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TOP教養学校運営プロが、専門学校生に学んでおいてもらいたい企業SNS運用の基本

プロが、専門学校生に学んでおいてもらいたい企業SNS運用の基本

2023.02.24 (最終更新:2024.03.28) 学校運営 教務情報

総務省が行っている「通信利用動向調査」によると2021年の13歳から19歳のSNS利用率は90.7%となった。
2016年の同世代の利用率が67.3%だったことからも、ここ5年で飛躍的にSNS利用が拡大していることがわかる。

同調査のSNS利用目的の回答として大きく伸長した項目としては、「災害発生時の情報収集、発信」とともに「知りたいことについて情報を探すため」となり、情報収集手段としてのSNS利用が浸透していることが窺える。
そのため、企業SNSはもはやブランド力を高めるためだけではなく、顧客獲得に必要不可欠な存在となっている。

そんな中、国内屈指のマーケティングDX支援企業でSNSを活用したデジタルマーケティングの最前線で企業をサポートしてきたアライドアーキテクツ株式会社が、即戦力となるSNSマーケティング人材を専門学校で育成するために授業用教科書「はじめて学ぶ人のSNSマーケティングテキスト」を出版した。

この著書では、個人利用の延長線上で企業SNSを運用することに警鐘を鳴らすとともに、即戦力人材が身につ けるべきSNSマーケティングスキルを「投稿」と位置付けている。
そこには、どのような想いがあるのだろうか。

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個人SNSの延長線上で企業SNSを理解させてはいけない

SNSの利用という部分だけ捉えれば、学生たちの方がSNS個々の特性やアップデートされた最新機能を把握して使いこなしているかもしれません。
しかし、企業がビジネスとしてSNSを利用することは、そもそも個人利用とは考え方の根本が異なります

スタートの違いをしっかり教えないまま、SNS慣れしている前提で授業を進めても企業現場で通用するSNS運用スキルは身につきません。

では、企業がビジネスとしてSNSを利用するのは何のためか。

まず、企業がSNSを活用することで得られるメリットを理解することが大切です。
メリットは、大きくわけて以下の3点が挙げられます。

1.企業が消費者と直接コミュニケーションできる
2.自社の世界観を広め、ファンを作ることができる
3.これまで接点を持てなかった生活者にアプローチできる

これらのメリットを享受するために 企業はSNSをどのように活用すればよいのか、課題や目的に応じた方法を整理してみましょう。

企業の場合はSNSアカウントも目標を設定して運用する必要があります。

単に「フォロワーを増やす」という目標を立てても、なぜフォロワーを増やす必要があるのか、フォロワーを増やしてどうするのか、自社のビジネスに応じた目的が明確でなければ最終的なゴールは設定できません。
ブランドの認知度を上げるためなのか、WebサイトのトラフィックやEC事業の売上を上げるためなのかによって、どんな人をフォロワーにすればよいか(ターゲット)も変わってきます。

そこで、最初に目的をしっかり定めておくことが重要となります。
企業がSNSを利用する目的は次の4つに大別できます。

1.ブランディング
2.販売促進・集客
3.コミュニケーション・ユーザーサポート
4.社内コミュニケーション・採用

いかがですか。
個人のSNS利用と企業のSNS利用の違いが見えてきませんか。

整理すると、

<個人のSNSで行っていること>
 ・気に入ったアカウントをフォロー
 ・話題のカフェでスイーツを投稿
 ・バズっている動画にいいね!友達にも知らせたいからシェア

<企業のSNSで行っていること>
 ・新商品やリニューアルのお知らせを投稿
 ・人事部からの依頼で採用活動を告知
 ・クレームやカスタマーからのコメントに返信

個人と企業のSNSでは利用目的が異なることが分かります。

当たり前のことですが、企業の場合、SNSは会社がアカウントを保有して運営するメディアです。
個人のSNSと同じように自分の気分や感情だけで投稿を作ることはできません。

企業SNSは、目的に基づいた戦略、企画、計画のもと、さまざまな部署の理解と協力、承認を得て運用する必要があります。
ときには、日ごろからSNSを使っていない人にも投稿の意図を説明し、協力を得るなどの努力も必要になります。

