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TOP教育全般【SNS炎上例から学ぶ】学生の炎上を防ぐために知っておきたい仕組みと対処法

【SNS炎上例から学ぶ】学生の炎上を防ぐために知っておきたい仕組みと対処法

2024.05.02 全般 教務情報

毎日当たり前のように使っているSNSですが、若い世代による炎上事例が後を絶ちません。ちょっとした出来心や仲間内での悪ふざけでも、SNSに投稿してしまえば一気に拡散されてしまう可能性があります。一度炎上してしまえば、生涯にわたって残り続ける「デジタルタトゥー」になってしまいます。

もし学生が炎上を起こしてしまったら…?

先生が知っておきたい炎上の仕組みと例、対処法をまとめました。

※本記事の内容は書籍「SNS・ネットで違法行為をしないためのガイドブック」(ウイネット)の一部を再編集したものです。

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SNS炎上の仕組み

そもそも炎上ってなに?

「炎上」とは、SNSに投稿された内容が不適切であるとして、それを見たユーザーから集中的に批判のコメントが投稿され、騒ぎに収拾がつかなくなることをいいます。
SNSは、匿名性が高いため批判的な意見を投稿しやすく、また、拡散機能によって騒ぎが瞬く間に広がってしまうのも大きな特徴です。
炎上後にことの重大さに気付き、投稿を削除したとしても、すでに投稿内容をスクリーンショット撮影したユーザーによって再びさらされてしまい、「投稿を削除して逃げた」などとさらに非難されてしまうこともあります。

どうして炎上が起きるの?

炎上の理由はさまざまですが、多くの場合は投稿の内容が極端に偏っている、嘘や誤情報である、倫理・道徳・順法精神に反しているといった要因が挙げられます。SNSは拡散性の高いツールであるため、炎上すると短時間で多くの人の目に触れることとなります。
インフルエンサーと呼ばれるフォロワー数の多いユーザーは、その分多くの人に見られているため炎上しがちですが、そうでない一般ユーザーも炎上することは多々あります。
また、非公開アカウントにしていても、疎遠となり関係性が薄れたユーザーから流出してしまうこともあるので、非公開だから炎上しないということはありません。

炎上するとどうなる?

炎上してしまうとそれを面白がる悪質なユーザーも出てくるため、過去にアップロードした画像に映り込んでいるものや、投稿に含まれるささいな情報をもとに実名や家族に関する情報、学校名、居住エリアなどの個人情報が特定されてしまうことがあります。
炎上が一段落してもインターネット上には投稿のスクリーンショットや炎上内容が残されてしまうため、日常生活や進学、就職活動にまで影響が出てしまうこともあります

【炎上例】迷惑動画を限定公開したら拡散され炎上…

書籍「SNS・ネットで違法行為をしないためのガイドブック」より抜粋

飲食店や公共の場などでの迷惑行為をSNSに投稿すると犯罪となり、逮捕される場合があります。
例えば卓上の調味料容器を舐めると、ほかのお客様が利用できなくなるため、「器物損壊罪」となります。また、その行為によってお店は調味料容器を処分し、新品と交換する必要が出るなど、本来であれば必要のない業務が生じ、通常の業務に支障をきたすため、「業務妨害罪」にも問われます。
さらに、そのような迷惑行為を動画に撮ってSNSなどに投稿する行為も、同様に業務妨害罪に問われる可能性があります。

実際に、21歳の男性が飲食店でしょうゆ差しや食器を舐める動画をSNSに投稿し、威力業務妨害罪で逮捕されたり、21歳の学生がカラオケ店のソフトクリーム機から直にアイスを食べる動画をSNSに投稿し、威力業務妨害罪で書類送検されたりしました。
「損害賠償請求」を受けると、多大な借金を背負って生きていくこととなることからも、その場の仲間うちの雰囲気にのまれ、受け狙いで迷惑動画を撮影、投稿するのは絶対にやめましょう。

具体的にどんな罪になるの?

こういったラブルを起こしてしまった場合、以下のような罪に問われる可能性があります。

  • 業務妨害罪
  • 器物破損罪
  • 損害賠償請求

詳しく解説していきます。

業務妨害罪

「地震で動物園のライオンが逃げた」という嘘を投稿したり、飲食店で調味料容器や食器をなめる迷惑動画を投稿したりすると、刑法の「業務妨害罪」となり、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
なお、業務妨害罪には、妨害手段に応じて、「偽計業務妨害罪」と「威力業務妨害罪」があります。「偽計」とは、人をだますことであり、例えば、上記のような嘘の投稿は、偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。
また、「威力」とは、人の自由意思を制圧するような勢力とされますが、公然と行われた妨害行為を広く含むため、上記のような迷惑行為や動画投稿は、威力業務妨害罪に問われる可能性があります。
これらの刑事罰に加え、高額な損害賠償請求をされる可能性もあるため、投稿は不特定多数に見られることを意識して、安易に行動するのはやめましょう。

