いつの時代にも、遅刻を繰り返す学生がいますよね。理由は色々ありますが、日常的に遅刻を繰り返す場合、夜更かしが主な原因と考えられます。最近の学生は、どのような理由から夜更かしをしてしまうのでしょうか。
本記事では、主な夜更かしの理由と減らすための方法を解説します。やってはいけない対処法にも触れているので、学生の遅刻対策や授業への集中力アップにお役立てください。
目次
学生が夜更かしする理由5選
学生が夜更かしする主な理由は、次の5つが挙げられます。最近は、インターネット関連による夜更かしが多いようです。
- SNS
- インターネット動画
- ゲーム
- 勉強
- アルバイト
詳しく見ていきましょう。
1.SNS
スキマ時間に少しだけ閲覧するつもりが、つい長く見てしまうSNS。更新すれば新しい情報が次々と表示されるため、飽きずにずっと見ていられますよね。5分だけのつもりが、気づいたら1時間経ってしまうことも。
友人の行動や好きな有名人の日常生活など気になりだしたらキリがなく、結果的に夜更かししてしまうようです。自分の投稿に反応があったか、気になって寝る前に何度も見てしまうケースもあるでしょう。
2.インターネット動画
最近の学生は、テレビよりもインターネット動画の視聴時間が長い傾向にあるようです。NHKの「2020年 国民生活時間調査」によると、10代・20代はテレビよりもインターネットに多くの時間を使っていることがわかりました。
今はYouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoなど、多くの動画配信サイトがあります。アニメやライブ映像、見逃したドラマなどを好きな時間に好きなだけ観られるのは大きな魅力。そのため、寝る前にスマホで見続けてしまう学生も多いようです。
3.ゲーム
今は、スマートフォンさえあれば時間も場所も選ばずゲームできる時代です。通学時間はもちろん、寝る前のちょっとした時間に気軽に遊べるため、ついゲーム画面を開いてしまうのではないでしょうか。
しかし寝る前に始めてしまうと、目が冴えて眠れないリスクが高まります。止めたいけれど、夢中になって止められない学生も多いでしょう。
4.勉強
遊びばかりで、夜更かしをしているわけではありません。なかには勉強で夜更かしする学生もいます。「昼間のうちにやっておけばよい」と思うかもしれませんが、普段の授業に加えて友だちとの付き合いやアルバイトなど、忙しい日々を送っています。就職活動のためにインターンシップに参加する学生もいるでしょう。
そのため、どうしても時間の融通がきく課題やテスト勉強は深夜になってしまうことがあるようです。
5.アルバイト
学生は、学費や生活費を稼ぐためにアルバイトしていることもあります。前述したように、学生は忙しい日々を送っています。勉強しながら生活費と学費を稼ぐのは簡単ではありません。
効率的に稼ぐため、睡眠時間を削って時給が高い深夜にアルバイトする学生も見受けられます。
夜更かしするのは1日に満足していないから?
学生が夜更かしする理由は様々ですが、その日に満足していない可能性も考えられます。勉強やアルバイトで、昼間に自分のやりたいことができないと感じている学生もいるでしょう。そのため自由時間ができたと感じると、明日に影響するとわかっていても夜更かししてしまうのです。
このように、寝るのがもったいないと感じて夜更かしする行為は「リベンジ夜更かし」と呼ばれています。ダラダラとスマートフォンやインターネット動画を観てしまうのも、このリベンジ夜更かしによるものかもしれません。
学生の夜更かしを減らす4つの方法
夜更かしが続くと遅刻はもちろん、ほかにも悪影響を及ぼすリスクがあるでしょう。ここでは夜更かしを減らすための方法を4つ解説します。
- ゲームやSNSは時間を決める
- 勉強や課題は余裕を持って進める
- 適度に欲求を解放する時間を作る
- 夜更かしによるデメリットを理解する
それぞれ解説します。学生への指導にお役立てください。
1.ゲームやSNSは時間を決める
ゲームやSNSをしていると、思っている以上に時間が早く過ぎます。ほんの10分のつもりが、1時間や2時間経っていたという経験をした先生も多いのではないでしょうか。
このように時間を忘れてしまう傾向が強い娯楽は、時間を決めて遊ぶことが大切です。「寝る前30分は見ない」「ゲームは1日1時間まで」など自分なりのルールを決めて遊ぶように指導しましょう。
2.勉強や課題は余裕を持って進める
テスト勉強や課題をギリギリまで放置し、夜更かしせざるを得ない学生も多いでしょう。事前にスケジュールを決めて、計画的に取り組めば、勉強による夜更かしを減らせます。テストスケジュールの発表や課題を出した日には、計画的に取り組むよう一言添えてスケジュールを意識させるのがおすすめ。
また先生側も配慮が必要です。課題やテストスケジュールは、学生が余裕を持って取り組めるよう早めに告知しましょう。
3.適度に欲求を解放する時間を作る
リベンジ夜更かしを減らすには、適度に欲求を解放する時間を作ることが大切です。日中や夕方のスキマ時間にゲームを進める、観たい動画を閲覧するなど、自分の欲求を夜まで我慢しない工夫をするよう呼びかけてみましょう。日中に欲求を満たすことで、リベンジ夜更かしの回避に繋がります。
4.夜更かしによるデメリットを理解する
夜更かしによるデメリットを共有しましょう。おそらく学生にとって一番のデメリットは、遅刻の繰り返しによって出席日数が不足することではないでしょうか。出席日数が足りないと、一生懸命勉強しても留年のリスクがあります。
ほかにも睡眠不足によるパフォーマンス低下や、健康への悪影響も考えられるでしょう。夜更かしの楽しさによるメリットよりもデメリットが上回ると頭で理解できれば、自然と夜更かしを控える意識が芽生えるのではないでしょうか。
これはNG!遅刻した学生への対処法3つ
夜更かしが原因で遅刻を繰り返す学生がいた場合、なんらかの対処が必要です。しかし方法を間違えると、すねたり落ち込んだりする恐れも。ここではNG対処法を3つ紹介します。
- みんなの前で注意する
- 理由を聞かずに注意する
- 対応しない
学生を指導する際の参考にしてください。
みんなの前で注意する
遅刻は学生にとってデメリットしかありません。そのため、クラス全体を指導する機会と捉えて、みんなの前で見せしめのように注意していませんか?
