実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!

実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!|ウイナレッジ WE KNOWLEDGE

実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!

TOP教養スキルアップ心構えの大切さ

心構えの大切さ

2023.04.28 (最終更新:2024.03.27) スキルアップ 教務情報

連載大原先生の学生指導のすゝめ

動機づけ教育プログラム「実践行動学」を開発する「実践行動学研究所」大原専務理事の学生指導のすゝめ。 学習塾での指導歴25年の大原先生が、実例を用いて学生への接し方をお伝えするシリーズです。 テンポのよいユニークな文章は、一度読んだらハマること間違いなし。

学生のころのことを思い返すと、親・先生・部活動の顧問に叱られないように、というモチベーションで勉強や部活に励んでいた記憶がありませんか。
親が見ているときは机に向かう、顧問の目の有無で部活動の気合の入り具合が違う…なんてこともあったのでは。
社会にでると、周囲の目は関係なく、業務を進めるうえで必要な努力や準備をすることが求められます。
学生のうちからその姿勢が身に付けられたら…。

今回は、実践行動学研究所 大原幸夫専務理事から「心構えの大切さ」について寄稿していただきました。

こちらも読まれています

懐中時計の心構え

8年近く前になりますが、教育機関や一般企業を対象に講演活動で全国を飛び回っている木下晴弘先生とお話しする機会に恵まれました。
木下先生はコロナ禍前の当時、年間250本以上の講演をされている超売れっ子講師。
もちろん現在もますますご活躍で、セミナー受講者は350,000人を超え、数多くの本の執筆もされています。

参考:株式会社アビリティトレーニング「木下晴弘プロフィール」

そんな木下先生に、何の気なしに「お休みの日は何をされていますか?」と伺ったところ、ビックリな答えが返ってきました。

「講演の練習をしています。 もっと上手になりたいんです。」

!!!!!!!

あんなに人を感動させる講演ができているのに、そこまでする?
毎日講演をしているのだから、たまの休みくらい…
思わず私は、そんな風に思いました。
でもその後すぐに、「そこまでやるからこそ、プロ中のプロになれるんだよなぁ」と深く納得しました。

木下先生は「私はただの小心者だから」と謙遜しながらこんなお話を聞かせてくれました。

タンスの裏に懐中時計が落っこちて、だ~れも気づかないのに毎日毎日チクタクと時を刻んでいたそうだ。

そこに鼠がやってきて、笑って言った。

「馬鹿だな~。誰も見ていないのに。 何で動き続けているの?」

そのとき懐中時計はこう答えた。
「人の見ないときに動いているから、いつ見られても大丈夫なのさ」※1

いや~、やはり一流と呼ばれる人の考え方は一味違いますね。
このお話は、仕事に限らず、スポーツや勉強、あらゆるものに対しての“心構えの大切さ”、“思考の習慣の大切さ”を教えてくれていると思いませんか?

「誰にも見られていなくても、常に必要な準備をする」

もしも学生が、先生に叱られたくないという理由で課題をやっていたのなら、誰かに見られていないときはサボるという姿勢でいたのなら、このお話をされてみてはいかがでしょうか。

「社会人」としての心構え

懐中時計が毎日チクタクと動いているのは、必要とされたときに「時計」としての役目を果たすため

学生時代はどんなことも「自分のため」であることが多いのですが、社会人になると、「会社のため」「同僚のため」「お客様のため」…と、自分以外のためにやることが増えます。

「人に見られているからきちんとやる」というのは、自分の印象をよくしたい、評価を下げられたくない、というモチベーションから生まれる行動です。

ただし、それが通用するのは、「自分のため」にやるべきことに対してのみ!なのです。

だって、先生が、「まだ明日の会議で使う資料の準備ができていないけど、同僚もみんな帰ったから帰っちゃおう」なんてことをしたら、明日の会議が進まなくなってしまいますよね。周りの先生の時間を奪い、迷惑をかけることになります。

会議資料は期限が決まっていますが、懐中時計はいつくるか分からない「いざ」というときに備えていたわけですから、ますます尊敬します。

たとえば小話のネタを収集しておくとか、美文字の練習をするとか(板書の文字は汚いより綺麗なほうが◎)、そんなことも懐中時計っぽいでしょうか。

社会人になると、だれも見ていなくとも自分の役目を果たすために常に準備を整えなくてはなりません。

学生のうちから、いつ見られても大丈夫な自分でいるよう心掛けられるとよいですね。

たとえ話は、単なるお説教の数倍の威力で心に響く。

…かもしれませんよ!

※1 木下先生のお話は、以下のお話を、記憶をたどって引用されたものです。
青空文庫「懐中時計」(夢野久作)

※この記事は、実践行動学研究所のメールマガジン「しなやかな心と学ぶ力が育つメルマガ ColorfulTimes」173号を再編集したものです。

こちらも読まれています

この記事は役に立ちましたか?

\ぜひ投票お願いします/
この記事を書いた人
大原 幸夫

大原 幸夫

一般社団法人実践行動学研究所 専務理事
学習塾に25年勤務。その後小~中学校向けのワークショップの開発、及びファシリテーターの育成に従事している。またコーチング研修等の講師・講演を行う専門家でもある。

週間アクセスランキング

週間アクセスランキング

お問い合わせ
LINE登録
メルマガ登録
LINE登録
メルマガ登録
トップへ戻る