資格試験や就職に向けて勉強しているけれど、なかなか継続的に続けられない……。
誰もがぶつかる「三日坊主」の悩み。これを解決するには「続けられる仕組みづくり」がポイントです。
目次
なぜ継続して勉強できないのか?
まず、どうして三日坊主になってしまうのかを考えます。
友人と遊びたい、ゲームをしたい、SNSをつい見てしまうなど、誘惑に負けてしまうという理由がもっとも多いかもしれませんね。アルバイトや家の手伝いなどで、そもそも勉強にあてられる時間が少ないという学生も少なくないようです。
また、集中力が続かない、目標が遠すぎてやる気が起きない……といった、モチベーションに左右されることもあるでしょう。
まず第一に、学生自身が自律することが必要です。勉強とそれ以外のことに優先順位をつけ、必要度が低いものは後回しにして、気を散らす原因であるスマートフォンやゲーム機を別の部屋に置くなど工夫しましょう。
そうは言っても、「モチベーションが上がらない」という問題は解消できていません。単に「モチベーションを上げましょう!」と言っても、それができないことが問題ですから、違うアプローチが求められます。
モチベーションキープは難しい!ポイントは「勉強できる仕組み」
精神論でクリアできないことは、仕組みで解決しましょう。
目的を明確にする
学生が勉強するのはなぜでしょうか。
次の試験に合格したい、あの会社に就職したい、と、それぞれに目標を持っているはずです。しかし、それがゴールではありません。
「その試験に合格してどうしたいのか」「あの会社に就職できたら何を実現したいのか」というふうに、目標と目的をきちんと整理し、学生本人が理解することが必要です。
それが明確になれば、納得して勉強に取り組むモチベーションにつながるはずです。
学校側は、定期的な面談やセミナーなどを実施し、あらためて「どのような目的で勉強するのか」を学生が再確認できる機会を設けるとよいでしょう。
目標を分割する
目標が遠くにあると、実感が湧かないために継続的に勉強できないことも多いようです。その場合は、目標を分割してみましょう。
例えば、1年後の資格試験に合格するという目標を持っている学生であれば、1か月後に何点、3か月後には何点、半年で何点を取れるように……というイメージです。小さい成功を積み重ねてステップアップしていくと、モチベーションを保ちやすくなります。
学校での普段の課題も、半分できたら提出してもらうようにするだけでも最終提出率がアップしたケースがあるそうです。スモールステップは学生だけでなく、教員も考えていきたい方法の1つです。
一度に長時間、たくさんはやらない
今まで三日坊主だった学生に対し、「毎日3時間ずつ勉強しなさい」と言ってもできるものではありません。これも目標と同じで、「毎日少しずつ」始めることがポイントです。
スタートは5分や10分デスクに向かう、テキスト1ページ、5ページだけなどほんの少しからで構いません。これを毎日続けていくことで継続する習慣がつけられます。
習慣づいてから徐々に分量を増やしていけば、抵抗感も少なくなるでしょう。
朝読書や朝自学といった「朝〇〇」の時間を設けるなど、習慣づけの仕組みをつくっている学校も多くあります。
まずやってみる
「勉強する」という行為には、「デスクに向かう」「テキストやタブレットなどを開く」「文字を読み書きする」といった「動作」が含まれます。
人間には、行動する(アクションを起こす)ことで分泌される「ドーパミン」という脳内ホルモンがあり、分泌量が増えると集中力がアップして効率が良くなったり、ポジティブで意欲的な考え方ができるようになったりすると言われています。
とりあえず体を動かしてみることをお勧めします。
「朝〇〇」の1つとしてラジオ体操などの時間を設けることや、「家に帰ったら、まずは自分の椅子に座ってテキストを開きなさい」と学生に指導している学校もあるようです。
学生の頑張りへフィードバックをする
Z世代と呼ばれる25歳以下の若い世代にあたる学生(2023年現在)は、とりわけ承認欲求が強いと言われています。
担当教員はこまめに進捗を把握し、改善すべきところを具体的に指導することが重要です。応援する姿勢を見せ、褒めて育てることが学生の成長に結び付くでしょう。 「自信日記」といって自分をほめる日記をつけさせ、自己肯定感を高める仕組みをつくっている学校もあるほどです。
学生一人ひとりに合った仕組み作りが重要
モチベーションを上げて、継続的に学習できる仕組みについてお話してきました。
最終的には、個人個人の生活リズムや性格などに鑑み、無理のない計画を立ててあげることが、教員ができる支援の形です。
ただその前段の部分で、学校として、組織として学生のモチベーションを向上させられる方法があるはずです。1つずつ施策を行い検証していくことで、学校に合った仕組みができるでしょう。
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