学校ホームページは、専門学校をはじめ、多くの教育機関にとって学生の集客・ブランディングのための重要なチャネルです。
専門学校を志望する高校生の多くは、ホームページで授業内容や学校の特色などの情報収集をします。
そのため、専門学校は、高校生やその保護者を惹き付けるコンテンツを掲載したホームページを用意する必要があります。
この記事では、専門学校のホームページの作り方の基本、外注する時に失敗しないポイントなどを紹介します。
目次
専門学校ホームページの主な作り方
専門学校が初めてホームページを立ち上げる場合や大規模なリニューアルをする場合、単一ページの構築だけでなく、「どのようなページをどのように配置するか」などの設計やデザインも必要になるため、Web制作会社に外注するのが一般的です。
ホームページを制作するには、他にも、ホームページ制作ソフトを使ったり、HTML・CSSを用いたりして自作・内製する方法もあります。
しかし、最近では、階層が多く頻繁に更新するホームページを作る場合、WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を使って制作するケースが多くなっています。
Web制作会社にCMSの入ったホームページを一度作成してもらうことで、Webに関する専門知識がない職員でも簡単にホームページを更新できるようになります。
専門学校の職員にホームページ制作のノウハウがない場合、まずは制作会社への依頼にかかるコストを試算してから業者選びを始めましょう。
【専門学校のホームページの主な制作・更新方法】
作り方 | メリット・デメリット |
---|---|
制作会社に依頼する | メリット ・クオリティの高いものができる ・サイト制作に校内の人的資源を割く必要がない デメリット ・料金が高い ・業者選びが大変 |
ホームページ制作後、 CMS(WordPressなど)を使って更新 | メリット ・初心者でも簡単にページが作れる・更新できる ・カスタマイズ方法などの情報が手に入りやすい デメリット ・お金がかかる ・基本操作を習得する必要がある ・例外的なページを作成できない |
集客できる専門学校ホームページの運用ポイント
学生や保護者を集客し、自校に興味を抱かせるために必要なホームページの運用ポイントを解説します。
わかりやすい導線を設計する
ホームページのCTA(Call to Action: 資料請求や連絡などの行動喚起)につながるボタンは全ページに配置するよう設計しましょう。
ホームページの訪問だけで終わらせるようなサイト設計では集客には不十分です。
オープンキャンパスや学校説明会や体験入学への参加、または専門学校を詳しく知るための資料請求などの具体的な行動につなげる必要があります。
学生が興味を持ちやすいオープンキャンパス情報や学校の授業風景などのページだけでなく、保護者が専門学校のカリキュラムや卒業後の進路、就職率、学費などについて把握できるページ、社会人・大学生向けの再進学用のページなど、ターゲット別に見せたいページを分けます。
こうすることでホームページのサイト構造がわかりやすくなり、ターゲットとなる訪問者それぞれのニーズを網羅できます。
特に、オープンキャンパスへの誘致は学生獲得に最も効果があり、願書提出数を増やすには欠かせません。
オープンキャンパスが始まる前の時期には、特設ページを用意して学校紹介動画やキャンパス紹介などのコンテンツを掲載するなど、ホームページ内で特設ページを目立たせましょう。
興味を引くコンテンツを載せる
専門学校のホームページ運用の基本として、学生にとって有益な情報が載っているということをわかりやすくアピールする必要があります。
オープンキャンパスや学校説明会・体験入学のようなイベント情報について紹介するページをはじめ、学校風景の写真や授業、実習の動画など、なるべく専門学校の特色や日常が伝わりやすいコンテンツを用意しましょう。
特に、各種イベント情報は専門学校を希望する学生や保護者が気になるコンテンツの1つです。
イベント情報はトップページに置いて、学生や保護者の参加を促すようにします。
【おすすめコンテンツ】
- 学科紹介
- 学科で行っている実習の紹介 … 写真付きにする
- ギャラリー…学校・授業風景の写真や動画をアップしておく
- 就職先情報、学校で取得できる資格 … なるべく詳細に記載し、毎年更新する
- 募集要項・奨学金制度
- オープンキャンパスや学校説明会、体験授業などのイベント情報(トップページに情報を載せる)
- よくあるご質問 … Q&A形式にする
- お問い合わせ・資料請求 … すべてのページからアクセスできるようにCTAボタンを設置する
- ブログ
- 各種SNSアカウント
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定期的にコンテンツを差し替える
専門学校は、毎年のように入学者・卒業生が入れ替わり、指導要綱の改訂などの変化が多いことから、ホームページ内にあるコンテンツは定期的に差し替えを行う必要があります。
