9月は防災月間です。期間中、避難訓練を実施している学校もあるでしょう。しかし現実味がなく、単なる行事と捉えていませんか?
日本では、毎年のように台風や地震で各地に甚大な被害が出ています。災害は、いつ発生するかわかりません。万全に備えていないと、自分はもちろん大切な人も守れないでしょう。
そこで本記事では、防災月間の目的や9月に制定された理由、すぐできる防災対策を紹介します。この機会に、防災についてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
目次
防災月間とは?
そもそも防災月間とは、どのような期間なのでしょうか。目的や9月に制定された理由を解説します。
防災への意識を高める目的で制定された
防災月間は、一人ひとりが災害に対する意識を高め、日頃から備えることの大切さを再認識することが目的です。期間中は、各地で防災訓練や講習会などのイベントが開催され、防災について学ぶ機会が作られています。
突然の災害に直面した際、慌てず冷静に行動するためには、防災意識を高めて役立つ知識やスキルを身につけておくことが重要です。防災月間は、そのような意識を高める大切なきっかけといえるでしょう。
防災月間が9月に制定された理由
防災月間が9月に制定されている理由は、災害が多い時期だからです。1923年9月1日には関東大震災、1959年9月にも伊勢湾台風など甚大な被害を及ぼす災害が発生しました。加えて9月は台風の多い時期です。
過去の経験から防災意識を高めるため、国が9月1日を「防災の日」と制定し、自治体によっては9月の1カ月間を「防災月間」と定めています。
もしもに備えよう!自宅でできる5つの防災対策
実際に対策しようと思っても、何から始めればいいのか戸惑うかもしれません。ここでは、自宅でできる5つの防災対策を紹介します。
- 家具を滑り止めやネジで固定する
- 食糧・水を備蓄する
- 寝室にスリッパや靴を置いておく
- 防災リュックを準備する
- 家族間で連絡方法や集合場所を決めておく
できるところから始めてみましょう。
1.家具を滑り止めやネジで固定する
地震発生時は、家具が倒れて下敷きになったり、避難経路を塞いでしまったりする恐れがあります。特に本棚や食器棚などは重心が上になるケースも多く、転倒しやすいので注意が必要です。
L字金具や突っ張り棒、粘着マットを使って、家具を固定しましょう。キャスター付き家具が転がらないようにするには、着脱式ベルトやロックが有効です。
2.食糧・水を備蓄する
災害時にライフラインが寸断されると、食糧や水の確保が困難になります。そのため最低3日分、可能であれば1週間分の食糧と水を日頃から備蓄しておくことが大切です。備蓄する食糧は、常温で長期保存が可能な物を選びましょう。
たとえばレトルト食品や缶詰、乾パンなど、調理不要で食べられるものが適しています。水は1人3リットル/日を目安に準備しましょう。
3.寝室にスリッパや靴を置いておく
就寝時に地震が発生した場合、避難の際に素足でガラス片などを踏んでしまう危険性があります。スムーズに避難するためにも、寝室にはスリッパや靴を常備しておきましょう。停電になるケースも想定されるため、懐中電灯も一緒に置いておくと便利です。
4.防災リュックを準備する
災害発生時、自宅から素早く避難しなければならない場合もあります。避難生活に必要な物をすぐ持ち出せるよう、リュックにまとめておきましょう。
また、賞味期限切れの食品や電池切れの懐中電灯がないか定期的な確認が大切です。「用意はしたけど、いざというときに使えないものばかりだった」とならないよう、年に1〜2回は点検する習慣をつけましょう。
おすすめグッズは、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事: 【一人暮らしの災害対策】用意するべきグッズや発生時の対処法を解説
