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名は体を表す!見た目9割!デザインで魅力を「見える化」しよう!

2022.05.13 (最終更新:2024.03.27) 学校運営 学校運営

連載少子化を生き抜く学校ブランディング

自校らしさとは?自校の魅力とは?よく分かっているはず……でも、本当に全員が同じように考えているでしょうか?外部へきちんと伝えられているでしょうか?競争の中でも選ばれる学校になるための学校ブランディングの基本メソッドを、ブランディングのプロがお伝えします。

過去4回の記事で、学校ブランディングに重要な要素である「チーム」「共通理念・目標」「差別化した事業」を生み出す方法についてお伝えしてきました。
ここまでの、組織内部で考えをまとめ、「自校らしさ」の共通認識を作る行為を「インナーブランディング」といいます。

インナーブランディングした内容は、次の段階で、対外的に「見える化」していく必要があります。
それが「デザイン」の大きな役割です。

今回は、デザインをしていく上でどのような点に気を付けるべきか考えてみましょう。

デザイン制作の順序

何をどのようにデザイン制作していくかの順番を明確にしていきましょう。

  1. 自校のターゲットは誰か?どのような人か?どこに存在しているか?
  2. 届けたいメッセージを固める
  3. 制作するツールを決定する

自校のターゲットは誰か?どのような人か?どこに存在しているか?

さて、あなたの学校のターゲットは誰でしょう?

「高校生」?

そうお答えいただいて間違いはないのですが、効果的なデザインをするには少し情報が足りません。

学校に応募してくる高校生にはどのような子が多いでしょうか?

男性?女性?
真面目な子?派手な子?
どんな気持ちでどんな希望を持って学校に入ってくる子が多いですか?

自校を選んでやってくるターゲットの具体的な人物像を「ペルソナ」と呼びます。
自校のペルソナがどんな子なのか、明確化する作業をまず行いましょう。

ペルソナは「こんな子に入ってきてほしい!」という自分達の希望から考えてはいけません
実際にどんな特徴の子がどういう気持ちで入ってきているか、毎年の入学者の実態に即して設定していくことが重要です。

御校に入学してくる学生さんには、何かしらの共通点があるはずです。
「地元で自宅から通いながら勉強をしたい」「2年間で社会に出たい」「この資格試験に合格したい」などといったニーズと、そのニーズを持つキャラクター特性を分類していきます。

そしてただ特徴を挙げるだけで終わらず、キャラクターとしてのペルソナ設定を具体的に作り込んでいきます
ペルソナには名前も付けてあげましょう。
そして年齢・家族構成・性格・好みなども言語化し、ひとりの人物としてイメージを固めます。

ペルソナは1体とは限りません。
入学してくる学生さんのキャラクターや入学動機も、大きく数パターンに分けられることが多いのではないでしょうか。
そのパターン分、ペルソナを構築していきます。

ブランドにつき、おおよそ2、3パターンのペルソナを把握しておくと良いでしょう。

ペルソナが必要な理由

なぜペルソナが必要なのでしょうか?

それは簡単です。デザイン表現には「狙い」と「ターゲット」が必要だからです。

自校のペルソナには女の子が多いのに、男の子向けのキャッチフレーズやデザインをしてしまっては、効果が見込めません。
男の子を増やしたい、という狙いがあればもちろんそれでも構いませんが、自校のペルソナとかけ離れていては効果が出ません。

戦略的にターゲットを決定していくためにも、自校のニーズを客観的に分析してペルソナを設定することが必要です。

届けたいメッセージを固める

自校のペルソナが決定したら、PR方針を決定しましょう。
今年度はどういった学生層を獲得するか、どういったコンセプトやメッセージを打ち出していくか、どういった広報や営業活動を行うかという方針です。

学校案内のテーマを決めるように「今年打ち出すテーマ」として毎年変更しても良いのですが、今回は学校ブランディングというテーマなので、ブランディングにおいてスタンダードな方法をお伝えします。