キャンペーンや広告戦略よりも「投稿」をしっかりと学ばなければならない理由

SNSの「投稿」といっても、各SNSによって映像や写真、文章など適している投稿形態があります。

企業では、目的を達成するためにターゲットに対して効果的なSNSを選択し、投稿を行うことが大切です 。

そして、投稿を行うためには、戦略に基づく企画、企画を実行するための計画、計画に基づく香盤表やラフ作成など、投稿するための事前準備が多岐に渡ることをしっかり理解し、各場面で何が必要になるかなどを把握 しておく必要があります。

また、「投稿」するためには、広告代理店やクリエイターとの連携や、上司の承認等の社内手続きを行わなければならず、そのための知識も不可欠です。

データの拡張子を理解することがコンテンツを共有して作業するための基本

個人でSNSを活用する場合は、TwitterやInstagramのアプリから直接入力したり、素材をアップロードしたりして投稿することが多く、投稿コンテンツを事前にデータとして用意する機会はあまりないかもしれません。

しかし、企業でアカウント運用をする場合には、ほかのスタッフや制作会社とのやりとりや上司への確認など、SNSに投稿する前にコンテンツを共有する必要が発生します。
そうした際に、コンテンツのタイプに合わせた適切な形式でデータを保存し、スムーズなやりとりができるように、ファイル形式と拡張子の基本的な知識を身につけておく必要があります。

デジタルデータのファイル形式には数多くの種類があり、それぞれのファイルの種類を区別するために「拡張子」が使われています。
ファイル名の後にピリオド、その後に3文字程度の英数文字列の構成になっている拡張子を見れば、そのファイルの種類や対応するアプリケーションが分かります。
スマートフォンや買ったばかりのパソコンは基本的に拡張子が非表示になっていますが、設定を変更することで拡張子を表示させることができます。

拡張子によってウイルスやマルウェアなどの危険性があるかどうかも判断することができるので、ファイルを開く前には必ず拡張子を確認することを習慣づけることが大切です。

「投稿」で必要なわかり易い文章を書くコツとは

SNSの投稿で必要な文章(ツイート、キャプション、テキストとも呼ばれます)を書くためのコツは3つです。

1.短く簡潔に
2.記号を活用する
3.読み手との距離感に配慮する

具体的に、3.読み手との距離感に配慮する、を説明しましょう。

SNSの文章は基本的には「ですます調」です。
親しみやすさを感じさせつつも程よい距離感の文章が好まれます。
そのため、あえて投稿者のキャラクター設定を行う場合を除き一般的な「ですます調」を使用します。

例えば、「~だね」「~だよ」はどうでしょうか。

フォロワーとの関係性が密で仲が良さそうにも見えますが、あまり親密すぎたり、内輪ネタのような印象を与えてしまうと新規のユーザーが違和感を覚える懸念があります。

店舗での接客と同様に、適度な距離感を保ちつつ丁寧な文調を心がけることが望ましいと言えます。

逆に、「~でございます」とする場合は、どのような印象を与えるのでしょうか。

丁寧すぎる文末表現も投稿者との距離を強く感じさせるためSNS にはふさわしくありません。

またプレスリリースなどの 文章をそのまま使用してしまうととても硬い印象になってしまい、これもSNS向きではありません。

リリースをもとにSNSの投稿文章を作成する際は、SNS上のユーザーに向けた文章として適切かどうかを考えながら適宜文末を整えます。

他にも、スチール撮影や動画制作といった部分でも投稿するために押さえておかなければならないポイントやルールがあります。
これらをしっかりと学び理解することが、SNSを運用できる即戦力人材となるために大切なことなのです 。

学生は、マーケティング理論やキャンペーン・広告戦略ばかりに興味を示すかもしれませんが、企業で活躍するために本当に必要なことは、実は、基礎の基礎である「投稿」をしっかりと学ぶことであると、ぜひ、先生方にご指導いただきたいと考えます。

※ 本記事は、「はじめて学ぶ人のSNSマーケティングテキスト」(著:アライドアーキテクツ株式会社、2023年2月ウイネット出版刊行、定価:2,000円+税)より、本文の一部を抜粋・再編集したものです。

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