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【3】留学生の就活事情~コロナ禍で一変 留学生の就活レポート~

2021.06.30 (最終更新:2022.09.26) 記事 教務情報

連載withコロナ・afterコロナの就職活動最前線

2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大によって一変した就職活動。翻弄された学生たちや特に多大な影響を受けた業界の様子、afterコロナに向けた展望まで、就活支援や企業の社員研修に精通した川口先生が最前線からレポートします。

皆さん、こんにちは。
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、留学生の就職活動事情についてお話していきたいと思います。

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コロナ禍で一変 日本での就職を希望する留学生の苦境

36.4%――この数字は、マイナビ社の「2021年卒 マイナビ企業外国人留学生採用状況調査」で調査対象企が「21年卒の外国人留学生の採用状況」について「採用した(する予定)」と回答した割合です。

[マイナビ採用支援情報サイト サポネット]2021年卒 企業 外国人留学生採用状況調査

20年卒(35.8%)との比較では0.6ポイント増加とほぼ横ばいですが、18年卒(15.4%)から20年卒までに20.4ポイントも伸びていたことを考えると、積極的に外国人留学生を採用しようという機運の高まりがコロナ禍によって水を差された形ではないかと思います。

同社の「【外国人留学生対象】2021年卒外国人留学生就職モニター調査11月の活動状況」を見ると、外国人留学生の内々定率は2020年11月時点で18.0%となっています。
日本人学生の内々定率が最終調査の2020年8月時点で77.6%ですから、大きな差があります。

[マイナビ採用支援情報サイト サポネット]【外国人留学生対象】2021年卒外国人留学生就職モニター調査11月の活動状況

外国人留学生がこのような厳しい就職状況に置かれた理由としては、外国人留学生を対象とした合同企業説明会が中止になって企業との接触機会が少なくなったこと、インバウンド需要の激減による採用ニーズ減少、採用に力を入れてきた企業の業績の悪化などが考えられます。

日本学生支援機構の調査によると、2020年の外国人留学生数は27万9,597人です。

[日本学生支援機構]2020(令和2)年度外国人留学生在籍状況調査結果

そのうちの多くが日本での就職を希望しています。
就職に対する不安があっても、日本でスキルを磨きたい、語学力を活かして働きたい留学生が多数いるのです。

私も長らく留学生の就職活動を支援してきましたが、昨年から内定の壁を超えるのが本当に大変だと感じています。

留学生の就活 内定を得るコツ

留学生が内定をとるためのポイントは、2点あります。

1点目は、やはり日本語の能力です。
具体的には、日本語検定1級(N1)を取得すれば就職活動が有利になることは間違いありません。
少なくとも2級は取得できるよう、計画的に学習することが内定への足掛かりになると思います。

2点目は、早めの就職活動です。
これは日本人学生にも言えますが、自己分析や業界研究など、早く取り掛かることが大切です。
全般的に留学生は、日本の就職活動の仕組みを理解できていないことが多く、割とのんびりと構えている学生が多いです。
今後WEBでの就活が加速することも考慮すると、学校の十分なサポートが一層重要になると考えます。

不況でも別業界・別職種に切り替えられない留学生の特殊な就活事情

ここで、卒業後に就職が決まった2人の留学生の話をしたいと思います。

2人は日本語学校に2年間通ったあと、空港で働くグランドスタッフになることを夢見て専門学校のエアライン学科に入学し、日本人の学生と一緒に勉強に励む毎日を過ごしてきました。

就職に関しても、面接練習やエントリーシートを何枚も書いて準備をしていましたし、日本語の勉強も人一倍頑張っている姿を見てきました。

しかし、コロナ禍で航空業界の採用は全くありませんでした。


留学生が日本で就労するためには、厳しい決まりがあるのをご存知でしょうか。

そもそも外国人留学生は「留学」ビザで来日していて、働くことは禁じられています。
許可があればアルバイトは認められますが、週28時間以内の労働に限られます。
それを超過すると、強制退去、退学、内定取り消し……ということになります。

留学生が卒業後に日本で働くためには、「就労」ビザを取得しなければなりません。

この就労ビザですが、就く仕事が学校で学んだ分野と一致していないと取得が困難です。
したがって、エアライン学科で学んだ2人は、コロナ禍であっても他の多くの日本人学生のようにホテルや医療などに就職先を変更するということができないのです。


学費を稼ぐためにアルバイトをしながら、学校や日本語の勉強、就職活動とハードな日々を送ってきた2人。
就職活動の不安で眠れないと思い悩む相談も受けました。
就職が決まらずに卒業と同時に留学ビザが切れてしまえば、自国に帰らなければならないのです。
かかった学費は借金となってしまいます。

2人は就職活動を継続するため、最大1年の特別ビザを取得しました。

卒業の日を迎えた3月、まだ就職先が見つからない2人を心から笑顔にさせてあげることができないもどかしさを感じました。

それから3か月後。
空港の検疫所の求人が来ました。
真っ先に2人に紹介したところ、面接に合格し、見事採用となりました。
就労ビザも取得でき、晴れて就職が決まったのです。

彼女たちは日本に一生住みたいと話しています。
就労ビザでは自国の家族を呼ぶことができることにも大変喜んでいました。
卒業式の日に見られなかった満面の笑顔を見て、エールを送らずにはいられませんでした。

名古屋市内が一望できるレストランにてお祝い

6月。
新天地へ引っ越し、7月1日からは夢であった空港勤務が始まります。
いつの日か、グランドスタッフになれる日も近いと信じて。

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この記事を書いた人
川口 晴美

川口 晴美

元日本航空グランドスタッフ。在職14年の間、JAL「サービスの達人」社長賞や社内接客大賞「ホスピタリティ賞」受賞。全国各地の空港で指導教官として勤務。退職後、大学、専門学校の非常勤講師として客室乗務員やグランドスタッフを多数輩出。現在は、大学、専門学校(医療系、留学生)高校、NHK文化センターで教える。
オフィス川口を設立し、学生の就活サポート、各種検定、企業研修を手掛ける。サーティファイ認定会場。

オフィス川口HP
https://office-kawaguchi.jimdofree.com

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