専門学校での2~4年間は、授業に加えて実習や就活など、やることが盛り沢山ですね。
その中で学生が学習意欲、モチベーションを保ち続けるのはなかなか難しいもの。
モチベーションの維持・管理は、学生自身に任せるだけでなく、時には学校サイドのフォローが重要です。
- 学生のモチベーションが変化しやすい危険なタイミング
- 学生のモチベーションを回復させるために学校サイドでできる対策
について解説します。
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目次
学生のモチベーションが変化するタイミングとは?
憧れの仕事を目指して入学したものの、いつからか授業や実習に対するモチベーションが下がり、学校生活がつまらないと感じてしまう学生も少なくありません。
学生のモチベーションが下がった状態が続くと、授業についていけなくなり、最悪の場合は退学してしまうケースもあります。
モチベーションの低下にいち早く気付くためにも、まずはモチベーションが変化しやすいタイミングを確認しましょう。
入学後のGW明け
新しい学校生活がスタートして、周囲の環境にも慣れ始めるのがGW明け。
緊張の糸が切れてやる気がなくなり、いわゆる「五月病」の状態になる学生が増えてきます。
「気分が塞ぎこんでしまう」「学校へ行くのが億劫になる」と感じ、遅刻や欠席などが増えてきたら要注意です。
夏休みなどの長期休暇明け
夏休みなどの長期休暇中は、学業以外に費やす時間が増えるもの。
アルバイトを始めたり、友人との仲がより深まったりすることで、生活環境も大きく変わります。
学業以外にエネルギーを注ぎすぎてしまうと、生活のリズムが不規則になり、授業に出ても集中できないということも。
授業に集中していない、課題がこなせていないなど、問題がないか確認しましょう。
また、特にコロナ禍にあっては、休暇前までの学校生活を振り返って「入学前に思い描いていたような学校生活を送れていない」と失望してしまうこともあるかもしれません。
一人の時間にマイナス思考がエスカレートしないよう、長期休暇前に面談の時間などを持って一緒に振り返りと展望を共有できるとよいでしょう。
実習期間中
職場実習などで仕事の現場を実際に体験した際に「思っていた仕事と違う」「自分にはできそうもない」と感じることも少なくありません。
憧れの仕事の理想と現実に戸惑い、このまま学業を続けるべきか悩んでしまう学生もいるでしょう。
コミュニケーションが減っていないかを気にしたり、可能であれば実習先と情報共有をしたりすることが大切です。
前後期試験・資格試験の後
学校の試験や就職に必要な資格試験などは、憧れの仕事に就くための一つの関門といえるでしょう。
そこで思ったような結果が出せなかった場合、「自分は向いていないのではないか」と感じてしまいがちです。
自信のあった学生ほど落胆が大きく、一気にモチベーションを失ってしまうことも考えられます。
過度に落ち込んでいる学生がいないか、注視しておきましょう。
学生のモチベーションが落ちやすいタイミングで先生にできる対策
様々な要因から一度モチベーションが落ちてしまうと、「やる気にならなければ」という気持ちだけではなかなか回復が難しいものです。
「やる気にならなければ」と思いながらも気分やエネルギーが追いついてこないとき、焦りや自己嫌悪から状態が悪化しかねません。
そのようなときには、やはり学校からのサポートが重要です。
ここからは、学生のモチベーションが落ちやすいタイミングで先生にできる対策をまとめます。
入学後のGW明け
学校生活を楽しく送るには、仲の良い友人がいることが重要です。
積極的に人の輪に入っていける学生もいれば、自分から話すことが苦手な学生もいます。
話すことが苦手な学生でも、話しやすい環境を整えてあげれば、一歩前に踏み出すことも難しくありません。
例えば、グループワークの際にリーダーシップのある学生と一緒に組むことで、友人を作るきっかけを与えることができます。
悩みを相談できる人がいるかどうかも、モチベーションを左右する要因になります。
普段から学生とのコミュニケーションをとって、些細なことも相談しやすい環境作りを心がけましょう。
また、気落ちしている学生には、悩みを打ち明けやすいよう積極的に声をかけることも重要です。
夏休みなどの長期休暇明け
