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TOPコラムワーク「了解しました」は不適切?意味や正しい敬語表現とは

「了解しました」は不適切?意味や正しい敬語表現とは

2023.03.29 (最終更新:2023.12.07) ワーク コラム

先生同士はもちろんのこと、保護者や学生とのコミュニケーションは円滑な業務に欠かせません。そのなかで、上司や保護者に返答する際「了解しました」を使っていませんか?

敬語表現であることに間違いありませんが、使うシーンによっては相手を不快にさせているかもしれません。気づかないうちに失礼な言葉遣いをしないよう、本記事では「了解しました」の意味と相手別の正しい表現を解説します。

上手に使い分けて、一目置かれる先生になりましょう。海外の学校とやりとりする先生向け・授業のネタに英語での表現方法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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「了解しました」は正しい使い方ではない?

「了解しました」は一見、目上の人にも使える言葉だと思いますよね。しかし、実は不適切な表現です。ここでは言葉の意味と、不適切な理由を解説します。

「了解しました」の意味

「了解する」は「わかる」という意味のへりくだった表現で、一般的に以下の意味を指します。*1

  • 事情を思いやって納得すること
  • 物事の内容や事情を理解して承認すること
  • 意味を飲み込むこと

「了解しました」は「了解する」という動詞に、丁寧な気持ちを表現する助動詞「ます」の過去形が付いた形で、文法としての誤りはありません。使い方の例としては「会議の日程変更を了解しました」「資料の内容について了解しました」などが挙げられます。

*1 「Weblio辞書

目上の人へ使うのは適さない

敬語は尊敬語、謙譲語、丁寧語に分けられます。目上の人に対して使う言葉で適しているのは、尊敬語や謙譲語です。「了解しました」は、どちらにも該当せず、聞き手に敬意を示したいときに使う丁寧語です。

つまり、自分よりも先輩の先生や上司へ使う場合は不適切な表現といえます。

取引先の相手にもふさわしくない表現のため、学生の保護者からのメールに返信する際などには注意が必要です。日常的に使う機会が多い言葉なので、うっかり使わないよう意識したいですね。

「了解しました」が失礼にならない相手は?

「了解しました」は、同僚の先生や目下の人に使える言葉です。そのため、学生への返信に使うのもOKです。

また、目上の人との信頼関係が構築されており、親しい間柄であれば使っても問題ないでしょう。

逆に、親しい間柄にもかかわらず「承知しました」や「かしこまりました」などの表現を使うと、堅苦しいと感じるかもしれません。ただし、お互いの距離感や関係性によるので、使う際は慎重に判断してください。

目上の人に「了解しました」と伝える際の正しい言い換え表現は?

理解した旨を伝える表現は「了解しました」以外にも複数あります。ここでは先輩の先生や上司など目上の人、保護者に対して使うべき2つの表現を例文付きで解説します。

承知しました(承りました)

「承知」には、主に次の3つの意味があります。*2

  • わかっていること
  • 聞き入れること
  • 理解して承諾すること

「承知」という言葉は、謙譲語に該当するわけではありません。しかし、同じように「承」の字を使った「承る」はわかる・聞くの謙譲語にあたるため、「承知しました」は目上の人に使える表現です。

より丁寧に表現したい場合は「しました」という丁寧語を「いたしました」という謙譲語に言い換えて「承知いたしました」としてもよいでしょう。

*2 「Weblio辞書

例文

「明日の会議日程の件、承知しました。当日は会議室Aを押さえます。」
「資料作成の締め切りについて、承知いたしました。」

かしこまりました

「かしこまる(畏る)」は「つつしんで目上の人の言葉を受け止める」という意味の謙譲語です。目上の人の命令を承る意味が強いため、相手に前向きな姿勢を示す際に適している表現です。

同僚や目下の人に使っても問題ありませんが、強い敬意を表す表現のため、相手に距離を感じさせてしまうかもしれません。

例文

「かしこまりました。その旨、担任の田中に申し伝えます。」
「来月のイベント準備の件、かしこまりました。」

「承知しました」と「かしこまりました」はどちらが丁寧?

どちらも目上の人に適した表現ですが、より丁寧に対応したい場合どちらを使うべきなのか迷いますよね。結論から言うと「かしこまりました」のほうが丁寧な表現です。

なぜなら「かしこまる」は「わかる」という意味を表す言葉のなかで、「謹んで承諾する」というニュアンスを含み、最も丁寧な表現とされているからです。より丁寧な対応が求められるシーンでは「かしこまりました」を使うのがよいでしょう。

ただし、メールでのやり取りにおいて、「かしこまりました」の一言だけでは、少し冷たく感じられるかもしれません。そこで、一言添えてあげるとより丁寧な印象になります。

たとえば上司からミーティングの日程に関する連絡が来た場合は、以下のように返信してみてはいかがでしょうか。

「日程の件、かしこまりました。当日よろしくお願いいたします。」
「日程の件、かしこまりました。いつもご指導ありがとうございます。」
「お疲れ様です。日程の件、かしこまりました。当日までに資料用意しておきます。」