定期的に情報が更新されておらず、前年度のコンテンツがそのまま表示されていたり、オープンキャンパスの時期が近づいても詳細情報がアップされていなかったりすると、専門学校に情報を求めてホームページを訪れたユーザーは不信感を抱きます。
情報が古いホームページへの不信感は、専門学校そのものへの不信感へ直結し、願書提出の候補から外れてしまう可能性が高まります。
新しいコンテンツを定期的に表示させるため、ホームページは制作時から更新がしやすい仕様にしておく必要があります。
ホームページの制作会社に全面的に頼らず自分たちで運用する場合は、管理画面が複雑ではないCMS(Content Management System: コンテンツ管理システム)を使うのがおすすめです。
専門学校のホームページ制作依頼で失敗しないコツ
競合校に見劣りせず、学生を惹き付ける専門学校のホームページを作成するためには、ホームページ制作会社に要望を伝えたうえで制作を外注するのが現実的です。
実際にホームページの制作依頼をするために必要な準備や、制作会社を選ぶポイントについて解説します。
RFP(提案依頼書)を策定する
制作会社に依頼をする場合は、RFP(Request for Proposal: 提案依頼書)を策定しましょう。
RFPとは、制作会社に対して提案してほしい内容を記載した資料のことです。
制作会社は基本的に専門学校が用意したRFPの内容をもとにホームページの制作を行います。
制作会社は、RFPをもとにホームページ制作の具体的な提案書を作成します。
RFPを作り、制作会社に共有する過程を経ることで、自校の理想通りのホームページを作ってもらえるか、発注前にある程度判断できます。
RFPを用意せずにホームページ制作を依頼する場合もありますが、初めて制作会社に依頼する場合は、RFP策定の作業を省かないようにしましょう。
RFP策定の過程で納期や費用面などホームページ制作の課題が明確になるだけでなく、こちらから口頭で制作会社に要求を説明する手間が省けます。
また、要求を明記することで自校と制作会社側で「言った・言わない」のトラブルが発生するのを防げる、制作会社の提案の質が上がるといったメリットがあります。
RFPを制作する際は、「目的」「現状の課題」「予算」「スケジュール」「提案の範囲(どこまでしてほしいのか)」を明記し、依頼前の不明点・懸念点はすべてリストアップして記載しておきましょう。
RFPの全体構造
①全体像 | ・プロジェクト概要 …ホームページ新規制作、リニューアルなど ・ホームページ制作の背景・目的 …資料請求数、願書提出数の増加など ・現状わかっている課題 …問い合わせ数が少ない、ホームページ訪問数が少ないなど ・目標・成果 …資料請求を現状から何パーセント増やすなどの数値目標 ・スケジュール …2022年7月まで、など具体的に ・ターゲット …専門学校生、保護者など ・希望コンテンツ内容・数 …具体的にリストアップして記載 |
②提案の要件 | ・提案を依頼したい範囲 …どこまで依頼するのか(トップページからすべてか、主要ページのみか) ・納品物イメージ …想定している自校のホームページと似たサイトを記載 ・制作手法 ・機能・運用・保守要件 |
③その他 | ・検討事項 ・想定する競合 |
提案・サポートしてくれる制作会社を選ぶ
専門学校の担当者や業界の現況や年間スケジュールについて理解し、専門学校のホームページに求められるものを提案・作成できる制作会社に依頼をすることが大切です。
夏休みのオープンキャンパスや体験入学の学生募集の繁忙期に間に合うよう施策を提示できるか、ホームページ制作のノウハウがない自校の担当者に合わせたサポートができるかなどの条件も重視しましょう。
依頼したい制作会社の目途がついた後は、最終的に3社ほどに絞ってコンペをしたうえで制作会社の比較をすると間違いがありません。
信頼に足る制作会社を見極めるには、以下のポイントを確認しましょう。
【見極めポイント】
- 集客実績があるWebサイトを制作した経験があるか
- こちらの知識レベルに合わせたサポートができるか
- 提案がこちらの希望通りの予算や納期になっているか
- 見積もりに不明瞭な項目・料金がないか
まとめ
集客に結び付くホームページを制作するためには、学生や保護者が興味を持つコンテンツのピックアップや、資料請求などの行動を喚起する動線設計が重要です。
多くの専門学校では制作会社に依頼してホームページを作ることになりますが、制作会社の見極めはホームページ制作にとって最も重要と言えます。
事前に自校でRFP(提案依頼書)を策定して課題や要望を明記しておくことでよりクオリティの高いホームページ作りが実現できます。
ポイントを押さえたうえでターゲットを惹き付けるホームページづくりを始めましょう。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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