長期休暇明けの最初の授業は、休み中の感覚が抜けきっていない学生も多いでしょう。
ここで普段通りに授業を進めても、授業に追いつけずに取り残されてしまったと感じる学生も少なくありません。
休み明けの最初の授業は、まずは学生を「学業モード」に戻すことを目標にします。
先を急ぐのではなく、復習をメインに授業を進めましょう。
さらに、授業の終わりには次回の授業に向けて簡単な課題やテストを設定しておくと出席率の低下も防げ、再スタートをスムーズに切ることができます。
実習期間中
実習期間中に感じる仕事へのギャップは、元々抱いていた憧れが大きいほどつらく感じられるものです。
思いつめた学生が突然「学校を辞めたい」と相談してきても、動揺せずに冷静に話を聞いてあげることが重要です。
その上で、
「その実習先が合わないだけなのか」
「めざす仕事自体を変えるべきなのか」
「理想を実現できる職場や職種、業界、働き方は?」
など、落ち着いて一つひとつ一緒に検討し、フォローできるとよいでしょう。
また、実際にその業界で働いていた先生であれば経験も踏まえてアドバイスができるので、学生も相談しやすくなります。
学内試験・資格試験の後
勉強を頑張ったのに試験に落ちてしまうと、やはりモチベーションは下がります。
学内の試験で結果がふるわず、進級や卒業に影響を及ぼす場合は、追試や追加の課題など救済措置を講じることも一つの手です。
また、資格試験で結果がふるわなかった場合は、次の試験で合格するための道筋を示す、または卒業までに受けられる代わりの試験を探すなどできると、落胆したままの状態が続くのを避けられるでしょう。
学生のモチベーションを保つために学校全体でとりたい対策
学生のモチベーションを保つためには、授業を担当する先生がフォローするだけでなく、学校サイドが一丸となって、普段からさまざまな対策を行うことが重要です。
先ほど紹介した対策に加え、学校全体でできる対策をまとめます。
相談窓口や先生と気軽に話せる機会を設ける
悩みを抱えた学生が相談しやすい環境が整っていると、学生が一人で悩みを抱え続けることが減ります。
専用の相談窓口を設けたり、職員室とは別に個別で話ができる相談室を用意したりするなど、話しやすい環境作りも重要です。
また、外部の専門機関と提携しておけば、トラブルが発生した際にも円滑に解決へと導くことができます。
学校主催のイベントで学生間の交流促進・意欲増進
学生同士の仲を親密にするには、授業以外でのイベントも重要です。
例えば、体育祭や文化祭といった学校主催のイベントや、地域の祭りでのボランティア活動などは、仲を深める良い機会になります。
また、ファッション系の専門学校ならファッションショー、制作系の専門学校なら作品展、エンターテインメント系の専門学校なら演奏会や舞台上演など、自分の作品や学習成果を披露する場を提供できると、学生のモチベーションアップに効果的です。
モチベーションを測定するツールを活用する
学生のフォローには、モチベーションや気持ちの変化を知ることが大切ですが、教職員が学生一人ひとりをつぶさに観察して状況を把握するのはやはり難しいもの。
学生数が多い場合や、年齢の若い先生が多い場合には、モチベーションを測定できる専用ツールを使うのもおすすめです。
私たちウイネットは、学生のモチベーションを測定、数値化し、円滑なクラス運営にお役立ていただけるツール「スクールライフアンケート」を提供しています。
モチベーションが変化しやすいタイミングに合わせてスクールライフアンケートを実施することで、学生の変化にいち早く気づくことができます。
また、先生間の経験の差による指導スキルの差を埋めることができる、クラス全体の傾向をひと目で把握できるなどのメリットもあります。
まとめ
学生のモチベーションは在学中にも変化します。
モチベーションが下がったままにしないためにも、適切なタイミングでフォローを行うことが重要です。
学生への積極的な声掛けや相談窓口の設置、学校主催のイベントなど、できることはさまざま。
また、学生のモチベーションを数値化できる専用ツールを使うことも、学生のフォローアップに役立ちます。
この記事を学生が有意義な学校生活を送れるような環境作りにお役立ていただけましたら幸いです。
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