文章を書くスキルは、一生の財産です。
学生時代のレポートや就職活動に必要な書類はもちろん、社会人になってからも欠かせない力です。しかし学生の中には、そもそも文章を書くことへの苦手意識がある人も少なくありません。
読み手に伝わりやすい文章を書くには、押さえておくべきポイントがあります。すぐに改善できるものから、時間を要するものまでさまざま。できるだけ早いうちから訓練を始めましょう。
※本記事の内容は書籍「作文力アップ!伝わる文章を書く基本」(ウイネット)の一部を再編集したものです。
目次
文章を書く時に気をつけること
まず、文章の目的や読み手が誰なのか、文章そのものへの決まり事を確認しましょう。どれほど素晴らしい文章であっても、目的やターゲット、文字数やテンプレートがずれていては論外!審査や選考がある文章の場合は、その時点で対象外にされてしまいますし、注意力が欠けていると思われかねません。
また、目的や読み手を意識して書くことで、内容だけでなく言葉の選び方にも変化が生まれます。相手を意識して書いているかどうかは読み手にも伝わるものです。文章には必ず目的や制約があることを認識しておきましょう。
文章力を上げるテクニック
文章力を高めるためには、誤字脱字がないよう読み返すことに加え、「読み手に正しく伝わる書き方になっているか」「説得力があるか」という視点も重要です。詳しく見ていきましょう。
簡潔に書くことで読み手に伝わりやすくなる
読み手が意味を正しく理解しやすくする第一のコツは、簡潔に書くことです。
無駄な言葉を削って一文を短くするよう心がけたり、接続詞を差し込んで文を分けたりすると良いでしょう。箇条書きを使うのも効果的です。ただ短く書くだけではなく、後に続く文との整合性を取るために、主語と述語を正しく対応させ、適切な接続詞を使うことが大切です。
例:無駄な言葉を削る
(改善前)
来月のシフトの件についてのご連絡をさせていただきます。来月の3週目は学校のテスト期間があるため、その週はアルバイトに来る時間がとれないのでシフトを入れることができません。
↓↓↓
(改善後)
来月のシフトの件でご連絡いたします。来月の3週目は学校のテスト期間のため、シフトを入れることができません。
構成を練って説得力のある文章に
段落構成が明確になっていると、読み手が納得感を得やすくなります。
そのためには、書く前に目的や条件を整理すると同時に「何を伝えたいか」を明確にすることも必要です。その次に段落構成を考えると、メリハリのある文章を書きやすくなります。
段落構成の基本は「序論」「本論」「結論」の3段落です。この3段落に自分が伝えたい要素を書き出し、文章を組み立てましょう。
序論 | 文章のテーマを示すもの。結論から書くとわかりやすい。全体の10〜20%が目安。 |
本論 | 序論で述べたテーマ、結論を読み手に納得してもらうための具体的な根拠を書く。全体の40〜70%が目安。 |
結論 | 本論の根拠をもとに、もっとも伝えたいことをまとめる。全体の20〜30%が目安。 |
実例や体験談を盛り込んで信ぴょう性を高める
推測や仮説だけでは、読者が納得感を得られる文章にはなりません。実例を記載すると内容の正確性を裏付けでき、自分の体験談を盛り込めば読者に共感を与えられる可能性が高まります。
特に就職活動での自己アピール文などは、体験談に加えて「その体験を通して自分は何を得たか」という、自己成長につながったエピソードも入れましょう。
まとめ
文章力を上げるにはこれらのテクニックを活用し、読み手を意識して書くように日ごろから心がけましょう。そうすれば、おのずと読み手が理解しやすい言葉選びや構成を作る力がついてくるはずです。
学校でも、学生が作成したレポートなどを「文章力」の観点から添削してみてはいかがでしょうか。細かなフィードバックが学生のやる気につながります。 本書では他にも多様な「文章力を上げるコツ」をご紹介しています。ぜひご覧ください。
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