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TOP教育情報処理【2023年】新試験制度の合格率発表!基本情報技術者試験(FE)の難易度や攻略法

【2023年】新試験制度の合格率発表!基本情報技術者試験(FE)の難易度や攻略法

2023.05.19 (最終更新:2023.12.07) 情報処理 教務情報

2023年4月からスタートした基本情報技術者試験の新試験制度。
大幅な試験制度の変更により、試験の合格率や難易度が気になっている方も多いのではないでしょうか。

弊社の情報処理教材スタッフも試験制度変更後の2023年4月に受験をしています。

そして5月17日に「2023年4月の基本情報技術者試験」の合格発表があり、弊社スタッフも無事に合格することができました。
※受験時の感想などをまとめたレポートはこちらでまとめています。

この記事では、公開された統計情報などをもとに合格率や難易度についてまとめましたので、ご覧ください。

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【旧試験制度】2023年(令和5年)3月以前の合格率

令和元年まで年2回行われていた基本情報技術者試験の合格率は20%台で推移しています。

年度合格率
平成29年秋期21.8%
平成30年春期28.9%
平成30年秋期22.9%
平成31年春期22.2%
令和元年秋期28.5%
情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料より

コロナ禍の影響により令和2年春試験中止などを受け、令和2年10月からCBT試験制度に代わりました。
出題内容は変更されず、受験方法のみの変更ではありましたが、午前、午後試験を別日に受験可能であったことなどから、それまでの合格率に比べて少し高い40%前後の合格率で推移しました。

旧試験最後となった2022年10月、11月に実施された令和4年度秋期(下期)の基本情報技術者試験の合格率は35.6%でした。

年度合格率
令和2年10月48.1%
令和3年春期(上期)41.6%
令和3年秋期(下期)40.1%
令和4年春期(上期)39.6%
令和4年秋期(下期)35.6%
情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料より

【新試験制度】2023年(令和5年)4月の合格率

それでは、新試験となった2023年4月実施試験の合格率を見てみましょう。

全体の合格率:56.4%

受験者合格者
10,513人5,928人
情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 統計資料より

専門学校(情報系)の合格率:42.8%

受験者合格者
2,833人1,212人
情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 統計資料より

2023年4月の全体合格率は56.4%でした。とても高い数字です。

なぜこんなに高い合格率となったのか、考察してみました。

簡単になった?新試験制度の難易度

ここまで見てきたとおり、旧試験制度よりも新試験制度のほうが合格率が高くなっています。その理由は、以下の3つではないかと推測しました。

  • 読解力が低くても解きやすくなった
  • 出題分野の統一により勉強しやすくなった
  • 初回は高い合格率が出る傾向がある

それぞれ詳しく説明します。

読解力が低くても解きやすくなった

旧試験の午後試験と新試験の科目Bでは、大きく異なる点があります。それは、試験問題文の長さです。

旧試験は長文の問題となっており、プログラミングの知識と同じくらい読解力が試され、得点を妨げる原因となっていました。

しかし、新試験では問題文が大幅に減少されることになりました。すなわち、読解力が高くなくても得点を取りやすくなり、合格率の高さにつながったのではないかと推測します。

出題分野の統一により勉強しやすくなった

以前の試験制度の午後試験では、必須問題であった情報セキュリティ、データ構造及びアルゴリズムの他に、選択問題で、ハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワーク、システム設計、プロジェクトマネジメント、ストラテジ分野、プログラミング言語(C、Java、Python、CASL、表計算から1問選択)があり、幅広い分野を広く学習し、対策を行う必要がありました。

新試験では、必須問題の情報セキュリティとデータ構造及びアルゴリズムのみの出題となりました。

特にデータ構造及びアルゴリズムでは、使用される擬似言語の仕様が大幅に変更され、以前の記号表記に比べ、プログラミング言語に近く、とても読み易い仕様に変更されました。これに合わせて学習事項が明確化されたため、学習のしやすさが上がったと考えられます。

また、出題の8割を占めるデータ構造とアルゴリズムについては、プログラミング経験者からすると、プログラミング知識を応用して解答していくだけで得点できるようになったわけです。

そのため、高得点がとれるようになり合格率の向上につながったのではないかと推測されます。

初回は高い合格率が出る傾向がある

平成28年秋期の情報セキュリティマネジメント試験、令和2年にCBT試験化した基本情報技術者試験など、新試験制度が開始されると初回は高い合格率が出ることが多いので、その傾向を今回も汲んでいるのではないでしょうか。

