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TOP教育公務員【公務員試験】面接試験突破力アップ!合格率を上げる職種研究の重要性

【公務員試験】面接試験突破力アップ!合格率を上げる職種研究の重要性

2023.09.08 (最終更新:2023.12.12) 公務員 教務情報

連載公務員試験合格への道しるべ

公務員試験は自治体によって受験内容が大きく変わります。そのため戦略立てて授業や課題を実施していく必要があります。この戦略を正しく立てるには、公務員試験の情報を正しく知ることが大切。本連載では公務員試験にまつわる「知って得する情報」や「合格へのノウハウ」を、豊橋創造大学公務員試験支援センターの伊藤先生が教えてくれます。

秋が近づくにつれて、面接試験の練習をする機会が増えていきます。
言い換えますと、「職種研究が足りていませんよ。」と学生に言う機会が増える時期でもあります。
どうしたら学生それぞれが願う職に対して、熱意や適性があることを伝えられるのでしょうか。

今回は面接試験の合格率を上げるために、職種研究をどう行なったらよいかをまとめていきます。

前回記事:【公務員試験】学生が知っておきたいSPI対策!違いや勉強方法など

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公務員試験における職種研究の重要性

面接対策を行う際に職種研究をすることは最も重要なことになります。まずは、職種研究の重要性について述べていきます。

この文章では職種=公務員の職種と考えて使用していきます。民間就職の場合は職種と言えば事務職、営業職などですが、本文では、警察官、消防官、税務職員、市役所職員などの職種を指しますので承知していただき読み進めてください。

面接試験で測る能力とは

面接対策で練習する内容の基本は、以下の項目だと言われています。

①志望動機
②自己PR
③最近気になったニュース
④学生(生徒)時代頑張ったこと
⑤3年後の自分
⑥趣味について
⑦なぜ今の学校を選んだのか

ただ、こうした質問に対する答えを場当たり的に作るのでは面接の回答に深さがなくなってしまいます。
答えに深みがあることが高評価につながります。
公務員試験の面接は質問を通して「意欲的」「積極性」「論理性」などを測ります。
回答に深みがあることでこれからの評価は上がりますし、印象も良くなります。

なぜなら、深みのある回答は「自分で考えた回答」であり「やる気のある回答」という印象を相手にもたらすからです。

逆に言えば、深みのない回答は「誰かが考えた答え」ではないかと疑われ、評価が低くなっても仕方がないです。

面接試験突破の秘訣は職種研究にあり

では、面接で深みのある回答を作り出すためには何が必要なのでしょうか?

その答えが、職種研究がどれだけできているかにかかっているのです。
面接練習をする前に、

「あなたの○○という仕事に向いている部分を答えてください」

という質問をしてみてください。
この質問は職種研究が出来ていないと答えられません。
もし、先生方のもとに面接希望者が訪ねてきたらまずはこの問いかけをしてみてください。

合格率を上げる職種研究の方法

面接練習を始める前に、学生に①自分を知る ②社会を知る ③仕事を知るの3つをしてもらってください。

①から③の分析が揃うことになって職種研究をすることができ、自分自身と職種の関係を把握することができます。

それぞれ説明していきます。

1.自分を知る

自己分析は、職種研究のはじめの一歩です。その仕事に自分のどの部分が向いているのか、自分の特徴をどう、仕事に活かすことができるのかを知っておくことは大変重要だからです。

難しい作業ですので自分を知るための方法を挙げてみます。

自分史を書いてみる

自分史とは、文字通り「自分の歴史」のことです。

自分がこれまでの人生で何をしてきたのか、何を考えていたのかといった項目を書き出した自分史を作ることで、客観的に自分を見つめ直すことができ、自分の強みや弱みを再認識できます

縦軸に小学校から現在の学校までを、横軸に「出来事」「行動」「感じたこと」「身についたこと」をとります。

ここに、箇条書きでもよいのでそれぞれ書き出していってもらいます。
自分史は、これまでの人生で印象的な出来事があまり思い浮かばない人や、自分のことを人に話すのが苦手な人にオススメです。