このように一言添えるだけで、ぐっと印象が変わりますよね。添える言葉は状況に合わせて考えてみましょう。

目上の人に対して「了解しました」以外に避けたほうがよい敬語表現

「了解しました」以外にも、目上の人に対して避けたほうがよい敬語表現があります。それが次の3つです。

  • 了解いたしました
  • わかりました
  • 了承しました

似たような言葉ですがニュアンスが違うだけであり、いずれも相手に不快な思いをさせる可能性があります。それぞれの表現について解説します。

了解いたしました

「する」の謙譲語は「いたす」です。つまり「了解しました」ではなく「了解いたしました」であれば、目上の人に使っても問題ないとされているケースもあります。

しかし「了解」という言葉自体にフランクなイメージがあるため、ビジネスシーンでは不適切とされているのが現状です。

実際に多くの企業では、ビジネスマナーを指導する際「承知しました」を使用するように伝えているそうです。そのため、目上の人や保護者とのやり取りでは使わないほうがよいでしょう。

わかりました

日常会話で使う頻度が高い「わかりました」も、丁寧語に分類されます。目上の人に対して使っても問題ない表現とされていますが、やや敬意に欠けるといえるでしょう。

「了解しました」同様にフランクな印象を与えるため、信頼関係がある上司や親しい先輩の先生以外には避けたほうが無難な敬語表現です。

了承しました

「了承しました」は、「承」という漢字が使われていることから、謙譲語のように思うかもしれません。しかし「それで大丈夫です」「それでよいですよ」という許可のニュアンスが強いため、目上の人に使うのは不適切な表現です。

上司が部下や目下の人に対して使う表現なので、うっかり使うと不愉快にさせてしまうかもしれません。理解した旨を伝える際は「了承」ではなく「承知」を使いましょう。

英語で「了解しました」や「承知しました」はどう表現する?

海外の学校と交流する機会がある先生もいるでしょう。「OK」は気軽に使いやすい表現ですが、シーンによっては失礼にあたるかもしれません。英語で「了解しました」を伝える表現は複数あります。ここではシーン別に表現方法をまとめました。

  • カジュアルなシーンの場合
  • ビジネスシーンの場合
  • ビジネスシーンで「了解しました」を伝える場合

それぞれ解説します。

カジュアルなシーンの場合

カジュアルなシーンでは、以下の表現が多く使われます。

意味英語表現
了解ですわかりましたAll right./OK./Got it.
承知しましたNo problem./Noted on this./Copy that.
いいね!了解Sounds good.

例文

A:「Please make the materials by tomorrow.
資料を明日までに作ってください。
B:「OK!I will create it soon.
了解です!早速作成します。

A:「Can you help me prepare for tomorrow’s event?
明日のイベント準備手伝ってもらえるかな?
B:「No problem! What can I do to help?
承知しました!何を手伝えばよいですか?

A:「Do you want to have dinner after work today?
今日、仕事終わった後にご飯行かない?
B:「Sounds good.
いいね!了解!


友人や同僚など、親しい間柄で使う際に適した表現です。特に「Sounds good.」は、相手の意見に賛同する気持ちが伝わりやすくなります。相手が出したアイディアや意見に、同意や共感を伝えたい場合に使うとよいでしょう。

ビジネスシーンの場合

ビジネスシーンでは、目上の人や取引先に使える以下の表現がおすすめです。

意味英語表現
かしこまりましたAbsolutely./Definitely.
承知しましたCertainly. /Of course.

例文

A:「Can you submit the report today?」
今日中に報告書を提出できますか?
B:「Absolutely. I will make it by 3:00 p.m.」
かしこまりました。15時までに作成します。

A:「Are you able to attend the meeting tomorrow?」
明日の会議に参加できますか?
B:「Of course.」
承知しました。


ちなみに「You got it.」も「かしこまりました」を意味する表現ですが、ファーストフード店などカジュアルな場で使われることが多いです。

そのためビジネスシーンで使うと、場違いな印象を与えてしまうかもしれません。目上の人や、他校の先生と初めて交流する際には避けたほうがよいでしょう。

ビジネスメールで「了解しました」を伝える場合

ビジネスメールで「了解しました」を伝える場合に適した表現も複数あります。その中の一つが「I will certainly…」です。「承知しました」「~いたします」という意味で使える表現なので、覚えておくとよいでしょう。

使い方としては以下があります。

例文

We will certainly meet on June 15th at 10 a.m. I look forward to seeing you.
打ち合わせの日時は、6月15日10:00で承知いたしました。当日お会いできるのを楽しみにしています。


メールの場合は「了解しました」だけだと、何に対して了解したのか伝わりづらくなります。誤解を生まないためにも、すべての内容を省略せず記載しましょう。

まとめ

「了解しました」は敬語表現ですが、使うシーンや相手によっては場違いになるケースがあります。親しい人や目下の人に使う場合は問題ありませんが、目上の人には失礼になることも。

言葉一つで印象は大きく変わります。相手に不快な印象を与えないためにも、使い分けられるようにしておきましょう。表現の使い分けに迷ったら、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。

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この記事を書いた人
鶴巻 健太

鶴巻 健太

新潟在住のメディアディレクター
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課

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