5.家族間で連絡方法や集合場所を決めておく
災害時は通信手段が限られる可能性があるため、家族間での連絡方法や集合場所を決めておくことが大切です。事前に災害用伝言ダイヤル(171)や、災害用伝言板サービスの使用方法を家族全員で確認しておくのもよいでしょう。また集合場所は一つだけでなく、複数設定しておくと状況に応じて柔軟に対応できます。
職場で被災する恐れも!学校でとるべき4つの防災対策
災害の発生が、自宅にいるときとは限りません。多くの時間を過ごす学校での備えも考えておきましょう。とるべき対策は、以下の4つです。
- 非常用の食糧と水を用意する
- 避難マニュアルを作成・共有する
- 身の回りをきれいにしておく
- 動きやすい靴を用意しておく
それぞれ解説します。
1.非常用の食糧と水を用意する
災害発生時、学校に長時間滞在せざるを得ない状況も想定されます。そのため、非常食や飲料水を備蓄しておくことが大切です。長期保存が可能な缶詰やレトルト食品、ミネラルウォーターなど先生と学生の数に見合った量を準備しておきましょう。またアレルギーを持つ学生に対応できる食品も用意しておくと安心です。
2.避難マニュアルを作成・共有する
自身の安全確保はもちろんですが、学生も安全に避難させなければなりません。しかし、突然の災害時はパニックになりがち。スムーズに避難するためにも、事前にマニュアルを作成して学校全体で共有しましょう。
マニュアルには、具体的に災害種類別の対応手順、避難経路、避難場所、役割分担などを記載します。マニュアルは定期的に見直し、必要に応じて更新することも大切です。少しでも「想定外の事態」を減らし、より効果の高い防災対策を講じていきましょう。
3.身の回りをきれいにしておく
整理整頓は単なる美化活動ではなく、重要な防災対策の一つです。災害時に散乱した物は、避難の妨げになるだけでなく二次災害の原因にもなりかねません。日頃からデスクなど身の回りは整理整頓しておきましょう。
デスクをきれいにするポイントは、以下の記事でまとめています。
関連記事: 職場のデスクをきれいにする5つのポイント!デスク周りが汚い人の特徴とは?
教室や職員室では不要な物を置かない、書類や教材をきちんと収納するなどルールを決めておくのもおすすめです。
4.動きやすい靴を用意しておく
仕事中は、革靴やヒールを履く先生も多いでしょう。しかし、いざというときは動きやすいスニーカーや運動靴が有効です。職場のロッカーやデスクの下に置いておくとよいでしょう。
靴は長時間の避難や活動に耐えられるよう、履き慣れた物が望ましいです。また靴底が厚いタイプを選ぶと、散乱したガラスや物が散らばっている道でも安全に動けます。
非常食の備蓄に最適なローリングストックのすすめ
備蓄グッズに欠かせない非常食ですが、いざ災害が発生したときに期限が切れていては意味がありません。また準備が面倒で、つい後回しにしている先生もいるのではないでしょうか。そこで注目されているのが、ローリングストック法です。ここでは具体例や、おすすめ食品を解説します。
定期的に消費して買い足す方法
ローリングストック法とは、普段から少し多めに食品を買い置きし、古い物から消費して新しい物を補充していく方法です。これにより、常に一定量の食糧を新鮮な状態で維持できます。ポイントは、定期的に消費と補充を繰り返すこと。
少しずつ買い足せば、一度に大量の食品を購入する必要がありません。また賞味期限が切れる前に消費できるため、無駄な廃棄も防げます。災害時に備えつつ、日頃の生活にも活かせる便利な方法といえるでしょう。
おすすめ食品
ローリングストック法に適しているのは、長期保存が可能かつ日常的に使用できる食品です。また栄養バランスも考えなければなりません。バランスよく用意しておきましょう。おすすめは以下のとおりです。
- ごはんやパンなどの主食
- 魚や肉類などの缶詰
- レトルト・フリーズドライ食
