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TOP教養スキルアップ先生はミレニアル世代、学生はZ世代!ジェネレーション・ギャップとどう向き合う?

先生はミレニアル世代、学生はZ世代!ジェネレーション・ギャップとどう向き合う?

2021.05.17 (最終更新:2024.03.27) スキルアップ 教務情報

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今回は、専門学校の先生と学生のジェネレーション・ギャップについてのお悩みです。

常に20歳前後の学生と接している先生方なら、どなたもジェネレーション・ギャップについて考えたことがあるのではないでしょうか。異なる世代間でうまく付き合うコツとは?

侑加先生に聞いてみましょう。

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【今回のお悩み】学生とのジェネレーション・ギャップについて

相談者:佐藤先生(仮名)

私は20代後半の専門学校講師です。
講師の中でも学生たちと年が近く、感覚も近いほうだと思っていたのですが、最近「これがジェネレーション・ギャップか…!?」と思うことが時々あります。

そういえばと思い少し調べてみると、私はいわゆる「ミレニアル世代」で学生たちは「Z世代」なんですよね。

私も早い時期からデジタルに慣れ親しんできたデジタル・ネイティブだと思っていましたが、今の学生たちとはやはりデジタルとの接し方も違うなと感じます。

ほかにも、環境問題への意識の高まりや、コロナ禍で10代を過ごす経験など、どんどん違いが広がってきているんだろうなと思います。社会に対する意識や人生観・価値観のようなものまで、もう「近い」とは言えないんでしょうね…。

初めての「ジェネレーション・ギャップ」に戸惑っていますが、あまり若者を困らせない年長者になりたいなと思っています。

いつの時代にもジェネレーション・ギャップはあると思いますが、上の世代の方々はどんな風に向き合っていらっしゃったのでしょうか。


以上が今回のお悩みです。
それでは侑加先生の回答をご覧ください!

「今時の若者は…」と批判的な心が「老害」を生む

佐藤先生は、お優しい方なのねと感心しました。

初のジェネレーション・ギャップに戸惑いながらも、「あまり若者を困らせない年長者になりたいな」と思っていらっしゃるのですね。

でも、20代後半の佐藤先生が18歳~20歳の学生に対して、ギャップを感じるということには、少々驚きました。これは、ご自身が20歳だった頃から数年を経て、キャリアを積まれた証拠とも言えるのではないでしょうか。

「上の世代の方々はどんな風に向き合っていらっしゃったのでしょうか。」というご質問です。確かに「ジェネレーション・ギャップ」は、いつの時代も問題になりますよね。一つ思い出したエピソードがあります。

以前、中堅社員研修で伺った会社で、50代前半の男性社員の方から「今時の若者は、メールも満足に打てないよね」と愚痴にも似たお話がありました。情報系企業でしたので、若手社員のパソコンスキルに、少々もどかしさを感じていらっしゃったのでしょう。

50代の方が入社した頃は、若手がパソコン仕事を一手に担い、年長者を助ける構図がありました。しかし、スマホの普及で、パソコンの苦手な新卒者が増えたのです。学生時代にトレーニングを受けたり、資格取得をしたりした人の特別なスキルになったような雰囲気もあります。

この男性社員は、現状を嘆いていないで、対策を講じるべきだと思いました。新卒者の内定前研修で、パソコンのプログラムを組む、新人研修で会社としてのモデル文を配布するなど、蓄積された方法は沢山あるはずです。

50代ともなると、自分史上最高の役職に就き、会社での居心地が良い人も多いと考えられます。年功序列を堅持する会社であれば、なおその傾向が高まります。

人生を振り返り、「自分の若い頃はもっと立派だった」などという気持ちも芽生えるのでしょう。しかし、そうした人の当時の上司から見れば、やはり物足りない今時の若者だったのかもしれません

「今時の若者は…」との批判的な言動は、狭量に聞こえます。いわゆる「老害」はこのような気持ちから生まれるものと認識し、人生の少し先を歩く者は、自重していきたいものだとつくづく思いました。

ミレニアル世代―Z世代の高校生・在校生と先生方のブリッジになれる貴重な存在―

2021年、今春の新入社員研修では、次のような方々が参加されました。
年齢は、18歳から25歳まで。
学歴は、高卒、専門学校卒、短大卒、大学卒、大学院修士課程修了と様々。
途中の経歴も、浪人、留年、留学経験者など色々です。

東北出身で研修後、東北に戻って配属される方や、中部地方出身で関東に配属される方、マレーシア出身、東京で日本語を学んだ外国籍の方。
「新入社員、同期入社」と一言で表現するものの、バラエティーに富んでいますよね。以前は、中国や韓国、ベトナムの方もいらっしゃいました。それぞれに思う常識もバラバラ、まさにギャップが混在する状態です。

佐藤先生は、今の学生達と「社会に対する意識や人生観・価値観のようなものまで、もう『近い』とは言えないんでしょうね…。」と少し寂しさを感じていらっしゃるようですね。

外国の方に対してのギャップも寂しいと感じられますか。
おそらく「文化の違い」などと捉えられ、寂しいという感情は湧かないのではないでしょうか。

日本社会は、女性の若さをもてはやす傾向があります。
「女子アナ」などと、女性アナウンサーを呼び、いつまでも「女子」でいることに価値を置いているよう聞こえます。

私達は、毎年1つずつ年を重ねていきますから、若さに媚びた生き方は、女性にとって、辛くなるばかりですよね。

若い学生を眺めて「もう若くはない私」を確認する心の動きは続いていきます。
ただ、プラスに受け止めるか、マイナスに受け止めるかで、生き方に大きな違いが生まれるように思えるのです。

