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SDGsを簡単にわかりやすく解説!私たちにできる取り組みとは?

2023.03.15 (最終更新:2023.12.07) ライフ コラム

最近よく耳にする「SDGs」。聞いたことはあるけれど、実際どのような取り組みを指すのかピンとこない先生も多いのではないでしょうか。

SDGsに対する意識は先生世代よりも、Z世代に該当する学生のほうが高い傾向にあります。将来に影響する大切なテーマのため、先生も負けないように意識していきましょう。

本記事では、SDGsの意味や事例をわかりやすくまとめました。今日からできる取り組みも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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SDGsとは何を意味する?簡単にわかりやすく解説

そもそもSDGsとは、何を意味するのでしょうか。基本と日本の現状を解説します。

  • 「持続可能な開発目標」の略称
  • SDGs 17の目標
  • 日本が達成している項目数

詳しく見ていきましょう。

「持続可能な開発目標」の略称

SDGsは「Sustainable Development Goals」の頭文字を合わせた言葉で、読み方は「エスディージーズ」です。

簡単に言うと「世界が抱えている環境問題や差別、人権問題や貧困などの課題をみんなで解決していこう」という国際目標を指します。2015年の国連サミットで決まりました。

現在、世界中の様々な国で多くの課題に直面しています。たとえば大量生産・消費による資源枯渇や、異常気象などの気候変動、価値感の違いによる差別などです。この状態が続くと、安全な暮らしが失われるのではと心配され始めました。

そこで2030年をゴールとして、世界中の人が安心して暮らせるよう17の目標が掲げられたのです。

キーワードは「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)」。達成のためには、一部の人だけの努力では足りません。地球に暮らすすべての人の、積極的な行動が求められています。

SDGs 17の目標

具体的なSDGsの目標は、次のとおりです。

1.貧困をなくそうあらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
2.飢餓をゼロに飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3.すべての人に健康と福祉をあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4.質の高い教育をみんなにすべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を実現しようジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
6.安全な水とトイレを世界中にすべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンにすべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8.働きがいも経済成長も包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
9.産業と技術革新の基盤をつくろう強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
10.人や国の不平等をなくそう各国内及び各国間の不平等を是正する
11.住み続けられるまちづくりを包摂的で安全かつ強靱((レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12.つくる責任 つかう責任持続可能な生産消費形態を確保する
13.気候変動に具体的な対策を気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14.海の豊かさを守ろう持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15.陸の豊かさも守ろう陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16.平和と公正をすべての人に持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17.パートナーシップで目標を達成しよう持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
引用:外務省「JAPAN SDGs Action Platform

SDGsという単語だけでは、イメージしにくかったかもしれません。しかし、一つひとつの目標を見ると、将来に向けた重要な取り組みであることが理解できたのではないでしょうか。

ちなみに17の目標は、達成するための詳細な目標が項目ごとに5〜10個ずつ設定されており、すべての目標を合わせて「169のターゲット」と呼びます。詳しいターゲットの内容は、外務省のサイトをご覧ください。

日本が達成している項目数

2022年6月に発表された「持続可能な開発レポート2022」によると、日本は以下の3つの項目を達成していることがわかりました。

  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標16:平和と公正をすべての人に

達成度は163か国中、19位です。上位にランクインしていますが、17項目中3項目のみ達成という結果は、取り組みが充分とはいえないでしょう。

ほかにもレポート内では達成の進捗状況や、取り組み強化が必要な目標が確認できます。日本の現状を知るためにも、一度は目を通しておくとよいでしょう。

SDGsの具体的な取り組み事例5つ

2015年に採択されたSDGsですが、積極的に取り組む企業も増えてきました。ここでは具体的な取り組み事例を5つ紹介します。

  1. ジモティー
  2. キリン
  3. ロスゼロ
  4. ユニクロ
  5. 日清食品

詳しく見ていきましょう。

1.ジモティー

ジモティーが実施しているSDGsの一つが、貧困に関する取り組み。調査によると、日本のひとり親世帯の約半分である64万世帯が、ジモティーを利用しているそうです。

そこでジモティーは、ひとり親支援の継続的な活動を実施しています。2018年には協賛企業からの支援物資をジモティー上に掲載し、ひとり親世帯を優先にして物品の受け渡し会を開催しました。