身近な人に自分について聞いてみる

保護者、兄弟姉妹、友達などの身近な人と話してみるのも、自己分析の1つの手段です。
自分では忘れていたエピソードが出てきたり、他の人からの自分の印象を聞いたりすることで、自分を客観的に見られる良い機会です。

その他にも、ゼミや授業の先生、普段お世話になっている学校の職員の方などに聞いてみると、また違った視点での意見がもらえます。
キャリアセンターの職員に聞いてみるのも良いでしょう。

自分を客観的に見つめることによって、単に「憧れで」その職種を選んだのではなく、自分に適職だから選んだということを主張することができるようになります。

2.社会を知る

説得力のある自己PRや志望動機を用意するためには、その職種が社会の中で果たす役割や求められていることを理解することが大事です。
それがわかれば、そこで求められている素養なども予想することができるでしょう。
その結果、「自分にはその素養が備わっている」と論理的にアピールする自己PRを考えられるようになるのです。

また、そこで実現できることと、自分が社会に出てから成し遂げたいことが一致すれば、論理的で説得力のある志望動機を用意できます。
例えば令和4年警察白書にはこのような文章が掲載されています。

第1節 技術革新に伴う現代社会における脅威 1 先端技術等の悪用により深刻化する現代社会における脅威と対策 近年の技術革新は、様々な面で国民生活の利便性を向上させている一方、犯罪者やテロリスト等が先端技術等を悪用することにより、サイバー空間における脅威は極めて深刻な情勢となっているほか、新たな手法・形態によるテロ等が発生する懸念も生じさせている。

令和4年警察白書第一部特集 技術革新による社会の変容と警察の新たなる展開 より

警察官という職種は今までの仕事に加えて技術革新にも対応することを社会から求められていることがわかります。
それに対応できる部分が自分にないか確認してみることは大変重要で、志望動機や自己PRの内容に大きな影響を与えます。

3.仕事を知る

その職種の仕事内容は、将来の自分の仕事に対する積極性をアピールするためにも知っておくべきことになります。
各ホームページを参考にしてまとめていくことが大事です。

憧れや思い込みから仕事内容を間違って理解している場合もあります。
この機会に客観的な視点で見つめなおすことは重要です。

警察官を例に挙げれば、
「警察官は、私たちの生命、身体、財産などを、犯罪や事件、事故などから守るという、非常に重要な社会的役割を担っています。その役割をまっとうするために、逮捕権や拳銃の使用など、ほかの職種にはない強力な権限が多数与えられているのも特徴です。」
という感じにまとめることができるのではないでしょうか。

多数の権限が与えられていることはこの仕事の大きな外観上の特徴でもあります。
その権限を自分が行使する人材としてふさわしいのか考えてみる必要はありますよね。

まとめ

上記を知ることによって職種研究は厚みを増し自己PRや志望動機もより、採用する側から見て違和感のないものになっていくと考えられます。
こうした作業は1次試験を合格してからでは遅いです。
ぜひ、1次試験対策が落ち着いたり、行き詰まったりしたときにチャレンジしてみてください。

そして、面接練習は教員一人でなく、複数の教員が面接官役をしてください。
複数の先生を相手にすることにより緊張感も増しますし、面接回答に対する切り返しも異なってきますから経験値も増していくと考えられます。
ぜひ、お試しください。

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連載「公務員試験合格への道しるべ」
全ての記事はこちらでご覧いただけます。

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この記事を書いた人
伊藤 圭一

伊藤 圭一

豊橋創造大学短期大学部 教授
豊橋創造大学公務員試験支援センター長
公務員別科長

話すこと、相手にわかってもらうことが大好きで教員の道を目指す。
大学院修了後(教育学修士)、専門学校教員を経て現職。
楽しく授業をするのをモットーにして笑いのある授業を実践している。
特に授業の導入部分の面白さには定評があり、オンライン授業の際は「面白いよ」と学生が家族を誘って授業に参加させたこともあるほど。アクティブラーニングを軸とした授業が好評であり、教員向けの研修も担当している。
2022年度ベストティーチャー賞を受賞。

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