大勢の前で注意すると、学生の自尊心が傷つく恐れがあります。
学生も好きで遅刻しているわけではありません。「繰り返したくない」と反省していても、つい夜更かしして遅刻するケースもあります。そのような状態で注意されると「自分はダメな人間なんだ」「自分ばかり恥ずかしい」と感じて心を閉ざしてしまうでしょう。
反省どころか反抗的な態度になるケースもあります。学生を指導する際は、みんなの前ではなくマンツーマンの空間を作りましょう。
理由を聞かずに注意する
理由を聞かず、頭ごなしに注意するのも避けるべきです。「遅刻すると良いことないから、次からは気を付けてね」と理由を聞いてもらえずに言われても、納得できないケースもあるでしょう。
なぜなら夜更かしによる遅刻が続いていたとしても、その日も同じ理由だとは限らないからです。「通学途中で困っている人を助けた」「急に具合が悪くなってしまった」などの理由から遅刻した可能性もあります。
またメンタルの不調を抱えていたり、学校の人間関係に悩みを抱えていたりするために、学校までの歩みが進まないこともあるかもしれません。まずは学生と2人で話せる機会を作り、遅刻した理由に耳を傾けることが大切です。もし学校生活に理由があれば、学校側も対処が求められるでしょう。
対応しない
繰り返し注意したにもかかわらず改善されないと、諦めたくなるかもしれません。反抗的な態度の学生であれば、何度も注意するのは気が重いと感じるでしょう。
しかし、学生を放置するのは避けてください。対応しないと「何も言われないから遅刻しても大丈夫なんだ」と勘違いされる恐れがあります。
また、遅刻せずに毎日通学している学生は「なんでいつも遅刻が許されるんだろう?」と、不満が溜まるでしょう。根気よく学生と向き合い、遅刻のデメリットを伝えることが大切です。
遅刻した学生への正しい対処法は?
遅刻を繰り返すと多くのデメリットがあるため、先生には適切な対処が求められます。指導する際は個別で話す機会を作り、理由を確認することから始めましょう。しかし、聞いただけで「次からは気を付けてね」だけでは、繰り返す可能性があります。
大切なのは、遅刻している本人に「遅刻しないようになりたい」と前向きな気持ちになってもらうこと。学生側も「明日から早起きする」と、漠然と決意しても挫折しやすいでしょう。
たとえば「出席日数が足りなくなると、親しい友人と一緒に卒業できず後悔するかも」「留年の場合は学費がさらにかかる」「遅刻がクセになると信頼を失い、人間関係にも悪影響がある」など、学生にとって遅刻したくない理由となりそうな内容を伝えてはいかがでしょうか。
遅刻を続けるデメリットを理解できれば、意識が変わる可能性も上がります。夜更かしを減らす対策にも積極的に取り組むようになるでしょう。
また遅刻はしていないけれど、いつもギリギリの登校で授業中に寝てしまう学生もいますよね。授業中に寝てしまう学生への対処法や、眠くならない授業にするためのポイントは以下の記事でまとめているので、併せて参考にしてください。
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まとめ
学生が夜更かしする理由と減らすための方法、NG対処法を解説しました。学生が夜更かしする理由は色々ありますが、繰り返せば遅刻や体調不良など本人に悪影響を及ぼします。ただし、夜更かしは学校外でのことなので、指導が難しいと感じる先生も多いでしょう。
学生本人が夜更かしによるデメリットに向き合えるよう、サポートが大切です。なぜ夜更かししてしまうのか、どうしたら減らせるかを一緒に考え「遅刻したくない」と感じてもらえるよう根気よく指導しましょう。
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