ほかにも持続可能な消費と生産を実現するため、ジモティー上の「売ります・あげます」「中古車」カテゴリでの取引を通して、地域におけるリユース・リサイクルの活動を促進する取り組みも実施しています。※1

※1:ジモティー「SDGsに関する取り組みについて

2.キリン

キリンではコミュニティの持続的な発展や飢餓に関する取り組みをしています。そのなかの一つが「キリン スリランカフレンドシッププロジェクト」の実施です。

生産地や現地で働く人と良好なパートナーシップを築き、良質な茶葉を使用した「キリン 午後の紅茶」を提供し続けられる仕組みを作っています。

具体的には「キリン 午後の紅茶」に使用している紅茶葉の産地、スリランカの紅茶農園が持続可能な農園認証を取得するための支援、そして農園の子供達が通う学校に図書を寄贈するという2つの活動をしているそうです。※2

※2:キリンホールディングス「原料生産地と事業展開地域におけるコミュニティの持続的な発展

3.ロスゼロ

ロスゼロは、フードロスゼロを目指すために作られたサービスです。主に余った食材や加工品、廃棄前の食材や規格外となった食材から作られた商品を販売しています。2か月に一度届き、福袋感覚で楽しめる食品のサブスクリプションも人気。

「目標12:つくる責任 つかう責任」を中心に、貧困や教育、気候変動への具体的な対策など、様々な目標達成のために日々取り組みを続けています。※3

※3:ロスゼロ「私たちの思い

4.ユニクロ

ユニクロでは「服のチカラで世界をよりよい方向へ変えていく」という理念を掲げ、様々なことに取り組んでいます。その一つが原材料をつくる農家で働く人、工場で生地の加工や縫製する人など、服作りに関わる人が安心して健康に働ける環境づくり。

取引先工場の労働環境や人権を守るための行動規範を定め、第三者機関による監査を実施しているほか、直接相談できる窓口の設置も進めているそうです。

また資源の無駄づかいや大量廃棄を防ぐため全商品を回収、リサイクルしてリユースする取り組み「RE.UNIQLO」(リユニクロ)も進めています。※4

※4:ユニクロ「ユニクロとSDGs

5.日清食品

日清食品も「食足世平」「食創為世」「美健賢食」「食為聖職」のもと、持続可能な社会づくりに取り組んでいます。具体的には貧困支援や、災害時の支援を目的としたインスタントラーメンの無償提供、容器や包装におけるプラスチック使用量の削減などです。

2021年6月には、定番商品「カップヌードル」のフタを止めるためのシールを廃止。これにより、年間33トンのプラスチック原料削減に成功したのだとか。また健康志向に応えるための製品開発にも積極的に取り組んでいます。※5

※5:カップヌードル「DO IT NOW!地球と人と未来のために、すぐやろう

日常生活で私たちにできるSDGsの取り組みとは?

17の目標をすべて達成するためには、企業や国の取り組みだけでは難しいでしょう。私たち一人ひとりの心がけも重要です。日常生活で簡単に取り組めることを7つにまとめました。

  1. マイボトルやマイバッグを持ち歩く
  2. 水を無駄遣いしない
  3. 節電に取り組む
  4. 公共交通機関を利用する
  5. 食材や食品は食べきれる量だけ買う
  6. 災害に対する備えをしておく
  7. お互いを認め尊重しあう

