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TOPコラムワークフリー素材を使ったら損害賠償トラブルに?事例や利用する際の注意点を解説

フリー素材を使ったら損害賠償トラブルに?事例や利用する際の注意点を解説

2024.10.30 ワーク コラム

イベントポスターや資料を作成する際、イラストを活用すると見栄えがよくなります。そのようなときに便利なフリー素材ですが、安易に使うとトラブルに発展する可能性も。

本記事では、フリー素材の基本やトラブルに発展した事例を解説します。利用時のチェックポイントもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

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フリー素材だけど勝手に使うのはNG?基本を解説

無料で使えるフリー素材は、学校で使うWebコンテンツや資料作りに欠かせない存在。しかし、フリー素材でも利用時に注意しなければならない点があります。押さえておきたい基本は、以下の3点です。

  • フリー素材にも著作権がある
  • 著作権を侵害すると損害賠償を求められることも
  • 「著作権フリー素材」「ロイヤリティフリー素材」との違い

それぞれ詳しく解説します。

フリー素材にも著作権がある

「自由に使える素材」というイメージを持つ先生もいるかもしれませんが、フリー素材にも著作権があります。著作権とは、著作者が創作したイラストや文章などの著作物を保護する権利のこと。

たとえば商用利用が禁止されていたり、クレジットの表記が必要だったりする素材もあります。著作者が許可している範囲外の利用は、著作権の侵害になるので注意しましょう。

著作権を侵害すると損害賠償を求められることも

著作権を侵害した場合、法的トラブルに巻き込まれるリスクがあります。最悪の場合、損害賠償を求められ、学校の信用を落とす可能性もあるでしょう。

「フリーと記載されているから問題ないだろう」と考えていると、大きな代償を払うことになりかねません。トラブルを避けるためにも、フリー素材の正しい使い方を知る必要があります。

「著作権フリー素材」「ロイヤリティフリー素材」との違い

一般的なフリー素材以外にも「著作権フリー素材」と「ロイヤリティフリー素材」があります。著作権フリー素材は著作権が存在しない、もしくは放棄されている状態のため、誰でも自由に使用可能です。ただし著作権フリーの素材は、現状ほとんどありません。Webサイトで提供されている多くのフリー素材には、著作権があると考えておいたほうがよいでしょう。

ロイヤリティーフリー素材とは、一度購入すれば決められた範囲内で何度も利用できる素材です。しかし著作権があるため、無断改変や第三者への譲渡などはできません。同じフリー素材でも種類によって条件や使える範囲が異なるため、違いを理解しておきましょう。

フリー素材を使ってトラブルに発展した3つの事例

安易にWeb上の素材を使った結果、トラブルに発展した事例を3件紹介します。

  • 学校通信に使用したら損害賠償を請求された
  • フリー素材と誤解して著作権を侵害していた
  • 画像を無断で改変して訴訟に発展

それぞれ解説します。

学校通信に使用したら損害賠償を請求された

「学校通信」などの配布物を作るためにイラストを活用したところ、損害賠償を請求された事例が各地で発生しています。2022年9月から23年1月の短期間で神奈川県や愛媛県、佐賀県などの小中学校が使用許諾の範囲外でイラストを使用し、各自治体が11〜12万円の賠償金を支払った事案が相次ぎました。

フリー素材と誤解して著作権を侵害していた

「フリー」とWebで検索し、ヒットした画像を無料で使用できると誤解して学校のホームページで使用した事例です。著作者であるイラストレーターからの連絡で、有料素材の無断使用だったことが発覚。7年分の使用料相当額として、イラストレーターに25万3000円を支払うことで示談が成立しました。

画像を無断で改変して訴訟に発展

写真家がWeb上で公開している写真を、企業が勝手に改変して使用していた事例です。データの無断使用を発見した写真家は、著作権および著作者人格権を侵害したとして損害賠償を請求し、民事訴訟に発展しました。最終的に写真を無断で使用した企業は、71万2226円の賠償金支払いを命じられています。

フリー素材を利用する際の注意点3つ

フリー素材はさまざまなシーンで重宝しますが、使い方を間違えるとトラブルに発展します。利用時は、以下の3点に注意しましょう。

  • 事前に規約を確認する
  • 信頼できるサイトの素材を使う
  • 「拾い画」は使用しない

それぞれ解説します。

事前に規約を確認する

無料だからといって、制限なく自由に使えるとは限りません。多くのフリー素材には、著作者やWebサイトが定めた利用規約が存在します。商用利用が許可されているか、改変を加えてよいかなど、条件はさまざまです。そのため、事前に利用規約を確認しましょう。規約が細かくてわかりにくい場合は、素材の提供元に直接問い合わせるのもひとつの方法です。

信頼できるサイトの素材を使う

なかには著作者の許可なく、無断で素材を配布している悪質なサイトもあります。このようなサイトから素材をダウンロードすると、知らないうちに著作権侵害を犯してしまう恐れも。

