「面接のことを考えたら、胃が痛くなった」という学生が、毎年必ずいます。
「知らないことを聞かれたらどうしよう」「難しいことを聞かれて答えられなくなってしまうのでは…」と不安になってしまうようです。
今回は、面接試験の受け答えの基本についてまとめていきます。実践的なチェックポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
※本記事の内容は書籍「これだけは知っておきたい! 面接対策&ビジネスマナー」(ウイネット)の一部を再編集したものです。
目次
面接は「自分のこと」を「自分の言葉」で
面接で聞かれるのは、基本的には「あなたのこと」だけです。自己分析から導き出した自分の長所・強みをアピールすることが「自己P R」であり、同じく自己分析で確認した自分の「やりたいこと」「できること」に業界・企業研究を盛り込んだものが「志望動機」です。自己分析結果をもとに、落ち着いて自信を持って、問われたことにふさわしい回答をしましょう。
たとえスラスラと答えられても、マニュアル本の模範回答の丸暗記ではかえってマイナスです。企業は、さまざまな個性を持った学生を求めています。あなた自身のことを、 具体的に自分の言葉で話すことが大切なのです。
エントリーシートとの一貫性を大切に
面接を受ける企業は、それまで履歴書やエントリーシートを提出していることがほとんどです。当然、面接では提出物に書いてあることを確認する質問が出ることが一般的です。嘘や誇張した表現は論外ですが、提出物と面接での受け答えが不一致では問題です。提出前にコピーを取っておき、面接直前にどのようなことを書いたのか確認しておくことも効果的な準備の一つです。
また、面接の中での一貫性もチェックポイントです。長所が粘り強さで、短所が飽きっぽいといった矛盾、話している最中に冒頭に言ったことと締めくくりで言ったことが変わってしまうなど、一貫性のなさは自己分析や準備の不足、 表現力が未熟と判断されてしまいます。
面接での答え方のポイント
まずは、「自分のことを伝えたい」という強い意思を持って面接に臨みましょう。そのうえで、以下の8つのポイントを心がけてください。
- 適切な言葉で話す
- 語尾は明確に示す
- あいまいな表現は避け、具体的に話す
- 話は短く、簡潔に
- テンポよく
- 独りよがりは禁物
- 自分の意見を自分の言葉で話す
(1)適切な言葉で話す
正しい敬語、適切な表現を心がけましょう。学生言葉は極力使わないよう意識してください。人称の表現の仕方、尊敬語と謙譲語の使い分けは大丈夫ですか。面接担当者は、あなたの言葉遣いから社会人としての素養や準備状態を見ているのです。
(2)語尾は明確に示す
せっかく良いことを話していても、語尾が聞き取れないと効果は半減します。また、「ま〜す」「○○でぇ〜」といった 間延びした話し方や語尾に強いアクセントが来る話し方は聞きづらいものです。緊張したときほど、普段の言葉遣いが出てしまいます。語尾をはっきりと言い切ることを意識しましょう。
(3)あいまいな表現は避け、具体的に話す
面接担当者が聞きたいのはあなたの意見です。「というわけでもないんですが」「かもしれないんですけど」など、あいまいな表現はマイナスです。体験や経験をもとに、具体的に話すことが必要です。
(4)話は短く、簡潔に
・だらだらと話す
・質問のポイントから外れたことを延々と話す
・一方的にしゃべりまくる
・あれこれ盛り込みすぎて、言いたいことや結論がわかりにくい
これらはいずれも印象の悪い話し方です。「ポイントを押さえて簡潔に」を心がけましょう。
(5)テンポよく
質問してから答えるまでの間が長すぎるのも困りものです。5秒くらいの間は仕方がありませんが、その時間を使って、質問の意図を考え問われたことにふさわしい内容を示すことです。最悪なのは、黙ってしまうこと。沈黙していると、面接官は「なぜ沈黙しているか」がわからず、どんどんと心証を悪くしてしまいます。沈黙には一つも良いことはありません。
(6)独りよがりは禁物
質問の内容に関係なく、自分の話したいことばかりを話したり、グループディスカッションで人の話をさえぎって話し出したりするのは悪印象。熱中しすぎるあまり、周囲の状況が見えなくならないように気をつけましょう。
(7)自分の意見を自分の言葉で話す
質問されても「はい」「いいえ」だけ、問われたことしか答えない、「○○さんと同じです」「特にありません」では、入社してからの職場での人間関係が円滑に進むか心配になります。「○○と感じました。なぜなら〜だからです」とコミュニケーションを意識した回答をするようにしましょう。
面接でピンチになってしまったら……
どれだけ対策をしていても、困ってしまう場面もあるかと思います。そんなときの対策も覚えておきましょう。
(1)どうしても答えられないときは?
「申し訳ありません。研究不足です」と、潔く謝ってしまうこと。焦ってしどろもどろになる、その場しのぎの発言をして矛盾が出てくるなどは避けなければなりません。下を向いて黙り込むのは最悪です。頭と気持ちを切り換えて、次の質問で挽回することに意識を向けてください。
(2)他に何か質問は?と聞かれたら
面接の最後に「これで面接を終わりますが、○○さんから何か質問はありませんか?」と聞かれたときは要注意。本当の面接はそこから始まっている、といっても過言ではありません。「特にありません」では意欲を疑われます。応募意欲の強さを示す場面と考えて、気になることは質問するとよいでしょう。事前に用意していくことも大切です。
まとめ
いかがでしたか。これらの内容を学生に伝えてから面接練習に臨むとよいでしょう。
「これだけは知っておきたい! 面接対策&ビジネスマナー」では、面接での受け答えの基本を体系的に理解・実践できます。また、言葉遣いや姿勢といったマナー面についても深くまとめていますので、本書1冊で社会人として必要な資質・能力を高めることが可能です。ぜひ本書をご活用いただき、学生の就職率アップ・社会で活躍できる人材育成にお役立てくださいませ。
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