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    SNSに潜む危険から学生を守る! 身近なトラブル最新事例と学校側の対処法

    2021.05.07 ブログ 教務情報

    コミュニケーションツールとして、非常に便利で生活に欠かせないSNS
    学生のほとんどが活用しているでしょうし、多くの先生方も親しんでおられると思います。
    しかし、ご存知の通り、便利なSNSが犯罪に利用されることも少なくありません。

    まだ高校を卒業したばかりで社会経験が少なく、判断力が十分でないことも多い20歳前後の学生たち。
    危険なトラブルに巻き込まれないよう、周囲の大人が注意喚起・目配りをする必要があります。
    そのために、まずはどんな危険があるかを知っておきましょう。

    この記事では、特に学生が注意したい項目を中心に解説し、学校サイドでできる対策についても紹介します。

    よくあるインターネットのトラブル事例

    SNSにおけるトラブルとして思いあたるのは、悪ふざけの不適切な投稿や悪質なチケットの転売特殊詐欺への加担やリベンジポルノ、SNSの誘い出しによる未成年者誘拐性犯罪など、挙げればきりがないほどです。

    SNSを含めたインターネットに関わるトラブルを特徴ごとに分かりやすくまとめたのが、総務省の「インターネットトラブル事例集」です。

    以下に2020年版を引用します。

    インターネットトラブル事例(2020年版)

    日常に潜む危険
    ①スマホの過度な使用による生活や体調への支障
    ②ながらスマホが招いた自転車衝突事故
    ③メッセージアプリでの悪口・仲間外れ
    ④悪ふざけなどの不適切な投稿

    取引によるトラブル
    ⑤フリマなどネットを介した直接取引によるトラブル
    ⑥SNS経由のチケット転売による詐欺被害

    危険な小遣い稼ぎ
    ⑦コミュニティサイトなどでの未成年によるアプローチ
    ⑧アルバイト応募が招いた犯罪への加担

    軽率な行動
    ⑨他者の権利を侵害する投稿や視聴
    ⑩個人や学校などへの脅迫行為や犯行予告

    技術力と承認欲求(違法行為)
    ⑪自分で作成したウイルスをネットに公開

    悪意のしかけ 巧みなワナ(セキュリティ)
    ⑫ワンクリック詐欺やウイルスなどによる不当請求
    ⑬不正アプリやウイルスによる個人情報流出
    ⑭悪意あるWi-Fiスポットを利用したことによる情報流出

    安易な情報提供・情報発信
    ⑮ゲーム上でのやり取りから生じたトラブル
    ⑯旅行中の写真投稿や書き込みによる空き巣被害
    ⑰投稿から個人が特定されたことによる被害

    信頼から被害へ
    ⑱自画撮り写真の交換に端を発した脅迫被害
    ⑲心のよりどころだったSNS上の知人による誘い出し

    人格権を侵害する投稿・再投稿
    ⑳SNS等での誹謗中傷による慰謝料請求

    ▼引用元
    [総務省 総合通信基盤局]インターネットトラブル事例集
    https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jireishu.html

    どの項目も学生にとって身近な危険ですが、特に注意したいのは「危険な小遣い稼ぎ」ではないでしょうか。
    高校生までとは違い、大学生や専門学校生になれば一人暮らしをする学生も多く、生活環境が一変します。
    お金についても、日々のアルバイトでは稼げないような金額に目がくらみ、安易な小遣い稼ぎを行うケースは少なくないでしょう。

    また、素性を明かさずに情報発信ができるというSNSの特徴も、トラブルを引き起こす原因になっています。
    「安易な情報提供・情報発信」や「信頼から被害へ」、「人格権を侵害する投稿・再投稿」などは典型例といえるでしょう。

    ここからは、具体的な被害例と合わせて、被害に遭わないためにはどうしたらよいのかについてもあわせて解説していきます。

    危険な小遣い稼ぎによる被害

    SNSを通して若者が犯罪に加担してしまう例の一つが、オレオレ詐欺などの特殊詐欺でいわゆる「受け子」や「出し子」をさせられるというものです。
    SNSで誘われ、指示された通りに荷物を受け取りに行き、知らないうちに犯罪に加担していたというケースが少なくありません。

