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TOP教養スキルアップ学生の心に残る「ひとこと」とは

学生の心に残る「ひとこと」とは

2023.06.26 (最終更新:2024.03.27) スキルアップ 教務情報

連載大原先生の学生指導のすゝめ

動機づけ教育プログラム「実践行動学」を開発する「実践行動学研究所」大原専務理事の学生指導のすゝめ。 学習塾での指導歴25年の大原先生が、実例を用いて学生への接し方をお伝えするシリーズです。 テンポのよいユニークな文章は、一度読んだらハマること間違いなし。

そろそろ夏本番を迎え、国家試験や資格取得のために精進している学生・先生方が多いかと思います。
必死に頑張っている学生をみると、もっとわかりやすく、もっと楽しく接することができないか?と息巻くこともあるでしょう。
そんな努力が実を結んでか、学生の卒業を迎え、巣立つときに学生から「先生から言われた〇〇、結構覚えてるよ!絶対忘れないでいるわ!」なんて言われることもあると思います。

今回は、そんな学生の心に残った「ひとこと」について、実践行動学研究所 大原幸夫専務理事から寄稿していただきました。

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人に伝えたい言葉とは

今日は皆さんに、“ぜひ人に伝えたい言葉”についてお話をしたいと思います。
その言葉は、「彼氏に求めている言葉ランキング」で見事第一位に輝いています。

ちなみにこの言葉は、他にも、
・21世紀に残したい言葉ランキング 一位
・自己肯定感を育む言葉ランキング 一位
・子供が大人から言われてうれしい言葉ランキング 一位

にも輝いているそうです。

―もうお分かりですよね?

その言葉とは、、、

ありがとう

これ、伝えそびれることも多いので、気をつけなくちゃと思っています。
さて、ここでクイズです。

「ありがとう」を英語で言うと?

もちろん“Thank you”も正解ですが、賢明な読者の皆さんなら、出題意図が他にあることはお察しの通りです。

正解は、、、

It’ s a miracle!

なぜならば、ありがとうの語源は“有り難し”だから。
“有り難し”とは、めったにないこと、もしあったら超ビックリ!という意味なので、まさにミラクル(奇跡)を意味しています。

ちなみに、ありがとう(有り難し)の反対言葉は、「当たり前」です。
当たり前だと思うことに感謝の気持ちは湧かないので、反対言葉としてピッタリ符合しますね。

いつも「it’s a miracle!」の気持ちで暮らせたら、幸せですよね~。

学生の心に残る「ひとこと」

さて、なぜこんな話をしたのか。
先日、探し物をしていたら、昔の教え子からもらったお手紙がわらわらと出て来て、懐かしくなって読んじゃいました。すると、あることに気づいたんですね。
どの年の卒業生も、「ありがとう」を言ってくれている内容に共通点があることに。

先生の教え方がうまい!とか、
先生が優しく教えてくれたおかげで苦手な数学の点数が伸びました~とか、先生から教わったことがすごく役に立ったとか。

・・・そういうことがあんまり書かれていない。

いや、まったくないわけじゃないですよ。
本人(私)の名誉のために一応言っておきます。
授業の準備にはけっこう時間をかけてたので、そっちの方の話があんまり出てこないってどうなのよと思いつつ…
その代わりにありがとうと書かれていたのは、
勉強以外の事もたくさん話を聞いてもらったとか、
あのひとことで気持ちが楽になったとか、
先生に書いてもらったカードをずっと持ってるとか。

まあそういうことが多いんですね。
振り返ると、なんてこともない話を生徒によく聞かされていて、
「いい加減遅いからもう帰んなさい!」とか
「こっちはクソ忙しいんだよ~」とか
言ってた気がします。笑

あのころにコーチングを学んでいたら、もっとちゃんと話を聴いてあげられたかもしれません。

そしてもうひとつ、ここだけの話ですが…

生徒や学生が感謝してくれている「私を支えたあのひとこと」というのが、かなりの確率で思い出せないという驚愕の事実
「そんなこと言ったっけ?」、もしくは「言ったような気もする」ぐらいの感じだったりとか。
いやいや、これは私だけじゃないはず。
これをお読みの先生方にも、きっと心当たりがあるはずです。そうに決まってます。

人というのは、自分でも気づかないところで人に影響を与えている

そういうことに、改めて気づかされました。
ということは、気づかないうちに人を傷つけている可能性だってあるわけです。
結構やってるかも。。こわいですね。

ともかく、先生というのは教えることが仕事のように思われがちですが、生徒や学生の心の中に残り続けるのはどうやらそれとは違うもののようです。
何をしてあげたかよりも、生徒や学生にとってどんな人だったか
人生の長さを考えたら、その方がはるかに大きな影響力を持つなぁと思いました。

学生の心に残る「何か」

これは、親子や上司と部下の関係でも同じじゃないでしょうか。

子供たちはあなたが教えようとしたことを忘れてしまう。
しかしあなたという人間を覚えているものだ。

ジム・ヘンソン(操り人形師)

学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。

アルバート・アインシュタイン(理論物理学者)

これらの名言の味わいを実感した、とある日の探し物でした。
単に知識を増やしたり、技術を身につけさせるだけじゃなく、先生の“何か”が生徒・学生の中に残る。
見えない、わからない、有り難い何かを生徒や学生とともに探す冒険の旅。
これこそが、教育という仕事の醍醐味なのだと思います。

私はもう先生と呼ばれる仕事は退きましたが、手紙を読みながら、
「何が残せたのかな」
なんてことを考えてしまいました。しみじみ~。

あなたは生徒・学生に何が残せたら幸せですか?

※この記事は、実践行動学研究所のメールマガジン「しなやかな心と学ぶ力が育つメルマガ ColorfulTimes」132号・161号を再編集したものです。

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この記事を書いた人
大原 幸夫

大原 幸夫

一般社団法人実践行動学研究所 専務理事
学習塾に25年勤務。その後小~中学校向けのワークショップの開発、及びファシリテーターの育成に従事している。またコーチング研修等の講師・講演を行う専門家でもある。

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