そこで、二つ提案があります。

一つは、佐藤先生の担当される分野において、より専門性を高める勉強を続けることです。例えば、検定取得の対策を行っていらっしゃるのでしたらご自身はさらに上の級を目指す、専門家の話を聞くために大学の授業を聴講してみるなどです。

通信教育も充実しています。
「〇〇なら、佐藤先生に聞いてみよう」と更に周囲の信頼を得られるようになるでしょう。

趣味の分野でもいいですね。
スキューバダイビングのライセンスを取得する、日本舞踊を習ってみる、ギターを弾けるようになるなど、何か興味の向くままに、自分の時間とエネルギーを注いでみるのです。すると、「18歳の私にはできなかったけれど、28歳の私にはできた」という経験が生まれます。

この成功体験は、一朝一夕にはできないものです。年齢を重ねた喜びを見出せるようになると、人生をますます充実したものにできますよね。

二つ目は、「ロールモデル」を探してみることです。
身近な女性の先輩、テレビやYouTubeで活躍する俳優やアーティスト、政治家でも良いのです。女性の人生も多様性に満ちています。

「女子アナ」を卒業し、「キャスター」と呼ばれる方々は、男女や年齢、国籍による縛りを超越しています。積み重ねた実績が周囲を納得させるのですね。

生き方が素敵、人柄に憧れる、話し方を真似したい、ファッションが魅力的など、自分のお手本になる人や事柄を見つけることは、生きる喜びに直結していきます。人生100年時代、輝いている先輩が大勢います。

さて、ここで、専門学校の特性について今一度振り返りたいと思います。
専門学校では、高校生を対象に、オープンキャンパスをはじめとした様々な取り組みで自校の魅力を伝えていき、応募に繋げます。

先生や職員の方々が在校生とのジェネレーション・ギャップを上手く把握できていないと、更に年齢の離れた高校生の心情を理解することは難しいのではないでしょうか。

在校生が一番高校生に近いのですから、「Z世代はこういう考え方をするのね」と日々ギャップを感じ取り、学ぶ姿勢を大切にしたいですね。ここから、高校生の夢や希望に合った内容を組み立て、接し方を研究することができます。

30代、40代の先生方よりも、20代の先生方の方が敏感に感じ取れることが多々あると思います。そこで、学校全体の中でも高校生とのブリッジ的な役割を果たせるのは、佐藤先生の世代であることを、ぜひ認識していただきたいと思います。
ミレニアル世代はとても貴重な存在なのです。

ジェネレーション・ギャップを活かす就職指導体制を

専門学校の先生にとって、就職指導も重要な仕事ですね。
学生は資格取得の勉強をしながら、インターンシップや実習などを通して、社会と接していきます。

2025年問題をご存知でしょうか。
65歳以上が3人に一人、「団塊(だんかい)の世代:戦後の第1次ベビーブーム世代」が後期高齢者となり、75歳以上が6人に一人になるとされています。社会保障の不足が予測されるため、国は70歳まで希望者を雇用するように社会構造を変革しようとしています。

学生がインターンシップや就職でお世話になる職場に70歳の先輩がいても不思議でない現実がそこまで来ています。当然、お客様や取引業者の中に65歳以上の方も大勢います。

世の中を俯瞰で捉え、幅広い年代の方々とコミュニケーションできるような人柄やスキルを身に着ける重要性を、身近な年代の先輩が示してあげたいですよね。
敬語が上手く使えるということは一つの技術ですが、それ以上に多様性を認めるようなマインドを持つことが重要だと思います。

また、社会に出ると、保守的な考えを持つ人生の大先輩が存在する事実を伝えておくことも大切です。「こんなはずでは…」と新入社員となった卒業生がギャップを感じて悩んだり、すぐに退職したりするというのでは、残念過ぎますから。

長期化するコロナ禍では、就職指導も大変です。
アルバイト経験も積めなかった学生に社会を伝える難しさもありますよね。まずは「家族の一員を社会人の先輩として捉える」啓発から始められてはいかがでしょうか。

3世代、4世代で暮らす大家族の一員であれば、高齢者世代の日常を見ています。
核世帯、少人数世帯でも、父親、母親という役割だけでなく、一人の社会人の先輩と考え、どのような人生経験があるのか、高度経済成長期の日本、昭和、平成の時代など、近現代史で学んだ以上の学びを、家族を対象にしてみること。

どのような業界、企業に勤め、どのような役割を果たしているのか。また、どのような人材を求めているのかというリアルな声を聴きたいですね。

高校生の子供に対して、学費の心配をさせたくないと考える親御さんは多いと思いますが、いよいよ社会に巣立つ準備をしている学生に対しては、世の中の経済を教えることは必要です。

学生も一人暮らしやアルバイトをしたり、奨学金を申請したり、20歳になれば国民年金の支払いも始まります。

地に足を付けた生活ができる社会人になるためのステップとして、家族を社会人の先輩として見る視点を養えるよう、先生から促すことも大切なキャリア教育ではないでしょうか。

コロナ禍で10代を過ごす経験を積む学生達に心を寄せながら、アフターコロナを見据えて、より良い学業、就職活動の展開ができるよう環境を整えていきたいなと思います。

最後に

ミレニアル世代ならではの良さを活かし、佐藤先生も素敵に年を重ねながら、学生にとってのロールモデルになっていってくださいね。

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この記事を書いた人
侑加先生

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一般企業を経て、専門学校に正教員として勤務。
現在は、企業・大学講師、小中学生の塾経営。
趣味は、お笑いと高校野球、旅行。一児の母。

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