現時点で合格率だけをみた場合「簡単になった」と思うかもしれませんが、今後の合格率については下がることが予想されます。

ですので、次回以降の合格率を参考としたほうがよさそうです。引き続き動向を見守りましょう。

では、ここまでの考察を踏まえ、今後の学習をどうすすめていけばよいのでしょうか。試験区別ごとに見ていきましょう。

【科目A】試験合格のための勉強方法

以前の午前問題と大きく変更はありません。

基本的な知識を身に着けた後は、過去問題を繰り返し解くことが重要になります。令和2年以降の過去問題は公開されておりませんが、科目A試験免除制度で実施される修了試験の問題は公開されておりますので、修了試験の問題を解くことをおすすめします。

【科目B】試験合格のための勉強方法

こちらは以前の午後問題と大きく変更がありますので、しっかりとポイントを押さえて学習しましょう。

プログラミング・アルゴリズム(擬似言語)の対策

基本のアルゴリズムを理解する

整列・併合・探索のアルゴリズムなどを理解しておくとよいでしょう。
例)バブルソート、マージソート、クイックソート、2分探索法など

データ構造を理解する

スタック、キュー、リスト、木構造等の基本のデータ構造のほか、そこから派生したデータ構造を押さえておくとよいでしょう。
例)キューの場合:優先度付きキュー、リングバッファ、両端キューなど

実際にプログラムを書いてみる

紙の上での勉強だけではなく、プログラムを実際に動かして確認すると理解が深まります。

暗算力を強化する

科目B試験では数理に関する出題が必ずあります。簡単な計算を暗算できると、数理に関するトレースのスピードが格段に上がり、余裕を持って受験できます。

情報セキュリティの対策

最近の情報セキュリティインシデントの傾向を理解する

企業のセキュリティ事故の事例に似た問題も出題される場合があります。セキュリティインシデントの種類や事例、対策を理解しておきましょう。

※参考ページ
IPA:情報セキュリティ10大脅威
IPA:情報セキュリティ10 大脅威 2023(PDF)

情報セキュリティマネジメント試験の過去問題を解く

CBT試験になる以前の情報セキュリティマネジメント試験の午後問題と近い内容が出題される傾向にあります。情報セキュリティに関するサンプル問題は少ないので、問題に慣れる意味で情報セキュリティマネジメント試験の過去問題を参考にするといいかもしれません。

【科目A】試験当日の攻略法

試験当日の攻略法についてもまとめました。以下のポイントを確認し、日々の学習や模試などで意識づけを行いましょう。

科目A試験は試験時間90分の中で60問を解く必要があります。問題数は多いですが、勉強していれば時間が足りなくなる可能性は少ないです。そのため、1問目から順番に解いていって問題ないでしょう。

なお、CBTのシステムには問題に目印機能があります。わからない問題の場合、その問題には目印をつけて次の問題へ進み、最後に解くとよいです。

【科目B】試験当日の攻略法

科目B試験は試験時間100分の中で20問を解く必要があります。そこで、以下のような対策が必須です。

ケアレスミスをなくす

簡単なアルゴリズムの問題でのケアレスミスを無くしましょう。最初の数問は少し難易度の低い問題が出題されますが、多少意地悪な問題も出ます。必ず見直しをして、確実に得点できるようにしましょう。

トレースの問題を解くタイミングを決めておく

少し時間がかかりそうな問題は飛ばすことも必要です。特にトレースの問題は時間がかかる場合がありますので、ほかの問題をすべて解いてから解くとよいです。

ただし、トレースに慣れていて、得意な人にとっては最大の得点源になります。自身の能力と相談して「いつ解くか」を決めておくとよいでしょう。

情報セキュリティの4問を先に解いてしまう

情報セキュリティの問題は後半に出題されますが、本文が多く、多少時間がかかります。しかし、科目A試験の情報セキュリティ問題の対策を行っていれば解ける問題も多く、難易度はあまり高くないため先に解いてしまうのも一つの手段でしょう。

アルゴリズムに自信がない場合、情報セキュリティ問題は重要な得点源です。アルゴリズムで時間をかけすぎてしまい、情報セキュリティの問題を解く時間が無くなった!ということがないよう、あらかじめ対策しておきましょう。

まとめ

科目A試験は前回までとほぼ変わりはなく、科目B試験は大幅変更となりました。科目Bでは、読解力が旧試験ほど試されなくなるなど、プログラミング重視の試験になったといえます。この変更により「以前よりも試験対策のための授業ではなく、実践で生きる授業がしやすくなった」などのお声が聞けており、よい変更だったのだろうと思っています。

ウイナレッジでは、今後も情報処理に関する情報発信を進めてまいります。何か目新しい情報などありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

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