    警察庁「平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等について」によれば、特殊詐欺における20歳未満の少年の検挙数は全体の約3割を占めています。
    #高額バイト」「#裏バイト」といったハッシュタグや、「荷物を受け取るだけの簡単な仕事」「単発で高収入」といった甘い言葉は、危険が潜んでいるサインです。

    最近では、持続化給付金の不正受給事件でもSNSでリクルートされた若者が「捨て駒」にされていました。

    [IT Media News]安易に加担、大きい代償 SNSの“闇バイト”で捨て駒にされる若者たち
    https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/10/news061.html

    こちらの記事で事件の詳しい経緯が報じられていますが、一度共犯となってしまったばかりにその後もそのことを脅しに使われてますます状況が悪化するという恐ろしい構造です。

    また、デートや食事だけで金銭的支援をしてくれる年長者と交際関係を持つ「パパ活(ママ活)」等も、SNSの関わりが深いものです。
    かつては街角で声をかけていた援助交際が、出会い系サイトを経てSNSへと手段が変わっただけなので、危険性は援助交際と変わりません。
    お金が支払われないだけでなく、売春恐喝薬物使用誘拐などの犯罪につながる危険性がつきまといます。
    高級レストランでの食事や高額なプレゼントなどキラキラしたイメージがアピールされることも多いですが、リスクを考えれば全く見合わないものだということを学生に認識させたいものです。

    リスクがないように見えるうまい話」にも注意が必要です。
    著名人のキャンペーンに便乗して「抽選で大金をプレゼント」などとアピールする素性の不明なアカウントが急増しましたが、フォローやリツイートなどをするだけという気軽さと「当たらなくっても損をすることはないのだから」という意識で応募する人が多くいるようです。
    しかし、このようなアカウントが「当選金を振り込むため」として個人情報を要求したり、「うまい話に弱い人」を集めて情報商材ビジネスや詐欺などのいわば「カモリスト」を作ったりしているという報道もありました。

    [NHK News Web]追跡!謎の“現金プレゼント”
    https://www3.nhk.or.jp/news/special/net-koukoku/article/article_17.html

    社会経験が少なく判断力が十分でない20歳前後の学生が誤った選択をして犯罪に加担してしまったり、その後の長い人生に影響を及ぼす傷を負ったりしてしまうのは本当に悲しいことです。
    学生たちを守るために、周囲の大人はまず「やりたいことやほしいものがたくさんあるけれど、アルバイト等での収入には限りがある」という学生を狙って搾取しようとする人間が、SNS等を通じて簡単に学生に接触できてしまうということをいつも念頭に置かなければなりません。

    安易な情報提供・情報発信、人格権を侵害する投稿による被害

    悪ふざけで公序良俗に反する写真や動画を投稿したり、アルバイト先の信用を失墜させるような投稿をしたりする「バカッター」「バイトテロ」がたびたび話題になります。
    病院で実習中の医療系学生が著名人のカルテについてSNSに書き込んで炎上したこともありました。
    このような場合、学生自身に加えて学校の信用にも傷が付きます。
    「まさか」が起きる前に、学校からも十分な注意喚起と指導が必要です。

    ほんの軽い気持ちで投稿したとしても、インターネット上に出回ってしまった情報は、「デジタルタトゥー」と呼ばれ、半永久的に残ります。
    自分のSNS上からは削除できても、スクリーンショットを撮って拡散されてしまえば、自分ではどうすることもできません。

    また、SNSへの投稿によって、知らぬ間に個人情報をばらまいているかもしれないという認識も必要です。
    SNSの投稿の内容によっては、その人の生活範囲や行動スタイルを特定することが難しくありません。
    例えば、しばらく旅行に行っていると分かれば自宅が空き巣に遭うかもしれません。
    行動パターンが分かれば、後をつけられてストーカー被害に遭う危険性があります。
    狙いをつけた相手の前で「思わずSNSに書きたくなってしまうこと」を起こし、後で検索してアカウントを特定するというような手口もあります。

    [PRESIDENT Online]「クワガタを撮っただけなのに」”1億円”を盗んだ新型空き巣のコワい手口
    https://president.jp/articles/-/40466