リスクを減らすためにも、信頼性の高いサイトの素材を使用しましょう。著作権の情報や利用規約が明確に記載されているか、長期間運営されているか、多くのユーザーに利用されているかなどが見極めるポイントです。

「拾い画」は使用しない

拾い画とは、Web上の画像検索などで見つけた画像を指します。Web上には出所不明の画像が多数存在します。しかし出典や著作権の有無を確認せず使用すると、トラブルに発展するリスクが高くなるため避けましょう。信頼性の高いフリー素材提供サイトから、適切な手順でダウンロードするのがおすすめです。

チェックするべき利用規約のポイント5つ

フリー素材の利用にあたって、確認が欠かせない利用規約。ここでは、特に注意するべき5つのポイントを解説します。

  1. 商用利用OKか
  2. 編集・加工できるか
  3. クレジット表記が必要か
  4. 使用許可を得る必要があるか
  5. 使用できる範囲はどこまでか

それぞれ見ていきましょう。

1.商用利用OKか

商用利用とは、営利目的での素材使用を指します。たとえば、企業のWebサイトやパンフレット、販売商品のパッケージなどに使用する場合は商用利用に該当します。

多くのフリー素材サイトでは、商用利用の可否が明確に記載されています。学校のホームページやイベントのチラシ作成で活用する場合は、必ず「商用利用OK」と明記されている素材を選び、利用できる範囲も確認しましょう。

2.編集・加工できるか

素材をそのまま利用するだけでなく、デザインやコンテンツに合わせてトリミングしたり、テキストを追加したりしたいこともあるでしょう。しかし「加工禁止」「オリジナルのまま使用すること」などの記載がある場合、編集はできません。

また「トリミングは可能だが、色の変更は禁止」など、一部制限が設けられているケースもあります。希望する使い方が可能かチェックしましょう。

3.クレジット表記が必要か

利用条件に、クレジットの表記が義務付けられているフリー素材もあります。クレジット表記とは、素材の出典や著作者を明記すること。クレジット表記を入れられない場合は、素材の使用を有料としているケースもあります。

4.使用許可を得る必要があるか

使用前に、著作者や提供元への連絡を求めているものもあります。この場合、無断で使用すると著作権侵害になる可能性があるため、忘れずに確認しましょう。

5.使用できる範囲はどこまでか

フリー素材の利用範囲は著作者や提供元によって異なりますが、利用先を細かく設定しているケースが一般的です。たとえば、政治的な内容を含むコンテンツへの利用は禁止されている場合が多く、誤って使えばトラブルに発展するリスクが高まります。規約に記載されていない場合は、素材の提供元に確認しましょう。

フリー素材サイトの利用規約を実際に比較

利用規約の内容は、フリー素材サイトによって異なります。ここでは、実際に3サイトを比較しました。ただし、規約の内容は2024年9月時点のものです。変更される可能性もあるため、利用時は最新の規約を確認しましょう。

  • いらすとや
  • Freepik(フリーピック)
  • shigureni free illust(シグレニフリーイラスト)

それぞれの特徴を解説します。

いらすとや

いらすとやの主な利用規約は、以下のとおりです。

商用利用可能(1つの制作物につき20点まで)
編集・加工可能
クレジット表記不要
使用許可不要

個人法人問わず、幅広く使われている「いらすとや」。商用利用OKですが、使用してよい素材は1つの制作物に20点までと制限があります。

商品化に関しては、補助的な役割で使う分にはOKのようです。しかし、商品の大部分に「いらすとや」のイラストを印刷することや、商品タイトルに「いらすとや」の名称を使ってコラボと誤解させるような利用は禁止されています。また「いらすとや」とわからなくなるまで加工するのはNGです。

Freepik(フリーピック)

Freepikの主な利用規約は、以下のとおりです。

商用利用可能
編集・加工可能
クレジット表記必要(プレミアムプランは不要)
使用許可不要

Freepikは海外のサイトですが、日本語に対応しており高品質な素材が豊富に揃っています。基本的に商用利用や加工可能で制限はゆるめですが、無料利用の場合はクレジット表記が必要となることに注意が必要です。

shigureni free illust(シグレニフリーイラスト)

shigureni free illustの主な利用規約は、以下のとおりです。

商用利用可能(コラボイラストは不可)
編集・加工可能(コラボイラストは不可)
クレジット表記必要
使用許可不要

素朴でかわいい女の子の素材に特化したサイトです。基本的に規約の範囲内であれば個人・法人、商用・非商用問わず無料で使えますが、企業とコラボしているイラストに関しては、商用利用や加工を一切禁止しています。どのイラストが、どの範囲まで使えるのか利用時に確認しましょう。

まとめ

コンテンツ制作に役立つフリー素材ですが、理解がないまま使用すると損害賠償などのトラブルに発展する恐れがあります。フリー素材の多くには著作権があり、制限なく自由に使ってよいとは限りません。利用時には規約を細かくチェックし、正しく使いましょう。

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この記事を書いた人
鶴巻 健太

鶴巻 健太

新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課

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