学校生活を過ごすうえで、レポートや小論文など文章を求められる機会は多々あります。しかし書き方の基本を充分に学んでおらず、苦手意識を持つ学生も少なくありません。
就職試験では作文の提出を求められるケースもあるため、学生には早い段階で文章力を身につけてほしいですよね。とはいえ授業のカリキュラムに組み込まれておらず、どのように教えるべきか悩む先生もいるのではないでしょうか。
本記事は就活時の作文試験にフォーカスし、書き方の基本をまとめました。5つのコツや例文も紹介しているので、学生へのアドバイスや指導にお役立てください。
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目次
なぜ就活で作文が必要?企業側の3つの意図
なぜ企業は、就職試験で作文の提出を求めるのでしょうか。主な意図は3つあります。
- 学生の人柄や価値観を知りたい
- 企業とマッチする人材か知りたい
- 文章力を知りたい
それぞれ解説します。
学生の人柄や価値観を知りたい
企業は、作文を通して学生の人柄や価値観を知りたいと考えています。たとえば「学生時代に力を入れたこと」というテーマで作文を書かせた場合、学生がどのような分野に興味を持ち、どのように目標へ向かって努力してきたのかを把握できるでしょう。
「社会人として大切にしたいこと」というテーマで作文を書かせた場合は、学生の社会に対する考え方や価値観を理解するのに役立ちます。また言葉遣いや言い回しである程度、人柄を読み取ることも可能です。
企業とマッチする人材か知りたい
企業は、入社後のミスマッチを避けたいと考えています。魅力的な人材を採用できたとしても、相性が合わなければ本来の力を発揮してもらうことはできません。早期離職に繋がる恐れもあるでしょう。
作文を通して「企業理念に理解を持っているか」「どのように貢献したいのか」など、働くことに対する姿勢を把握してマッチする人材かを見極めようとしています。
文章力を知りたい
ビジネスシーンにおいて、会議資料の作成やメールのやりとりなど文章を書く機会は多いです。しかし、面接時の会話だけでは文章力を試すことができません。そこで作文を通して「自分の考えを明確に伝えられるか」「論理的に文章を構成できるか」といった点を見極めようとしています。
文章力は仕事の進め方にも大きく影響するため、事前に把握しておくことが企業にとって重要です。正しい日本語を使えているか、読みやすい文章を書けているかなどは評価の対象になるでしょう。
就活の作文でよく出題される4つのテーマ
就職試験で出題される作文テーマは、企業によって異なります。事前に傾向を知っていれば、スムーズに書き進められるでしょう。ここでは出題されやすい4つのテーマを解説します。
- 過去の体験・エピソード
- 企業に関すること
- 社会情勢
- 未来の目標・理想
それぞれ見ていきましょう。
1.過去の体験・エピソード
過去に関するテーマは、学生の経験を通して人柄や価値観、何を学びどのように成長したのかを知るために出題されます。たとえば以下のようなテーマです。
- 学校生活で頑張ったこと
- 価値観が変わったエピソード
- 一番悔しかった体験
大切なのは単に出来事を羅列するのではなく、経験が自身にどのような影響を与えたのかを深掘りして書くことです。価値観が合うと感じてもらえるよう、志望企業の理念を把握したうえで内容を考えるとよいでしょう。
2.企業に関すること
企業に関するテーマは、学生が企業に対してどれだけ理解を深めているか、入社意欲があるかを評価するために出題されます。たとえば以下のようなテーマです。
- 入社後に挑戦したいこと
- 企業に貢献できることは何か
- 業界のこれからについて
企業の方針や目指しているビジョンに沿って自分の目標や考えを書くことがポイント。志望企業や関連業界に関しては、徹底的にリサーチしておきましょう。現時点で努力していることも盛り込むと、熱意をアピールできます。
3.社会情勢
社会に関するテーマでは、学生が社会に対してどのような関心を持っているか、将来どのようなキャリアを築きたいかを評価するために出題されます。たとえば以下のようなテーマです。
- 最近気になるニュース
- 年金問題について
- AI発展について