    投稿する前に「不適切な内容ではないか」「個人の情報が分かるヒントがないか」「投稿によって誰かを傷つけないか」などを考えることを習慣づけさせましょう。
    投稿内容を書いてから、少し時間をあけてチェックし、問題がなければ投稿するというやり方も効果的です。
    自分だけでなく、友達などの情報も同様です。

    友達だけに向けた投稿のつもりでも、ひとたびインターネット上に発信した情報は取り返しがつかないということ、自分の個人情報を狙う人などいないはずという認識が危険であることをしっかりと伝えましょう。

    信頼していた相手から受ける被害

    相手の顔や人となりを知らずともコミュニケーションを取れるのがSNSのメリットですが、どんな人なのか分からない相手を信頼してしまい、犯罪に巻き込まれるということもあります。

    例えば、SNSで仲良くなった人に写真や個人情報を送ったら、突然態度が急変して「秘密をインターネット上に拡散する」と脅迫してくる行為などです。
    友達には話せない悩みを聞いてくれた人を信頼し、実際に会いに行って犯罪に巻き込まれてしまったという事件もありました。

    元交際相手などが脅しや嫌がらせのために性的な画像を公開する「リベンジポルノ」も深刻な問題です。

    また、家出中の少年少女が「#神待ち」などのハッシュタグで家に泊めてくれる人を募るという非常に危険な書き込みが氾濫しています。
    最近ではそのようなハッシュタグを警察が見回ってさかんに注意喚起などをしていることもあり、以前より多少減ったかもしれません。しかし、用語や場所を変えて同様の書き込みが続いていくことは依然懸念されます。
    このようなケースでは、学生は被害者にも加害者にもなりえます。
    20歳の学生からすると10代の高校生は年が近いように感じるかもしれませんが、未成年者を保護者に無断で泊めたりすれば未成年者略取・誘拐等の重大な罪に問われる場合があります

    共通の趣味や関心にもとづいて距離や所属の制約なく様々な人とコミュニケーションを取れるのはSNSの素晴らしいところですが、SNSのやり取りだけで相手を判断することはほぼ不可能です。
    SNS上では弱みになるような秘密を話さないこと、好きな相手からの頼みでも性的な写真などの提供は拒否すること、実際に会う場合には二人きりにならずいざというとき助けを求められるような場所にすることなどが大切です。

    学校サイドでできる対策とは

    ここまでも述べてきたとおり、学生がSNSのトラブルに巻き込まれないために学校としても対策が必要です。
    個々の先生が目を配り指導するというのは、効果は大きいでしょうが大変ですし、限界があります。

    学校全体としての取り組み」の事例として参考になりそうなものをいくつか挙げます。

    立命館大学は、SNSとの付き合い方・注意点をwebサイトで発信しています。
    また、トラブルが発生したときに相談できる窓口があるというのも、安心材料になります。
    学内のみで対処が難しい場合は、警察などの専門機関とも連携して、いざというときに対応できる体制を築いておくことが大切です。

    [立命館大学]SNSの利用にあたって知ってもらいたい5つのこと
    http://www.ritsumei.ac.jp/rs/sns/

    学生への注意喚起の一環として、専門家による講演や研修を行なっているケースもあります。
    花園大学では、2015年の入学式に「SNSと法律問題」というテーマで、弁護士による講演が行われたそうです。何気なくSNSに投稿したことによって起こりうる事案や法的な処分など、弁護士ならではの目線で語っています。

    [花園大学]入学式・人権講演 – SNSと法律問題
    https://www.hanazono.ac.jp/about/jinken/ceremony/000191.html

    SNSのトラブルを防ぐためのリスクマネジメント研修を行なっている企業もあります。

    [株式会社インソース]大学向けリスクマネジメント研修 SNSを理解し、トラブルを防ぐ
    https://www.insource.co.jp/kanrisyoku/sns_riskmanagement.html

    まとめ

    SNSなどインターネットを介したコミュニケーションが増えるにつれ、今までにはなかった新たなトラブルも起きています。
    学生のSNS使用に介入できない以上、トラブルを完全に防ぐことはできませんが、危険性について理解するための情報発信をすることで防げるトラブルもあります。
    また、専門家の助けなども借りて、何かあった時にも対応できる体制づくりも重要です。
    学校としてできることを行い、SNSによるトラブルの少ない環境整備を進めていきましょう。

    この記事を書いた人
    ウイネット

    ウイネット

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