ブランドアイデンティティを構築する

ブランドアイデンティティ(BI)とは、

  • ブランドメッセージ
  • タグライン・キャッチコピー
  • ブランドデザイン

から構成される、その学校の個性を表現するためにデザインルールとしてまとめたものです。

ブランドメッセージは5〜10行程度の文章で構成します。
3回目の記事で触れた「CI」「パーパス」をベースに、その学校で働いている関係者の皆様が考えている「学校らしさ」を言語化して表現しましょう。
叶えたい未来、大切にしている価値観、守るべき行動などを盛り込み、自校の考え方を社会へ伝える文章がブランドメッセージです。

タグライン・キャッチコピーは、ブランドメッセージをもっと端的に、印象深いキャッチフレーズで記憶に残しやすい一文にまとめたものです。

有名な例はタワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE!」です。
「音楽があることで気持ちや生活が豊かになる」ということを、一言で表した名キャッチコピーです。
この一文だけで会社の姿勢が伝わりますね。

下記がタワーレコードのブランドメッセージです。

“音楽があることで気持ちや生活が豊かになる”という事を、店頭やオンラインをはじめ全活動を通し、体現していくこと、それがタワーレコード全スタッフのテーマです。いつも「音楽」自体を応援し、「音楽」を元気にしていくことこそがタワーレコードの社会に対する姿勢・責任であると考えます。
是非あなたも、タワーレコードであなた自身の音楽を見つけてください。

https://tower.jp/nomusicnolife より引用

タグライン・キャッチコピーとブランドメッセージは、社会へ自校の姿勢を打ち出していくのと同時に、自校の内部にも大きな作用をもたらし、働く人の共通の指針にもなっていきます。

ブランドメッセージ、タグライン・キャッチコピーの策定とあわせて、ブランドのデザインルールを定めましょう。
ロゴマークのデザインやその配置ルール、全体の色味・柄のトーン、写真・イメージ・イラストのあしらいなど、自校オリジナルのデザインタッチを決定していきます。

ブランドデザインは他と差別化された個性が必要です。
一目見たら「あっ、あの学校」と分かるように個性的なデザインを生み出しましょう。

ブランドデザインは頻繁に変更するものではありません。
統一したデザインを統一したルールで使い続けていくことで、見る側の認知が高まります

制作するツールを決定する

PRする媒体を決定します。
ホームページ、パンフレット、広告など、ターゲットに情報を届けるために必要な媒体を選定し、制作を開始していきます。

ツールには役割がありますので、その役割に沿った内容を考えていくことが重要です。

  • 注目を集め興味を惹きつける役割(ポスター・LP・DM)
  • イベントで配布するもの(ノベルティ・パンフレットなど)
  • 内容をきちんと伝えるもの(パンフレット・ホームページなど)

表現する内容に「強み」をきちんと打ち出していく

こちらも3回目の記事でも書きましたが、学校の持つ「強み」を明確化して、デザイン表現していくことが重要です。
自校の持つサービス力・広報力・営業力・組織力・環境など全ての面から他にはない自校の強みを発見し、PRしましょう。

自校の強みを数多く明文化しておくと、こういった制作物を作るときになにを掲載するべきか悩むことが少なくなりますし、外部の制作スタッフへの指示も明確になります。

まとめ

ブランディングを進めていくと、自校の考えや強みが明確化していきますが、反面「伝えたい内容が増えすぎて説明が増え、分かりにくくなってしまう」ということも起きがちです。

デザインは、ビジュアルや短い言葉で大量の情報を一瞬で伝えることができ、さらに自校の特徴を深く印象付けることのできる優秀なツールです。
うまく活用して自校の魅力を印象付けましょう。

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この記事を書いた人
関本 大輔

関本 大輔

株式会社アドハウスパブリック代表取締役。
中小企業専門のブランディングカンパニーの代表。
インナー・アウターブランディングの実践経験900件以上に及ぶ。
全国で講演を行い、企業ブランディングのノウハウを伝えている。
ストレングスファインダーの認定コーチでもあり、4,000名以上約200社のチームビルディングを行う。
[アドハウスパブリックHP] https://adhpublic.com/

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