事前に具体的なテーマが提示されている場合は、リサーチする時間もあるため書きやすいでしょう。しかし、当日にテーマが発表されるケースもあります。そのため日頃からニュースをチェックして、自分なりに考えをまとめておくのがおすすめです。
4.未来の目標・理想
未来に関するテーマは、学生が将来に対してどのようなビジョンを持っているかを評価するために出題されます。たとえば以下のようなテーマです。
- 将来の夢
- 理想の社会人像とは
- 10年後の自分
未来に関するテーマで作文を書く際は、目標を掲げるだけでなく実現するために必要な努力や具体的な計画などを書き出すことがポイントです。早い段階で、将来の目標やキャリアビジョンを明確にしておくとよいでしょう。
就活の作文もこれで安心!覚えておきたい10の基本ルール
就活時に求められる作文は、内容だけでなく正しく読みやすい文章が書けているかも評価の対象です。ここでは押さえておきたい10の基本ルールを解説します。
- 文字数指定の8割以上を埋める
- タイトルと内容を一致させる
- 誤字脱字に注意する
- 文体は統一する
- 字は丁寧に書く
- 主張は言い切り型で
- 一文一義を意識する
- 適度に段落を入れる
- 主語と述語のねじれに注意する
- 時間配分を考える
それぞれ解説します。
1.文字数指定の8割以上を埋める
就活時の作文では多くの場合、文字数制限が設けられています。指定された文字数に満たない作文は、内容が不十分と判断される可能性も。最低でも指定文字数の8割以上を埋めるように心がけましょう。
2.タイトルと内容を一致させる
どんなに素晴らしい内容でも、タイトルと一致していない場合は意図を理解していないと捉えられて、評価が下がる恐れがあります。作文を書き終わったら、提出前にタイトルと内容が一致しているか確認しましょう。
3.誤字脱字に注意する
誤字脱字が多いと「注意力が足りない」「仕事もミスが多そう」という印象を与えかねません。作文を書き終わったら、必ず読み返す癖をつけましょう。細かいミスを見落とす可能性もあるため、2回読み返すのがおすすめです。
4.文体は統一する
作文は、始めから終わりまで文体を揃えて書くのが一般的です。「です・ます調(敬体)」または「だ・である調(常体)」のどちらかを選び、一貫性を持たせましょう。文体が統一されていると読みやすさが増し、内容も伝わりやすくなります。
5.字は丁寧に書く
時間がないからといって走り書きのような字を書くと「いい加減な人」という印象を与えかねません。字が下手でも相手が読むことを考えながら丁寧に書くことで、企業側の印象アップに繋がります。
6.主張は言い切り型で
主張したいことがある場合は「〜だ」「〜です」など、言い切り型で書きましょう。主張を伝えたい部分で「〜だと思います」では、曖昧で自信のない印象を与えやすくなります。言い切りの表現で、自分の考えや思いを伝えましょう。
7.一文一義を意識する
一文一義とは、1つの文章に1つの情報だけ書くことです。1つの文章に複数の情報を入れると、内容が複雑になりがち。結果的に、本来の意図が読み手に伝わらない恐れがあります。
一文一義を心がけて文章をシンプルに保つことで、より明確に自分の考えを伝えられるでしょう。長くなりそうな場合は、文章を2つに分けるのもおすすめです。
8.適度に段落を入れる
段落がなく文字が詰まった状態で書かれている文章は、読み手に大きな負担を与えます。読みやすさを意識して、適度に段落を入れましょう。まとまりごとに段落を入れることで、内容が分かりやすくなります。
9.主語と述語のねじれに注意する
文章における「ねじれ」とは、文中で主語と述語が意味的に一致しない、または文章が不自然な状態を指します。
たとえば「私の日課は、毎朝本を読みたい」という文章は、主語の「日課は」に対して「読みたい」という述語になっており、違和感を与えるねじれ文です。毎朝本を読んでいるのか、それとも読みたいという願望なのか意味がわかりづらいですよね。
毎朝本を読んでいることを伝えたい場合は「私の日課は、毎朝本を読むことだ」に修正するとよいでしょう。
10.時間配分を考える
就職試験における作文は、事前提出と会場執筆の2パターンあります。会場執筆の場合は制限時間が設定されているケースが多く、時間内に書き終わるよう時間配分も考えなければなりません。
制限時間は企業によって異なるため、志望企業の試験情報を事前にリサーチしておきましょう。
