栄養バランスや節約を考え、職場でのランチにお弁当を持っていく先生は多いと思います。しかし、夏場は食べ物が傷みやすく食中毒のリスクが高まるため、注意しなければなりません。
本記事では、傷みやすいおかずについて解説します。傷みにくい食材やレシピも紹介しているので、ぜひお弁当作りの参考にしてください。
目次
暑い時期のお弁当は痛みやすい!食中毒の恐れも
夏に食中毒のリスクが高まるのは、気温や湿度が高くなって菌が繁殖しやすくなるためです。菌の多くは25〜37℃くらいになると活発に繁殖します。そのため暑い時期になると、作ったお弁当が2時間後には傷んでいるケースも。
しかし、おかずの選び方や作り方を工夫することで、食中毒のリスクを減らすことができます。せっかく作ったお弁当を台無しにしないためにも、作る際のポイントを押さえましょう。
夏のお弁当は特に注意!傷みやすい食材・おかず7つ
夏場は、いつもなら問題ない食材やおかずでも傷んでしまうケースがあります。特に以下の7つは避けるようにしましょう。
- 半熟卵
- 生野菜
- 魚介類
- 煮物
- 混ぜご飯・チャーハン
- 要冷蔵の食品
- フルーツ
それぞれ解説します。
1.半熟卵
半熟卵は、黄身がトロトロで美味しいですよね。しかし、食中毒の原因となるサルモネラ菌が付着しやすくなるため、お弁当には適していません。卵はしっかりと火を通してから詰めましょう。たとえば卵焼きを作る場合、弱火でじっくり焼くと芯まで火が通って安心です。
2.生野菜
彩りが良く、歯ごたえを楽しめる生野菜。しかし水分を多く含むため、気温と湿度が高い環境だと細菌が繁殖しやすくなります。
特に、レタスやきゅうりは傷みやすいので要注意。彩りで生野菜を入れるなら、ミニトマトがおすすめです。ヘタを取ってよく洗い、切らずに丸ごと入れるようにしましょう。また火を通した野菜でも、ブロッコリーやジャガイモは傷みやすいので避けるのがおすすめです。
3.魚介類
魚介類は良質なタンパク源ですが、夏のお弁当には不向きな食材といえます。なぜなら、肉類と比べても鮮度が落ちやすく傷むスピードも早いからです。特に生の魚介類は、絶対に避けてください。
入れるなら充分に加熱し、冷ました状態で入れましょう。すでに火が通っていて、味がついている缶詰を使うのも手軽でおすすめです。
4.煮物
煮物は水分が多く傷みやすいため、夏のお弁当には避けたいおかずです。入れる場合は、充分に煮込み、水分を飛ばしてから詰めましょう。また、濃いめの味付けにすると傷みにくくなります。
5.混ぜご飯・チャーハン
肉や野菜など水分の多い食材が含まれているため、白米に比べると食中毒のリスクが高まります。味に変化が欲しければ、常温で保存可能なふりかけや海苔をご飯にはかけずに別で持っていくのがおすすめです。
6.要冷蔵の食品
チーズやちくわ、かまぼこなど、本来冷蔵で保存しなければならない食材を入れる際も注意してください。入れる場合はそのまま使用せず、加熱するのが基本です。炒めたりゆでたりして充分に加熱しましょう。
またマヨネーズも、常温で放置すると傷みやすくなります。おかずにマヨネーズをかけたい場合は、1回使い切りのスティックパックを持っていくのがおすすめです。
7.フルーツ
食後のデザートとして人気のフルーツですが、水分が多いので夏場は傷みやすくなります。特に、切り分けたフルーツは避けましょう。持っていく場合は、ご飯やおかずと別の容器に入れ保冷材で冷やすことにより食中毒のリスクを減らせます。または、みかんやバナナなど皮付きのまま持っていけるフルーツがおすすめです。
暑い時期のお弁当におすすめ!傷みにくい食材・おかず4選
お弁当を安全に楽しむためにも、傷みにくい食材やおかずを選びましょう。おすすめは、次の4つです。
- 味付けの濃いおかず
- からあげなどの揚げ物
- 抗菌作用の強い食材を使ったおかず
- 汁気の少ないおかず
それぞれ解説します。
1.味付けの濃いおかず
塩分や糖分は、食材の水分を吸い取って菌の繁殖を抑える効果が期待できるため、味付けが濃いおかずは傷むリスクを減らせます。たとえば甘辛く炒めた肉や、きんぴらごぼうなどがおすすめ。
とはいえ、濃い味付けは塩分の過剰摂取に繋がるため、バランスには注意が必要です。おかずの量を調整したり、薄味のおかずと組み合わせたりすることで、全体的なバランスを整えましょう。
2.からあげなどの揚げ物
揚げ物は表面が油で覆われているため、細菌が内部に侵入しにくく比較的傷みにくいおかずです。エビフライやメンチカツもよいでしょう。ただし、傷みやすい食材であるジャガイモを使ったコロッケは注意が必要です。揚げたあとは余分な油を切り、冷ましてから入れるようにしてください。
3.抗菌作用の強い食材を使ったおかず
梅干しや生姜など、抗菌作用の強い食材を使ったおかずもおすすめです。たとえば梅干しに含まれる「クエン酸」は菌の繁殖を抑えてくれますし、生姜の辛味成分「ジンゲロール」も強い殺菌作用を持っています。
お酢やわさび、大葉を使うのもおすすめです。たとえば肉を大葉で巻いて焼いたり、野菜炒めの隠し味にお酢を使ってみたりしてはいかがでしょうか。
4.汁気の少ないおかず
おかずに汁気が多いと、菌が繁殖してお弁当が傷みやすくなります。また汁漏れや色移りの原因になるので避けましょう。入れるなら、汁気の少ないおかずがおすすめです。炒め物や焼き物は調理の過程で水分が蒸発するため、傷みにくいおかずといえます。
