Step2」として、画数、部首、漢字の構成、類義語、対義語などを記載するとともに、医学用語の意味やその英語訳についても併記しています。

医学用語を学ぶ前のステップとしておすすめです。

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また、医学用語の漢字の理解度をはかる確認テストとしてお使いいただけるPDFファイルをご用意しました。

入学したばかりの学生や、医学用語の読み書きでつまづいてしまう学生への指導へお役立てください。

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