就活の作文で原稿用紙を用いることも!縦書きならではの5つの基本
就職試験に作文が出題される場合、原稿用紙を使った手書きの提出を求められるケースもあります。しかし、普段から使い慣れていないと本番で混乱して、本来の力を発揮できないかもしれません。押さえておきたい基本は、次の5つです。
- 原稿用紙は1枚400文字
- 題名は1行目の上を2~3文字あけて書く
- 段落の書き始めは1マスあける
- 句読点も1文字につき1マス使う
- 縦書きなら数字は「漢数字」で書く
それぞれ解説します。
1.原稿用紙は1枚400文字
一般的に原稿用紙のサイズはA4で、1枚あたり400文字です。つまり、文字数制限800文字の作文を書く場合は、原稿用紙2枚分が目安となります。
2.題名は1行目の上を2~3マスあけて書く
最初に記載する題名は、1行目の上を2〜3マスあけて書きましょう。2行目に書く名前は、下が1〜2マスあくように書くのが一般的です。また、姓と名の間は1マスあけて書きましょう。
3.段落の書き始めは1マスあける
本文の書き始めは、1マスあけましょう。また改行して新しい段落にする場合も、1マスあけて書き始めるのが基本です。これによって内容のまとまりが明確になり、読みやすい作文になります。
4.句読点も1文字につき1マス使う
「。」や「、」などの句読点も、文字と同じように1マス使います。書く位置は、真ん中ではなくマス目の右上が基本。ただし、行の初めに句読点は書けません。
句読点を書くマス目がない場合は、最後のマス目に書く文字と一緒に書きましょう。その際は、句読点を文字の右下に書きます。または最後のマス目の下(欄外)に書いてもOKです。
5.縦書きなら数字は「漢数字」で書く
たとえば「3人で行動した」という文章を書く場合は「三人で行動した」と記載します。「2024年」など西暦を表記する場合は「二〇二四年」です。
ただし例外として、固有名詞は漢数字に直さず算用数字を使います。算用数字の入っている本や映画のタイトルを作文内に記載する場合は、そのまま書きましょう。
就活時の作文をスムーズに書くための3ステップ
作文を書き慣れていない場合、原稿用紙を目の前にして手が止まるケースも多いでしょう。ここでは、就活時の作文をスムーズに書くための2ステップを解説します。
- テーマについて書きたいことを箇条書きにする
- 「序論・本論・結論」で文章を書く
- タイトルを最後に書く
それぞれ見ていきましょう。
テーマについて書きたいことを箇条書きにする
いきなり文章を書き始めるのは難しいもの。まずは、テーマについて伝えたいことを箇条書きにしましょう。たとえば「最近気になるニュース」というテーマの場合、以下について書き出していきます。
- ニュースの概要
- 気になった理由
- 社会にどのような影響を与えるか
- 感じたこと
- 自分にできること
- 志望企業との関連性
箇条書きにすると、頭の中を整理しやすくなるのもメリット。書き出したら、メインで伝えたいことを決めましょう。伝えたいことが明確になると、説得力のある文章を書きやすくなります。
「序論・本論・結論」で文章を書く
書く内容がイメージできたら、構成を決めて文章を書き進めていきます。おすすめは「序論・本論・結論」の三段構成。序論は本論への導入部分、本論は読み手に一番伝えたい部分、そして結論は全体のまとめとなります。
書き進める際は、本論→序論→結論の順で書くのがおすすめ。もっとも伝えたい部分の本論を明確にすることで、流れの良い序論と結論を書きやすくなります。
タイトルを最後に書く
作文の1行目にタイトルを記載しますが、実は後回しにする方が効率的。その理由は、タイトル案を考えている間にも時間が過ぎていくからです。
特に会場執筆の場合は制限時間が設定されているため、1分1秒を大切にしなければいけません。まずは本文を書き終えることを優先し、読み返しながらタイトルを考えましょう。
なお、タイトルは作文の顔となる要素です。たとえば「学生時代に頑張ったこと」「私が理想とする社会人」のようなシンプルなタイトルだと、人事担当の興味をひくのは難しく、ほかの作文に埋もれてしまうかもしれません。
「学園祭の企画責任者を担当して学んだ3つのこと」「新入部員数を例年の2倍に〜変化を恐れず挑戦したサークル活動〜」など、作文の内容がひと目でわかり、なおかつユニークなタイトルをつけるとよいでしょう。