野菜を食べよう!簡単に作れる傷みにくいおかずレシピ3選
傷みにくいとはいえ、肉や揚げ物ばかりでは栄養バランスが偏ってしまいますよね。ここでは、野菜を使った傷みにくいおかずレシピを3つ紹介します。
- いんげんの生姜醤油炒め
- きんぴらごぼう
- 鮭の梅酢照り焼き
どれもごはんが進む味なので、ぜひ作ってみてくださいね。
いんげんの生姜醤油炒め
あと一品欲しいとき、簡単に作れるのがいんげんの生姜醤油炒めです。いんげんには食物繊維やビタミンが豊富。抗菌作用の強い生姜を使えば、傷むリスクを減らせます。材料は以下のとおりです。
材料
- いんげん
- 醤油
- すりおろし生姜
作り方
まず、いんげんのヘタを取って食べやすい大きさに切りましょう。火が通るまで炒めたら、醤油小さじ1と、すりおろし生姜を好みの量加え、さらに汁気がなくなるまで絡めるように炒めれば完成です。
きんぴらごぼう
和風おかずの定番、きんぴらごぼうも夏場のお弁当に最適です。ごぼうは食物繊維が豊富で、腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。またきんぴらに入れる鷹の爪には、殺菌効果のほかにも食欲を増進させる働きを持つカプサイシンが含まれており、夏バテ気味の先生にもぴったりです。
材料
- ごぼう
- にんじん
- 醤油
- みりん
- 砂糖
- 鷹の爪
作り方
にんじんとごぼうは細切りにしましょう。ごぼうは切ったあと水にさらし、あくを抜きます。次にフライパンにごま油を熱し、ごぼうとにんじんを炒めましょう。しんなりしてきたら砂糖と醤油、みりんを加えて味付けします。最後に、輪切りにした鷹の爪を加えて炒めたら完成です。
鮭の梅酢照り焼き
暑さで食欲の落ちている先生におすすめなのが、鮭の梅酢照り焼き。タンパク質と野菜を同時に摂取できる栄養バランスの良いおかずです。抗菌効果のある梅とお酢をプラスし、さっぱりと食べられますよ。材料は以下のとおりです。
材料
- 生鮭
- 梅干し
- 砂糖
- 酒
- 酢
- 醤油
作り方
鮭は塩を少々振って10分ほどおき、キッチンタオルで水分を拭き取りましょう。ポリ袋かストックバックに梅干しとみりん大さじ4、醤油・酒・酢・砂糖各大さじ2を入れ、鮭を加えて20分ほど漬け込みます。
次にフライパンにオリーブオイルを入れて熱し、鮭を加熱しましょう。火が通ったらつけダレを加え、照りが出るまで煮絡めたら完成です。お好みで大葉やいりごまをトッピングしても美味しいですよ。
食中毒を防ごう!傷みにくいお弁当作りのポイント6つ
食中毒を防ぐためには、おかず選びだけでなく作る過程も大切です。ここでは、傷みにくいお弁当作りのポイントを6つ解説します。
- 食材は充分に加熱する
- おかずや食材の水分は飛ばす
- 素手で食材に触らない
- お弁当が冷めてからフタをする
- 持ち運びは保冷剤や保冷バックを使う
- お弁当箱やお箸類はキレイに洗う
それぞれ解説します。
1.食材は充分に加熱する
食中毒の原因となる菌は、熱に弱い性質を持っています。肉や魚介類などの食材は、中心部まで充分に加熱してから詰めましょう。
厚みのある食材は、竹串などを刺して中まで火が通っているか確認するのがおすすめ。また職場に電子レンジがある場合は、食べる前に温めると安心して食べられます。
2.おかずや食材の水分は飛ばす
おかずや食材の水分は、菌の繁殖を促進します。煮物や炒め物を作る際は、水分を飛ばしましょう。調理後は、冷ましてから詰めるのもポイントです。汁気の多いおかずは、キッチンペーパーを使って水分を吸収させるとよいでしょう。
3.素手で食材に触らない
手には、洗っても食中毒の原因になる細菌が付着している可能性があります。そのため、調理の際は清潔な調理器具や箸、トングを使用しましょう。どうしても触れる場合は、調理用のビニール手袋を使うのがおすすめです。また生の肉や魚を扱ったあとは、必ず手袋を交換してからほかの食材に触れるようにしましょう。
4.お弁当が冷めてからフタをする
作りたての温かい状態でフタをすると、高温多湿の状態で菌が繁殖しやすくなります。完全に冷めるまで待ってからフタを閉めましょう。冷ます時間がない場合は、専用の冷却グッズを使うのがおすすめです。
5.持ち運びは保冷剤や保冷バックを使う
通勤時は、暑い環境下でお弁当を持ち運ばなければなりません。涼しい状態で保つために、保冷剤や冷却バッグを使いましょう。凍らせたペットボトルの水やジュースを使ってもよいでしょう。お弁当を低温で保つことができ、昼食時に冷たい飲み物も楽しめるため一石二鳥です。
6.お弁当箱やお箸類はキレイに洗う
どんなに食材選びや調理方法に気を付けたとしても、お弁当箱や盛りつけのカップが清潔でないと意味がありません。使ったお弁当箱や箸は丁寧に洗いましょう。水分が残っていると菌繁殖の原因になるため、充分に乾かすのもポイントです。
まとめ
食中毒を予防するためには、食材選びのほかにも細菌を繁殖させないための工夫が大切です。安心安全にお弁当を楽しむためにも、ぜひ本記事のポイントに気を付けてみてくださいね。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課