新型コロナウイルスの影響により、マスクが手放せない生活になってから3年が経ちました。2023年3月13日、マスク着用は個人の判断に委ねられましたが、現在でもマスク生活を続けている学生や先生が多くいます。
街中を見ても、マスクを外して歩いている人は少ないですよね。そのため、今後もしばらくはマスク着用が当たり前の状況が続くかもしれません。
しかし、マスクを着用したままのコミュニケーションにはデメリットがあります。本記事ではマスク生活を続けるデメリットと、着用時のコミュニケーションで意識したいポイントを解説します。
「学生とのコミュニケーションがうまく取れていない気がする」と感じている先生は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
マスクをつけたまま学生と接する2つのデメリット
マスクを着用していると顔の半分が見えないので、主に2つのデメリットがあります。
- 表情がわからない
- 声が聞き取りづらい
それぞれ解説します。現場で実感している先生も多いのではないでしょうか。
表情がわからない
口元の動きは、相手の表情を読み取るための重要なポイントです。しかし、マスクで隠れているために、口元の動きが見えません。お互いどのような表情で会話しているのかわかりづらく、細かいニュアンスを伝えにくいのがデメリットです。
たとえば「おはよう」と挨拶を交わすとき、口元が笑っているかへの字になっているかで印象が変わりますよね。「今日も元気そうだな」「何か嫌なことがあったのかな」など、表情で学生の状態を判断していた先生も多いのではないでしょうか。
相手の気持ちを判断する材料が少ないために、会話をしていても「怒っているのかな?」と勘違いされるケースもあります。
声が聞き取りづらい
マスク着用により、学生の声が聞こえにくいと感じた経験のある先生は多いでしょう。同じく、先生の声が聞こえないと感じた学生もいるはずです。
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社の調査によると、相手の声が聞き取りづらいことで「聞こえたふり」をした経験がある人は8割以上いることもわかりました。※1
なかには授業中、わからない部分を聞き返すことに抵抗がある学生もいます。つまりマスク生活が始まる前に比べ、先生の声が聞こえず内容が理解できないまま、授業を受けている学生も増えていると予想されるでしょう。
※1:ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 聴脳科学総合研究所調べ
マスク生活が続くことによるコミュニケーションへの懸念
マスク生活も3年目に突入しました。1歩外に出ればマスクをする生活が当たり前だったため、人前でマスクを外すことに抵抗がある学生も増えているようです。最近は、マスクを外すこと=人前で下着を着けないことだと表現する「顔パンツ」という言葉も生まれました。
なかには「顔のコンプレックスを隠せる」「人に見せたくない感情を隠せる」などの声もあります。確かに人に見せたくない部分を隠せる点はメリットかもしれません。しかし、マスク生活が続けば、相手の表情を読み取る能力が低下するのではないかとの懸念もあります。
感染症対策は大切ですが、コミュニケーションの質が下がることについても対策が必要となるでしょう。
不要なシーンでは積極的にマスクを外すのがおすすめ
マスク着用に対する考え方が少しずつ変化を見せているものの、現在では着用している先生や学生が多いでしょう。
とはいえ、マスクのないコミュニケーションのほうが、細かいニュアンスまで伝えやすいのが事実です。なかには「外したいけれど、周りがつけているから外せない」と感じている学生もいるかもしれません。
外すことを強要するのはNGですし、マスク着用が必要な場所もあります。しかし、これからはマスクなしでも気持ち良くコミュニケーションが取れる環境作りも大切です。そのため、屋外や物理的な距離が充分ある空間では、まず先生が積極的にマスクを外してみてはいかがでしょうか。
マスクを外す先生が増えれば、学生たちも抵抗なく外せるでしょう。
マスク着用時のコミュニケーションで意識したい4つのポイント
マスクを着用したまま授業を進める際は、下記4つを意識しコミュニケーションを取るとよいでしょう。
- 学生の話には大きめに相づちしながら聞く
- ゆっくり大きな声で話す
- 抑揚と「間」を意識する
- ジェスチャーで感情を伝える
詳しく解説します。
1.学生の話には大きめに相づちしながら聞く
マスクを着けた状態では、相手の表情が見えにくくなります。反応が薄いと、話を聞いてくれているのか不安になる学生もいるでしょう。
そのため、マスクをしているときは大きめのうなずきで、聞いていることをアピールするのがおすすめです。聞いている姿勢が伝われば、学生も安心して話せるでしょう。また会話する際は「あなたと会話しているよ」ということを伝えるために、学生の目を見ることもポイントです。
2.ゆっくり大きな声で話す
声がこもりやすいマスクは、声が小さかったり早口だったりすると余計に聞こえにくくなります。マスク越しでも相手に伝わるよう、いつもより大きめの声でゆっくり話すことを意識しましょう。
授業であれば、途中で聞こえているかの確認も大切です。その際は単に「ここまでの時点でわからないことがある人?」よりも、具体的に呼びかけるとよいでしょう。
特に後ろの席は声が届きにくい傾向にあります。「後ろの席の○○さん、私の声届いてるかな?わからないことがあれば言ってね」など積極的にコミュニケーションを取れば、学生に声が届いているか確認できますし、存在を気にかけていることも伝えられます。
3.抑揚と「間」を意識する
ずっと同じ調子で話をしていると大切なフレーズが印象に残りにくくなるため、抑揚をつけるのがポイントです。特に伝えたいことや強調したいことは、やや高めの声で話しましょう。
また話し手のスピードに、聞き手が追いついているとは限りません。そこで重要なのが「間」です。学生が先生の話を理解するための間を作りましょう。授業中は定期的にクラス全体を見回し、学生の表情を観察することが大切です。マスクをした状態では表情が見えにくいですが、目線や首の動きなどで判断して必要があれば声かけしましょう。
4.ジェスチャーで感情を伝える
感情を伝える手段は表情だけではありません。身振りや手振りでも伝えられます。学生が嬉しそうに話したときは、先生も大きく手を叩いて喜びを表現する。授業内容で強調したいことがあれば、手を使ってホワイトボードに記載されている図や文字を指すのもよいでしょう。
最初は恥ずかしいと感じるかもしれませんが、伝えたいことを理解してもらえたときは嬉しさを感じますよ。
まとめ
マスク着用が個人の判断になりましたが、まだまだマスクが手放せない人は多くいます。コミュニケーションの点ではデメリットが多いため、少しずつマスクなしの生活にも慣れていく必要があるでしょう。しかし、着脱の強要はできません。
マスクを着用しながら学生と話す際は、本記事のポイントを意識してみてください。表情以外の伝え方をマスターすれば、マスクの有無に関係なくスムーズに学生とコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
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佐藤 なおか
移住により新潟で活動するWebライター
趣味は飲み歩き(ビール好き)とドライブ