就活の作文で落ちないためのコツ5選
履歴書や面接の印象が良くても、作文が原因で落とされるケースはあります。企業に好印象を与える作文を書くためのコツは、次の5つです。
- 企業の意図を理解する
- 具体的なエピソードを入れる
- PREP法を意識する
- 嘘や脚色はしない
- 書き出しに工夫を持たせる
それぞれ解説します。
1.企業の意図を理解する
作文を書き始める前に、企業が何を知りたいのか理解することが重要です。企業は学生の専門知識だけでなく、問題解決能力やチームワーク、倫理観などを見ています。企業の意図を見極め、それに沿った内容を書くように意識しましょう。
たとえばリーダーシップに関する質問であれば、リーダーを務めた事実を挙げるだけでなく、その経験がいかに自己成長へ繋がったか、困難をどのように乗り越えたかといった点を入れるとよいでしょう。
2.具体的なエピソードを入れる
抽象的な自己分析や価値観の説明だけでは、人柄や価値観は企業に伝わらないでしょう。ほかの就活生と差別化もできません。
たとえば「私はチームワークを大切にしている」という主張をしたいなら、チームで協力して困難なイベントを成功に導いたエピソードを入れることで説得力が増すでしょう。その際、自分がどのような考えで役割を果たし、問題解決にアプローチしたのか明確に示すことで強みをアピールできます。
3.PREP法を意識する
PREP法とは、説得力ある文章を作成するための手法です。具体的には、4つの要素で構成されています。
- Point (結論):結論を述べる
- Reason (理由):結論に至った理由を説明する
- Example (具体例):説得力をもたせるための具体例を挙げる
- Point (結論):再び結論を述べる
上記の構成に沿って書けば、わかりやすくて理論的な文章をスムーズに書けます。就職試験の作文に限らず、ビジネスシーンでも役立つので覚えておくとよいでしょう。
4.嘘や脚色はしない
企業は、作文を通して学生の正直な姿を知りたいと考えています。そのため、自分を大きく見せようと嘘や脚色をするのはNG。
面接で作文の内容について聞かれた際、詳細に答えられなかったり矛盾点が生じたりすれば、企業に不信感を与える可能性もあります。経験や考えは正直に書きましょう。
5.書き出しに工夫を持たせる
企業側は、同じテーマで書かれた作文を何枚も読むことになります。ありきたりな内容では、ほかの就活生が提出した多くの作文に埋もれてしまうでしょう。企業の印象に残るためには、書き出し(序論)を工夫して差別化を図るのがポイントです。
序論では主張したい内容を簡潔に書くのが基本ですが、単に結論を書くのでは差別化を図れません。読み手を惹きつける一文を入れてみましょう。たとえば「○○の方法が有効とされているが、それで本当にチームはまとまるのだろうか。私は○○が大切だと考える」のように、結論の前に問題提起を入れるのも一つの方法です。
インパクトのある言葉を序論に入れることで、ほかの就活生よりも強い印象を与えられるでしょう。
【就活時の作文】指定文字数800文字の例4つ
最後に、出題されやすいテーマを使った4つの作文例を紹介します。
- 「学生時代に頑張ったこと」がテーマの作文例
- 「志望動機」がテーマの作文例
- 「最近気になるニュース」がテーマの作文例
- 「どのような社会人になりたいか」がテーマの作文例
それぞれ見ていきましょう。
1.「学生時代に頑張ったこと」がテーマの作文例
「学生時代に頑張ったこと」がテーマの場合、具体的なエピソードと経験から得たことを記載しましょう。伝えたい内容は多くあるかもしれませんが、一つに絞るのが基本です。
【例文】
学生時代、私が最も力を注いだのは学園祭の企画と運営です。年に一度の大イベントを通じ、私は計画性やチームワーク、困難に立ち向かう勇気を学びました。特に文化部門の企画責任者として、さまざまな挑戦に直面しながらも最終的には大成功を収めることができたと感じています。
学園祭は華やかなイベントですが、その裏側には無数の試行錯誤と献身的な努力があります。私が担当した年のテーマは「世界の文化を巡る旅」でした。目標は、来場者に世界各国の文化を体験してもらうこと。しかし、実現には多くの障壁があったのです。企画段階から、さまざまな文化をどのように紹介するかでメンバー全員が頭を悩ませました。