器物損壊罪

他人の所有物を故意に壊す、隠す、汚すなどして使えない状態にすると、刑法の「器物損壊罪」となり、被害者が刑事告訴すると3年以下の懲役、または30万円以下の罰金、もしくは科料が科せられる可能性があります。
回転すし店で他人の料理に大量のワサビを乗せたり、ラーメン店で卓上のトッピング等を自分の箸で食べたりする行為は、器物損壊罪に問われます。
受け狙いなど悪ふざけでやってしまい、高額の損害賠償請求をされることもあります。「みんながやっているから」と面白がって行動してはいけません。

損害賠償請求

被害者が加害者に対し、受けた損害の埋め合わせ(損害賠償)を求めることを「損害賠償請求」といいます。民法には、「加害者に責任能力、故意・過失があり、また、違法性があり、被害者に損害が発生してそれが加害行為と因果関係がある場合は、被害者に損害賠償請求権が発生する」旨が規定されています。
損害賠償には、被害により支出が必要となった損害、本来得られるはずだった利益の損害、精神的損害があります。
請求は当事者同士で話し合う示談交渉から始まり、示談で合意が成立しない場合は裁判所を挟んで民事裁判による損害賠償請求訴訟が行われます。

過去にはSNSでのいじめ被害で女子高校生が自殺、被害者親族は投稿した男子高校生に損害賠償を請求し、裁判所は支払いを命じた事例があります。
また、被害の内容次第では、損害賠償額は膨大となります。借金を背負って生きていくこととなるため、このような請求を受ける可能性のある行動はやめましょう。

限定公開でも拡散され、個人情報がさらされることも

友達だけが閲覧可能な非公開アカウントからの投稿でも、拡散されてしまうことはあります
長い間SNSを利用していると疎遠になるフォロワーもおり、SNS利用の途中から非公開アカウントにした場合であれば、それまでのフォロワーはそのまま投稿の閲覧が可能です。このため、そのようなユーザーから流出することがあるからです。
また、炎上した場合、過去に投稿した写真や文章をもとに氏名や居住地域、学校名などの個人情報が特定され、拡散されることもあります。このようなリスクがあることからも、迷惑動画の撮影、投稿は絶対にやめましょう。

炎上してしまったときの対処法

もし、投稿が炎上した場合、どういった対応を取ればいいでしょうか?
炎上後の対応により、さらに炎上を広げてしまうこともありますので、十分に気を付けましょう。基本的には以下のような流れで対処していきます。

  1. 状況を把握する
  2. 周囲に報告、相談を
  3. 削除は慎重に、誠実な謝罪が大切

1.状況を把握する

投稿が炎上した場合、速やかに状況の把握に努めましょう。炎上を確認した時点で、反論やごまかし、無視、おざなりな謝罪をすると、炎上がさらに広がる可能性があります。
この時点では冷静にどの部分が批判の対象なのかを確認し、批判内容が事実かどうかも確認します。
もし、投稿が誤解され批判されている場合は、どの部分が誤解されているかを確認します。こうして批判の原因を把握することで、適切な謝罪が行えます。

2.周囲に報告、相談を

また、炎上により迷惑をかけてしまう可能性のある所へは、早急に報告しておくことが賢明です。
あわせて今後の対処方法について、相談が可能であれば、どのような対処が適切か、アドバイスを求めます。

3.削除は慎重に、誠実な謝罪が大切

炎上の原因が確認できたら、誠実に謝罪しましょう。謝罪では、何が問題だったのかを説明し、何に対して謝罪しているのかをストレートに伝えます。
また、誤解に基づいて炎上しているなら、誤解を招く表現をしたことを謝罪した上で、本来の意図を説明します。
なお、投稿をすぐに削除しても、すでにスクリーンショット撮影をされていることもあり、なかったことにはできません。むしろ「逃げた」と炎上が加速する場合があるので、対応に気を付けましょう。

まとめ

SNSやインターネットでの「うっかりした行動」をきっかけに、その後の人生を大きく左右するようなトラブルを起こしてしまう可能性が、誰にでもあります。

先生としては、学生のトラブルは未然に防いであげたいですよね。

書籍「SNS・ネットで違法行為をしないためのガイドブック」(ウイネット)では、実際に起こり得る身近な例をもとに、SNSやインターネットで誰もが起こしてしまう可能性がある違法のリスクや、その防ぎ方を学べます。学生に伝わりやすいよう、トラブル例は漫画で紹介、法律違反もイラスト付きでやさしく解説しています。グループワークなどで使用できるトラブルクイズも掲載。学生にSNSやネットをより安全に使用してもらうための指南書になっています。

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