詳しく解説します。

1.マイボトルやマイバッグを持ち歩く

マイバッグやマイボトルを持ち歩くことで、プラスチック削減に繋がります。多くの人が適切にごみを分別していますが、残念ながら一部で分別・回収されないプラスチックごみが溢れているのも事実です。

プラスチックは自然界で分解できません。適切に処理されなかったプラスチックは海や川を漂い続け、海洋汚染の原因となります。少しでもごみを減らすために、マイボトルやマイバッグを使うようにしましょう。

2.水を無駄遣いしない

きれいな水を当たり前に使える日本。しかし、世界では満足に水を使えない地域もあります。水も限りある資源だと意識し、シャワーを出しっぱなしにしないなどの取り組みをしましょう。お風呂の水を洗濯や掃除に使うのもおすすめ。

また私たちの元に安全な水が届くまでには、多くのエネルギーが必要です。節水に取り組むことで地球温暖化の防止にも繋がります。

3.節電に取り組む

水と同様、電気の無駄遣いもやめましょう。たとえば寒いからといって、エアコンの温度を必要以上に上げていませんか?設定温度によって消費電力は大きく変わります。1℃下げると、約10%の電力削減効果が。

外気との温度差が大きいと、体調に悪影響を及ぼす可能性もあります。冬は22℃、夏は28℃と外気との温度差が極端にならない温度設定を心がけましょう。

また、使わない部屋の電気や見ていないテレビは消すなども、日常生活で意識したい取り組みです。

4.公共交通機関を利用する

近場の範囲は、自転車や徒歩で移動することも有効です。車に乗る機会が少なくなれば、二酸化炭素の排出量も減らせます。地球温暖化防止に貢献できるでしょう。

自家用車の使用頻度が少なければ、思い切って手放すのも一つの手段です。毎月の固定費も減らせるため、家計の負担も軽くなる効果が期待できますよ。

5.食材や食品は食べきれる量だけ買う

スーパーやコンビニで買い物する際、安いからと必要以上に購入していませんか?結果的に捨ててしまった経験を持つ人は多いはず。期限内に食べきれなかった食材はごみとなり、処分にも多くのエネルギーを要します。

2020年に日本で廃棄された食品、いわゆる「フードロス」は522万トン。これは世界中で飢餓に苦しむ人々への食糧支援の量の1.2倍相当です。安いからといって大量買いせず、食べられる分だけを購入しましょう。

6.災害に対する備えをしておく

自分が住んでいる街を大切にすることも、SDGsの取り組みです。各家庭が災害対策を考えておけば、早い復興に繋がります。

集合場所を事前に決めておく、非常食を備蓄しておく、家具の転倒を防ぐために固定しておくなどが例としてあげられます。万が一への備えは、自分や周りの人の命を守るためにも大切です。

7.お互いを認め尊重しあう

SDGsには「ジェンダー平等の実現」「人や国の不平等をなくす」「平和と公正をすべての人に」という目標も掲げられています。それぞれ価値観や生活スタイルは違いますよね。自分と異なるからと排除すれば、安心して暮らせる世の中はいつになっても訪れないでしょう。

お互いを尊重し認め合えば自己肯定感の向上に繋がり、助け合う心も生まれます。まずは、身近な人との向き合い方を考えてみませんか。

パートナーとの役割分担を見直す、相手の意見を尊重するなどできることから始めてみることをおすすめします。お互いが多様性を受け入れられるようになれば、SDGs全体の目標達成スピードも加速するのではないでしょうか。

まとめ

SDGsで掲げられている17の目標は、すべての人が将来、安心して暮らすために必須の内容です。一つひとつはシンプルですが、一部の人だけが努力すれば達成できるものではありません。

地球に暮らす私たち個人単位の心がけが重要です。節電や節水、マイボトルを持ち歩くなどできることからで構いません。学生とも意見交換をしながら、先生が率先してSDGsに取り組んでいきましょう。

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この記事を書いた人
鶴巻 健太

鶴巻 健太

新潟在住のメディアディレクター
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課

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