たとえばアフリカ文化を紹介するブースでは、現地の食材を用意するのに苦労しました。また、ダンスパフォーマンスを予定していた南米チームは、直前で主要メンバーがインフルエンザでダウンするアクシデントに見舞われました。
しかし、これらの困難は私たちの団結力を高めるきっかけとなったのです。アフリカ文化のブースでは日本の食材で代用するアイデアが生まれ、南米チームのパフォーマンスではほかのメンバーが急ピッチで練習を重ね、予定通りのパフォーマンスを披露できました。
学園祭の運営を通じ、私は計画性だけでなく柔軟な対応力や困難に立ち向かう勇気も身につけることができたと感じています。最終的には来場者から大きな称賛を受け、学園祭は大成功に終わりました。この経験から学んだことは私の人生においても、これからの社会人生活においても大きな財産です。社会人になってもチームワークを大切にし、困難があっても果敢に立ち向かっていきます。
2.「志望動機」がテーマの作文例
「志望動機」がテーマの作文では企業が求める人材像を理解し、それに沿った内容で書くのがポイントです。志望理由にきっかけとなる経験があるなら、それも絡めて書くと説得力が増すでしょう。
【例文】
私が貴社を志望しているのは「真実を伝え、人々の生活を向上させる」という貴社の理念に共感し、言葉の力で社会に貢献したいという強い想いがあるからです。
情報化社会が進む現代において、私たちは日々膨大な情報に囲まれています。しかし、なかには真偽不明なものや偏った情報も少なくありません。そのような状況下で真実を伝え、人々に多角的な視点を提供することは、社会にとって不可欠な役割であると考えています。
言葉が持つ力に魅せられたのは、高校時代のことです。校内新聞の編集委員として活動していた私は、いじめ問題に関する記事を執筆しました。記事の内容は、学校側の対応に問題があったことを指摘するものでした。記事が掲載されたあと、学校側は問題を真摯に受け止め改善策を講じました。この経験を通して、言葉は人を動かし社会を変える力を持っていることを実感しました。
貴社は「真実を伝え、人々の生活を向上させる」という理念のもと、長年にわたって報道機関として社会に貢献し続けてきた企業です。特に近年注力しているデータジャーナリズムは、客観的なデータに基づいた報道によって真実への深い理解を可能にします。私は革新的な手法を使って、人々の心を動かすような報道番組を作りたいと考えています。
具体的には、社会問題をテーマにしたドキュメンタリー番組の制作に携わりたいです。たとえば、データに基づいた客観的な視点を持ちつつ人の温かさを加えて視聴者に問題の本質を理解してもらい、行動を起こすきっかけとなる番組を作れたらと考えています。
貴社であれば、最先端の技術を学びながら社会に貢献できるような番組を作成できると確信しています。常に向上心を持って努力を続け、貴社に貢献できる人材になるべく努力する所存です。
3.「最近気になるニュース」がテーマの作文例
「最近気になるニュース」がテーマの作文をスムーズに書くためには、日頃のニュースチェックが大切です。内容を理解するだけではなく、自分なりの考えもまとめておきましょう。選んだニュースの内容が志望企業と関連することであれば、志望動機に繋げることもできます。
【例文】
私が最近気になっているニュースは「2025年問題」です。2025年には団塊の世代が75歳以上となり、日本社会はかつてない超高齢化社会を迎えます。このニュースが示唆するのは単に社会構造の変化ではなく、私たち一人ひとりの生活に迫り来る大きな課題です。
この問題を考える際、私は祖父との時間を思い出します。祖父は認知症を発症して日常生活に支障が出始めた頃、介護施設に入所が決まりました。慣れない環境に不安を感じ、家族も寂しさを感じながら見送りました。そんな私たち家族と祖父に、施設のスタッフの方々は温かく寄り添ってくださったのです。おかげさまで祖父は徐々に笑顔を取り戻していくことができ、私たちも安心して祖父を預けられました。
この経験から、私は介護施設の重要性を実感しました。高齢者が安心して暮らせる場所を提供することは、生活を支えるだけでなく人生の希望を灯すことにも繋がるのです。