- お菓子
- 飲料水
基本的には、開けてすぐ食べられる物をストックしましょう。また災害時はストレスが溜まりやすくなるため、普段食べ慣れている物を備蓄しておくのもおすすめです。
知っておくと大活躍!被災時に役立つ豆知識7選
災害時には、どのような事態が発生するかわかりません。備蓄はもちろんですが、柔軟に対応できる術を知っておくとよいでしょう。ここでは、被災時に役立つ豆知識を7つ紹介します。
- 水を入れたペットボトルと懐中電灯でルームライトに
- 蓄光シールを貼れば避難ルートを把握しやすくなる
- 新聞紙とビニール袋を組み合わせれば食器に
- 段ボールは保温・防音に有効な優秀アイテム
- 地震が収まってもすぐに外へ出るのは危険
- 大きめサイズのハンカチは感染症対策でも活躍
- 小銭は多めに持っておくと便利
それぞれ見ていきましょう。
1.水を入れたペットボトルと懐中電灯でルームライトに
停電時に役立つのが、水を入れたペットボトルと懐中電灯を使った簡易的なルームライトです。懐中電灯の光を上向きにし、ペットボトルを乗せると光が拡散され部屋全体を明るく照らせます。
2.蓄光シールを貼れば避難ルートを把握しやすくなる
停電時、真っ暗な状態で避難するのは危険です。そのようなときに役立つのが、蓄光シールです。あらかじめ避難経路に蓄光シールを貼っておけば、暗闇でも避難経路を把握しやすくなります。
廊下や階段など、足元が見えにくい場所に貼ると効果的です。また非常口や消火器の位置にも貼っておくと、緊急時でもすぐに見つけられますよ。
3.新聞紙とビニール袋を組み合わせれば食器に
被災時は、食器の不足が考えられます。そのようなときは、新聞紙とビニール袋を組み合わせれば使い捨ての食器ができます。作り方は新聞紙をお皿の形に整え、ビニール袋をかぶせればOK。
ビニール袋が防水の役割を果たしてくれるため、汁物にも使えますよ。使い捨てなので、水の節約にも役立つでしょう。
4.段ボール保温・防音に有効な優秀アイテム
被災時、段ボールは多目的に使える優れた素材です。保温性や防音性が高く、避難生活において大きな助けとなるでしょう。たとえば、割れた窓に貼ることで寒さを防ぎ、プライバシーも守ることができます。
また避難所では仕切りとして使うことで防音対策になりますし、段ボール箱を組み合わせて簡易的なベッドやテーブルを作ることも可能です。
5.地震が収まってもすぐに外へ出るのは危険
地震が収まっても、すぐに外へ出るのは危険です。余震や建物倒壊の危険性があるため、しばらくは安全な場所で待機しましょう。またガス漏れや、火災の危険もあります。慌てて外へ飛び出すことはせず、揺れが収まったら火を消して窓を開けるなど、安全確認をしましょう。
6.大きめサイズのハンカチは感染症対策でも活躍
災害時は、衛生環境の悪化により感染症のリスクが高まります。そこで持っておくと便利なのが、大きめサイズのハンカチです。手洗い時の水拭きに使えることはもちろん、マスク代わりや傷口を覆う布としても役立ちます。普段から持ち歩くとよいでしょう。
7.小銭は多めに持っておくと便利
被災時は、クレジットカードや電子マネーが使えなくなる恐れもあります。そのため、小銭を多めに持参しておくと便利です。小銭があれば自販機や公衆電話の利用など、思わぬところで役立つため、日頃から財布に多めの小銭を入れておくとよいでしょう。防災リュックにも、小銭を準備しておくと安心です。
まとめ
防災月間は防災に関する知識を学ぶだけでなく、災害に対する備えを具体的に進めるための大切な期間です。防災グッズの点検や避難経路の確認など、一人ひとりができることから始めていきましょう。災害はいつ起こるかわかりません。日頃から防災意識を持ち、万が一に備えることが、自分自身を守ることに繋がります。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課