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TOPコラムワーク頭痛が痛いは正しいor間違い?学生に指導したい二重表現

頭痛が痛いは正しいor間違い?学生に指導したい二重表現

2023.10.25 (最終更新:2023.12.07) ワーク コラム

「先生~トイレ~」
「先生はトイレではありません!」

こんなやり取り、小学生時代にありましたね。今ではパワハラ!と言われてしまいそうなので、すぐにトイレに行かせないとダメそうですが。

関連記事:ハラスメントの種類まとめ!事例や先生が気を付けるべき点を解説

今回はトイレの件と同じく指導したい日本語のなかでも、「頭痛が痛い」を筆頭に意味が二重になっている言い方について解説していきます。

ひょっとしたら先生も誤用している表現もあるかもしれません。ぜひ、チェックしてみてください。

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二重表現・重複表現・重言とは

たとえば「頭痛が痛い」という表現があったとします。「頭痛」という一つの熟語で「あたまがいたい現象だ」と判断できますよね。そこにさらに「痛い」を重ねることで、「あたまがいたい現象がいたい」となってしまいます。

このように意味が二つ重なる語を並べた言い方を二重表現や重複表現・重言(じゅうげん・じゅうごん)といいます。「頭痛が痛い」のほかにもたくさんの表現がありますので、確認してみましょう。

二重表現の例

  • あとで後悔する
  • 過半数を超える
  • まず初めに
  • まだ未定である
  • はっきり断言(明言)する
  • 違和感を感じる
  • 被害を被る
  • 犯罪を犯す
  • 歌を歌う
  • 踊りを踊る
  • 電流が流れる

頭痛が痛いは間違いなのか

「頭痛が痛い」は前述のとおり「あたまがいたい現象がいたい」ととらえられるため、違和感を覚える人が多く存在します。

しかし二重表現でも違和感がない、別の言い換えが考えられないものもあります。たとえば「歌を歌う」は違和感がない二重表現の一つです。動詞(歌う)に対して語源や意味が近い名詞(歌)を同族目的語といいますが、主に同族目的語が使われた場合は誤用ではないようです。

また、中学理科の電気の領域でよく見た「電流が流れる」という表現も、教科書で用いられています。教科書は日本屈指のプロによって校閲されていますので、「電流が流れる」は正しい表現であると考えてよいでしょう。

では、結局「頭痛が痛い」などの二重表現は間違いなのでしょうか。答えはNOです。『明鏡国語辞典』3版や『三省堂国語辞典』8版といった辞書でも、意味を強調するための表現であるとしているため、誤りか?と問われたら誤りではない、となります。

二重表現を学生が使っていたとき、どう指導するか

前述の通り二重表現が誤りというわけではありません。そのため「二重表現だからダメです!」と伝えるのもNGです。学生からも「その言い方でも伝わるし、なんでダメなの?」と言われると思います。

とはいえ、「頭痛が痛い」や「あとで後悔する」という表現に違和感があるのは事実でしょう。では、二重表現を学生が使っていたときにどう指導したらよいでしょうか。

書きものの場合

レポートや履歴書などの書きものの場合はなるべく二重表現を見過ごさず、「別の表現を使ったほうが無難だよ」と指導するとよいでしょう。または、民間の就職試験でも公務員試験でも、履歴書や自己PRなどの書面で二重表現を見かけると、減点の対象になる恐れがあるためです。

言葉への違和感の度合いは、人によって千差万別です。二重表現が正しいかどうかはさておき、人に違和感を抱かせないようにする気遣いという意味合いを込めることが大切です。

また、文化庁が2021年に公開した『新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)』のP28を引用し、二重表現はむやみに使わないように、と喚起するのもよいでしょう。

会話の場合

二重表現がされていないかアンテナを立てて日々生活していると、意外と多くのシーンで使われていることに気づきます。先生に余力があり、学生との信頼関係が高い状態であれば随時吹聴していくとよいですが、なかなか大変かと思います。

そのため会話レベルの二重表現であれば、状況に応じて判断しましょう。ただし、こちらも「別の表現を使ったほうが無難だよ」のような表現にとどめるとよいでしょう。

学校現場でよく出る!二重表現の(無難な)言い換え表現

以下に学校現場でよく出る注意したい二重表現と言い換え表現をまとめていますので、ご参考にどうぞ。

あとで後悔する

「あとであとでくやむ」になってしまっています。

言い換え:後悔する

過半数を超える

「過半数」という表現で、すでに半分より大きい値になっているとわかります。

言い換え:過半数に達する・半数を超える

まず初めに

「まず」の時点で、最初だとわかります。

言い換え:まず・初めに

まだ未定である

「未」に「まだ」という意味があるので二重表現です。

言い換え:まだ不明である・未定である

はっきり断言(明言)する

「断言」・「明言」のいずれも「はっきり言う」の意味があります。

言い換え:はっきり言う・断言(明言)する

違和感を感じる

同族目的語の一つです。会話でよく用いられますが、書きものにすると二重表現だという印象を強く受けます。

言い換え:違和感を覚える・違和感がある

被害を被る

同族目的語の一つです。「被害を受ける」や「被害に遭う」が無難です。なお、「遭う」は漢字の誤りに気を付けたいところです。

言い換え:被害を受ける・被害に遭う

犯罪を犯す

同族目的語の一つです。警察官などの作文試験で書くことが多い表現ですが、こちらの表現が無難でしょう。

言い換え:罪を犯す

【おまけ】他にも気をつけたい二重表現一覧

上記のほかにも以下のような表現も気を付けたいところです。

二重表現言い換え
必ず必要必要
約○○程度約○○
内定が決まる内定する
今の現状現状
全く皆無皆無
連日寒い日が続く寒い日が続く
最後の追い込み追い込み
あらかじめ予約する予約する

「過半数を超える」や「違和感を感じる」、「被害を被る」などは適切な表現の仕方がありますので、その言い方を伝えるとよいでしょう。学生もそういう言い方が正しいんだ、と知らなかったことも多くあると思います。

まとめ

今回は「頭痛が痛い」を筆頭に、二重表現についてまとめました。もしかしたら先生も「この言い方、二重表現だったのか」というものもあったかもしれません。ぜひ、本記事を学生への指導にお役立てください。

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この記事を書いた人
宇井 馴次 (うい なれじ)

宇井 馴次 (うい なれじ)

ウイナレッジ編集部所属のバーチャルヒューマン
双子の父でありプロレス好き
毎週金曜日はスタバでベンティサイズのフラペチーノを嗜む

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