貴社は「一人ひとりの尊厳を尊重し、自立した生活を支援する」という理念に基づいて、介護事業を展開しています。この理念に共感し、私も貴社の一員として高齢者の生活を支え、人生を豊かにする仕事に携わりたいと考えました。
貴社であれば、経験豊富なスタッフの方々から学びながら専門的な知識と技術を身につけることができます。また最新の介護技術や設備を導入し、常に質の高いサービスを提供している点にも魅力を感じています。
私は、常に向上心を持って努力を続け利用者に寄り添い、心身ともに安心して過ごせる環境を提供できるような介護職員になりたいと考えています。高齢化社会が進むなかで、貴社とともに誰もが輝く未来を築いていきたいです。
4.「どのような社会人になりたいか」がテーマの作文例
「どのような社会人になりたいか」がテーマの場合、自分の目標を企業の方針や価値観に合わせて書くことが大切です。社内で活躍している姿を、企業からイメージしてもらえるように意識して書きましょう。
【例文】
私は「変化を恐れず、常に挑戦し続ける人」になりたいです。社会は常に変化しています。昨日まで通用していた方法が、明日には通用しなくなることも少なくありません。たとえばAIやIoTなどの技術革新は、私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらし続けるでしょう。
そのような時代に生き抜くためには、変化を恐れず常に新しいことに挑戦し続けることが重要です。変化をチャンスと捉えて積極的に新しい知識やスキルを学び続けることで、自身の成長だけでなく組織の活性化にも貢献できる人材になりたいと考えています。
私は学生時代、テニスサークルに所属していました。当時、サークルは部員不足と内容のマンネリ化に悩まされていました。このままではサークルが存続できないという危機感を持った私は、新入生勧誘の企画立案と実行に携わることを決意します。
従来のチラシ配布に加え、SNSを活用した情報発信や体験イベントの開催など、新しい取り組みを複数試みました。思うように成果が出ず、心が折れそうになったこともあります。しかし、結果的に新入部員を例年の2倍に増やすことに成功。サークル活動も今まで以上に活発化しました。
変化はときに不安や恐怖を伴います。しかし、変化を前向きに捉えて楽しむことができれば、それは成長の糧となることを学びました。積極的に新しいことへ挑戦すれば、これまでには見えなかった新しい世界が見えてくることもあります。選択肢も広がるでしょう。
変化を楽しみながら成長し続けるために、私は「高い学習意欲」「柔軟な思考」「積極的な行動力」の3要素が重要だと考えています。理想の社会人像に向かって常に向上心を持って努力し、企業に貢献できる存在になりたいです。
就活における作文についてよくある質問
作文についてよくある質問と、それぞれの回答をまとめました。
Q.「だ・である調」と「です・ます調」のどちらで書くべき?
文体はどちらでも問題ありません。ただし、企業側から指定がある場合はそれに従う必要があります。
また「だ・である調」か「です・ます調」で文章を統一しましょう。混在すると文章が読みにくくなり、評価も下がってしまいます。
Q.何字くらいを目安にすればよい?
指定文字数の8割以上を埋めましょう。400字指定なら320字以上、800字指定なら640字以上が目安になります。
「◯◯文字程度」と抽象的な指定もありますが、この場合は±10%以内に抑えることが好ましいです。
Q.400〜800字の作文は何分ほどで書ける?
就活の作文の制限時間は40〜60分程度が標準的です。そのため、時間配分を意識して記述しなければいけません。
具体例が以下のとおりです。
- 内容の整理:10〜15分
- 本文の記述:20〜30分
- 見直し:10〜15分
練習の際、時間を計測しながら執筆するのもおすすめです。執筆スピードに個人差があるので、事前に把握しておくとよいでしょう。
まとめ
学生の人柄や熱意を評価する材料の一つとして、重要視される作文。面接や履歴書が良くても、作文の印象が悪ければ就職試験に落ちてしまう可能性もあります。自分の思いを上手に伝えられるよう書き方のポイントを学生に共有し、スムーズな内定獲得をサポートしましょう。
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